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臨月・妊娠後期に吐き気がひどい!原因や対処法は?

2019.03.19

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赤ちゃんができた喜びもつかの間、気分が悪くて何も食べられなくなったり、吐き気や頭痛、だるさで寝込んでしまったり…。「つわり」は、妊娠期に起こる最もメジャーな症状です。妊娠初期に始まり、安定期といわれる中期ごろまでには落ち着くと言われますが、中には出産まで続いた…という人も。妊娠後期、臨月の吐き気や体調不良、いわゆる「後期つわり」について、産婦人科医、大鷹美子先生にお聞きしました。

監修者プロフィール

大鷹美子(おおたかよしこ)先生
東京都保健医療公社豊島病院産婦人科部長

東京生まれ。東京大学医学部保健学科卒業。東京大学医学部医学科卒業。日赤医療センター、NTT東日本関東病院などを経て、現在、東京都保健医療公社豊島病院産婦人科部長。専門は周産期学。出生前診断のカウンセリングにも取り組む。『どうしたの?産後ママのからだ相談室』(赤ちゃんとママ社)、『高齢出産』(主婦の友社)など著書多数。一児の母。
豊島病院ホームページ

臨月とは?妊娠後期の36~39週に吐き気がくる?

臨月とは読んで字のごとく、出産に「臨む」「月」。36週0日から39週6日、つまり妊娠10ヶ月のこと。この時期に吐き気を感じる人がいる。…そう、「なぜか」いる、のです。つわりは妊娠初期~中期ごろにみられ、徐々に落ち着いていくといわれているのに、「後期までずっと続いた」「しばらく落ち着いていたのに臨月になってぶり返した」「妊娠期間中ずっと気分が悪かったけれど、臨月になってさらに勢いを増した!」など、さまざまな声が聞こえてきます。

つわりは妊娠していることを最も実感できるものですが、さすがに臨月・妊娠後期まで続くと、もう、おなかいっぱいですよね…。なぜ、臨月・妊娠後期に、吐き気などの「つわり」症状がみられるのでしょうか?

臨月・妊娠後期の吐き気・嘔吐の原因は?
つわりとは違いがある?

大鷹先生

まずはじめに、つわりの原因は、いまだ解明されていないのです。こんなにも科学が進歩した今でさえ、わからないことだらけなのが、つわりなんですね。

よく、妊娠を継続させるホルモンhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が急激に分泌されると、体がついていかず不調になるのがつわりの原因ともいわれていますが……。

大鷹先生

この説にもちょっと無理があるんですよね。hCGは妊娠中ずっと出続けているものですし、つわりの重症度は必ずしもhCGの分泌量と一致しません。hCGだけがつわりの原因ではないと思います。

そもそも、臨月・妊娠後期の吐き気や嘔吐は、「つわり」といって、いいのでしょうか?

大鷹先生

いいんじゃないでしょうか。というか、つわりは妊娠初期で終わるもの、という思い込みが、皆さんを混乱させていると思うのです。本来、妊娠している間は、ずーっと気分が悪いものなんじゃないかしら? 気分が悪い、とまでいかなくとも、何らかの違和感はあるもの。ホルモンの分泌などが体内で大きく変化した状態なので、それを敏感に感じ取る体質の方は、ずっとつわりが続いて、そうでない方は軽快していくのだと、私は思っています。

えーっ! 妊娠中は、ずっとつわりが続いている!? そんな……。

大鷹先生

妊娠初期は胎児の器官が形成されていく大切なとき。この時期に、つわりで食べられない・動けないというのは、実は理にかなっているといえます。つまり、つわりがあることで胎児にとって不要な栄養、毒となるものは摂らないですみます。また、体がだるく重たいから、胎児に悪影響を与える行動を控えることができます。体が自然に、そのようになるのでしょうね。

人類は進化の過程で、不要な機能をどんどん捨ててきました。しかし、いまだにつわりはなくなっていません。それはきっと、「つわりがないといけない理由」があるからに違いない、と大鷹先生。

