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更新日:2007年7月

Drからの守れ安産!メッセージシリーズ第6回
「胎児には記憶がある! だから、安産と胎教のススメ」の巻

おなかの赤ちゃんは、すでに意志や感情を持っている!そして、それを記憶している!もしそうなら、妊娠中からもっと赤ちゃんとコミュニケーションしたほうがいいかも!?「胎内記憶」を胎教や子育てにつなげようと提案する、池川クリニック・池川明先生のお話です。

赤ちゃんはおなかにいたときのことを覚えている!

池川 明先生

池川 明先生 池川クリニック院長
1954年、東京生まれ。帝京大学医学部大学院卒業。医学博士。1989年、神奈川県横浜市に池川クリニックを開設。2001年に「胎内記憶」について発表し、マスコミで紹介される。母と子の立場に立ったお産をめざすとともに、胎内記憶に基づく子育て観などの講演活動でも活躍。著書に『赤ちゃんと話そう! 生まれる前からの子育て』(学陽書房)、『おなかの中から始める子育て』(サンマーク出版)など多数。

池川クリニックの
ホームページ

「おなかの中は暗くてあったかかった。ずっといたかった」(2歳8ヵ月/女の子)
「暗かった。あったかい。ぷかぷか。とんとん」(1歳8ヵ月/男の子)
「おなかの中でいつも踊っていたよ」(3歳/男の子)
「パパとママがおなかなでなでして、トントンして、お話ししていた」(2歳7ヵ月)
「お母さんのおなかをポコンと蹴った」(3歳/男の子)
「するするぽんって生まれてきた」(3歳/男の子)
おなかであまり動かなかった子にそのわけをたずねると……。
「ママが痛い、って言ったから。かわいそうだから動かなかった」(4歳9カ月/男の子)

これらは、みんな子どもが語った胎児時代の記憶です。まさか、と思うでしょうが、実際のアンケートで出てきた、子どもたちの言葉なのです。
私が2000年に実施したアンケートでは、ほぼ半数の子どもに、胎内にいたときの記憶がありました(回答79人)。2002年と2003年の大規模調査でも、胎内の記憶を持つ子どもは33.0%、産まれるときの記憶を持つ子どもは20.7%という結果が出たのです。
こうした「胎内記憶」「誕生記憶」は、古くから報告されています。
1988年には『誕生を記憶する子どもたち』(デーヴィット・チェンバレン著)が出版され、世界的に話題になりました。
2007年の今年は、トマス・バーニー博士の訳本『胎児は知っている母親のこころ』(日本教文社)も出版。著書の中では、胎児にも記憶や感情があることを科学的証拠に基づいて展開しています。

胎内記憶・誕生記憶の保有率

総数3601人に配布し、1620人より回答(回収率45.0%)
・ 1回目:2002年8・9月、諏訪市の17保育園と2幼稚園で1773人に配布、838人が回答(回収率47.3%)
・ 2回目:2003年12月、塩尻市の19保育園で1828人に配布、782人が回答(回収率42.8%)

胎内記憶・誕生記憶について、最初に子どもが話し始めた年齢

記憶は2歳、3歳がピーク。6歳を過ぎると急に消えてしまう。大人になっても記憶が残っている人は、100人に1人くらいいるそう。

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意志を持つ赤ちゃんを信じよう

お産は命の誕生という喜ばしい瞬間であると同時に、母子ともに危険が伴う出来事です。そのため少しでも安全なお産にしようと、医療現場ではよく、陣痛が長引いてなかなか生まれそうにないと陣痛促進剤などを使います。かつては私もそうしていました。しかし、それでもトラブルが起こり、多いときには月に1度程度、患者さんを救急車で総合病院に搬送していたのです。
ところが、赤ちゃんに意志や感情があり、胎内記憶があると知ってからは、産婦人科医としての私の意識が変わりました。お産が長引いているのは、「赤ちゃんの準備ができていないのかもしれない」と考えるようになったのです。
それからは、「なんとか早くしなくては」と焦るのをやめ、「赤ちゃんを信じよう」と決意し、できるだけ自然な経過を見守るようにしたのです。
すると、むしろお産のトラブルが減りました。最近は救急車を呼ぶことは、まずありません。
今は分娩監視装置(NST)などで赤ちゃんに異常がないかを確認しつつ、お母さんの体調や心、赤ちゃんの意志を極力尊重するという方針です。もちろん、お母さん自身が自分の体に意識を向け、赤ちゃんの心を感じるようにすることも欠かせません。

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ホルモンと手のぬくもりで「幸せ」の胎教を

おなかの赤ちゃんへ語りかけアイデア
ママがおなかに手をあてて
パパがママのおなかに手をあてて

・ 語りかける言葉は、挨拶や日々の出来事などアレンジしましょう。
・ ママはリラックス&ニコニコ笑顔を心がけて。
・ 赤ちゃんに意識を向けることが大事。できるだけ毎日やりましょう。

妊娠中のお母さんから分泌されるホルモンは、胎盤からへその緒を通じて、すぐに赤ちゃんへと伝わります。お母さんが「幸せ」「いい気持ち」と感じるときにはドーパミンやβ-エンドルフィンなどのホルモンが、すぐに赤ちゃんに流れていきます。逆に、イライラしたり気持ちが不安定だと、それも赤ちゃんに伝わります。
ですから、妊娠中はできるだけリラックスして、楽しく過ごしてほしいのです。体調や気分が悪いときには、「ママは今、ちょっと元気がないけど、心配しないでね」と語りかけて、赤ちゃんを安心させてほしいのです。
この母親のホルモンが赤ちゃんに流れるメカニズムを利用して、私は妊娠中から親子の愛情を育むことを提案しています。
お母さんは、おなかの赤ちゃんに語りかけてください。お父さんも、ぜひやってください。お母さんのおなかに手を当てて、「ママよー、パパだよー、無事に生まれてくるのを待っているよー」など、誕生を心待ちにしていることを赤ちゃんに伝えましょう。
妊娠5カ月くらいには赤ちゃんの聴覚ができるので聞こえますし、それ以前でも振動は伝わります。おなかを通して手のぬくもりも伝わることでしょう。
そして、このときにお母さんから「幸せホルモン」が流れ出したら、赤ちゃんは「お父さん・お母さんの声=あたたかい、幸せ」と学び、記憶することでしょう。同じように、上の子やおじいちゃん、おばあちゃんなどとも、ぜひやってみてください

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笑顔で生まれてくる赤ちゃん

妊娠がわかってから生まれるまで、おなかに手を当てて赤ちゃんに語りかけていくと、赤ちゃんは、そのことを覚えて、お父さんお母さんのことが好きになっていきます。
実際、この語りかけを実践していると、赤ちゃんは本当にいい顔をして生まれてきます。お母さんだけでなく、お父さんと目が合って、ニコッと笑う赤ちゃんもいるんです。
一方で、意気揚々と赤ちゃんを抱っこしたお父さんが、赤ちゃんに泣かれてしまうケースも。よく聞くと、このお父さんは、妊娠中のおなかに話しかけていなかったということが多いのです。
こうした事実に数多く直面してからは、立ち会い出産にこだわることより、妊娠中から「いかに赤ちゃんにかかわるか」が大事だと思うようになりました。
「自然出産・母乳育児」も、もちろんいいことで、そうできるにこしたことはありませんが、それにこだわりすぎるのも考えものです。
自然出産や母乳育児がいいと言われるのは、出産時やおっぱいをあげるときに「愛情ホルモン」といわれるオキシトシンがたくさん分泌されるからです。オキシトシンは、相手を信頼し、喜びや快感を共有したいという本能と結びついているんです。
でも、オキシトシンは、赤ちゃんを抱っこしたり体をさすることでも分泌されます。それもお母さんと赤ちゃんの両方に! だから、帝王切開でもミルク育児でも、生まれてからたくさんスキンシップをすればいいんです。

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流産からも赤ちゃんのメッセージを感じて

こんなときは赤ちゃんからのサインかも!?
二分脊椎症の推移

●イメージ解説ママのストレスが強いと、早産になりやすかったり、出産時には途中で陣痛が止まってしまうことも。「もしかして、赤ちゃんは何か伝えようとしているのかな?」と意識してみましょう。

無事に生まれてくる赤ちゃんがいる一方で、残念ながら、そうでない赤ちゃんもいます。医療がどんなに発達しても、流産や死産をゼロにすることはできません。
宿った命を失うのはとても悲しいことですが、赤ちゃんの立場から考えると、流産にも理由があるようです。ぜひ、赤ちゃんのメッセージを意識してみてください。
流産をきっかけにご主人の優しい気づかいがわかって、「赤ちゃんはこのことを知らせに来てくれたんだ」と感じた人。命の神秘に気づいて「上の子どもに感謝の気持ちが湧いた」という人。「子どもを育てる準備が足りないよ、そろそろ覚悟を決めて」との赤ちゃんからのメッセージとして受け取った人……。
また、流産した後に生まれた子どもが5歳になって、「前に来たのは僕だよ。本当にこのパパとママでいいか、確かめに来たんだ」と話した例も。
私は、流産も出産のひとつの形であると考えています。ですから、赤ちゃんがもうだめとわかっても、すぐには医療処置をせず、自然の経過をよく見るようにしています。
流産のプロセスはお産と同じ。流産にも安産と難産があるようです。お母さんが自分の流産を受け入れていないと、赤ちゃんがなかなか出てこなかったり、痛かったり。いわゆる難産になりやすい。
でも、お母さんが流産する赤ちゃんを受け入れると、すーっと出てきたりする……。安産だった人にとっては、流産した赤ちゃんも「あたたかいイメージ」で、「宿ってくれて、ありがとう」と感謝するのも共通しています。

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おなかの赤ちゃんと一緒のときを楽しむ

胎内記憶や誕生記憶は、どこまでが正確なのか、なかなか確かめようがありません。言葉が話せるようになった子どもにたずねて記憶がないことにガッカリするお母さんもいることでしょう。しかし、そのことに一喜一憂しないでください。
「おなかの赤ちゃんも意志や感情を持っている」という可能性を意識するだけで、心の持ち方が変わると思うのです。それは、生き方や自分の親子関係、夫婦関係をかえりみるチャンスでもあります。
いいお産をするためには、赤ちゃんを意識して、赤ちゃんの心を感じとって、赤ちゃんの力を信じることが大事です。
「今もおなかの中で一緒に楽しんでいるんだ」と思って、お母さんはできるだけ楽しく毎日を過ごしてほしいですね。幸せを感じるホルモンは確実に赤ちゃんに伝わるのですから。

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取材協力/池川クリニック(神奈川県横浜市)
監修/池川明先生(池川クリニック院長)

 

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