大鷹先生

妊娠初期に体重が減ってしまう人はいるけれど、妊娠後期になってもまだ体重が減ったまま、という人はほとんどいません。長期に及ぶつわりでほとんど食べられない、といっても、胎児や母体の生命が脅かされるほどの吐き気は稀。そこまでひどい症状となると、それはつわりではなく、重症悪阻という異常な状態、病気と判断します。またごく稀には胃癌などの重大な病気が隠れていることもあります。

臨月・妊娠後期のつわりと、お腹が圧迫されることによる胃の不快感は別物

大鷹先生

妊娠後期に気分が悪い、という人の中には、子宮が大きくなって胃が圧迫されて苦しいというタイプの人がいます。でも、これはつわりとは別物。食べると、胃の下が子宮に押されているので、胃の内容物が出てしまって気持ちが悪い。これは骨盤の広さに関係があります。骨盤が広い人は、赤ちゃんが下に下がって納まるので、それほど子宮が上がってこないのですが、骨盤が狭いとどうしても体内の容積が狭くなって、胃に負担がかかってしまうのです。

「臨月・妊娠後期につわりがぶり返した」という人は、もしかしたらこれが原因かもしれません。一度は落ち着いた吐き気が再びやってくる恐怖はありますが、それはつわりでなく、お腹の容積という物理的な問題だとわかると、少し安心ですね。

臨月・妊娠後期の吐き気は「出産間近」のサイン?

臨月・妊娠後期に吐き気を感じると、「出産間近」のサインでは? という人もいます。これについては、どうでしょう?

大鷹先生

うーん、吐き気がきたからといって、それが例えば、“おしるし”のような出産の兆候とは言えません。ただ、陣痛がきていて、もう出産が目の前!というときに、陣痛室や分娩台で吐く方は結構いらっしゃいます。私たちは、それを見ると、「あ、この方、もうすぐ産まれる…」と判断するんです。

お! ちょっとシチュエーションは違うけれど、吐き気はお医者さんも認めるサインなのですね!

大鷹先生

人間の体内には、ホルモンや神経伝達物質などと並んで、さまざまな体の働きを調節する「生理活性物質」というものが存在します。その中に「プロスタグランジン」という物質があり、これが消化管を刺激して吐くことがあります。子宮の収縮が強くなってくると、プロスタグランジンも増加。血液中の物質に敏感な方は、その影響を受けて気分が悪くなる可能性があるんです。

なるほど! 「分娩台での吐き気」は、プロスタグランジンのせいかもしれないのですね。

臨月・妊娠後期の吐き気による他の症状は?
下痢や腹痛は?

臨月・妊娠後期のつわりの症状として、吐き気のほかにも、「ずっと特定のニオイがダメだった」とか、「口の中が苦くて何を食べてもおいしくなかった」という人がいます。

大鷹先生

これも、初期からのつわりが続いている、妊娠中はスッキリしないもの、という前提で考えると、しかたのない症状といえるでしょう。

下痢とか腹痛はどうですか?

大鷹先生

先ほど、子宮収縮が強くなったときに出るプロスタグランジンが、消化管を刺激して吐くことがあるといいましたが、同じような状況で、プロスタグランジンが下痢や腹痛を起こす可能性が、ないとはいえないでしょう。しかし、妊娠後期や臨月は、下痢よりも圧倒的に便秘に悩まされることが増えます。

この便秘は、つわりとは無関係。胎盤から大量に作られるプロゲステロンというホルモンは腸の動きを抑える作用があります。それに加えて運動が不足することと、大きくなった子宮が腸を圧迫して腸の動きを悪くしてしまうという「容積」の問題と、両方の要因が考えられると言います。

大鷹先生

下痢や腹痛は、つわりとは違う原因が考えられます。感染症や食中毒などで脱水の危険性も考えらえるため、早めに医師に相談しましょう。

臨月・妊娠後期の吐き気の対策法は?

妊娠初期、人によって20週ごろまでは、つわりがひどく嘔吐で脱水症状になる人もいます。そんなときは点滴をして脱水を防ぎますが、臨月・妊娠後期にまで点滴をすることはほとんどないそうです。

大鷹先生

吐き気が強い方は、妊娠中でも飲める吐き気止め薬「プリンペラン」を処方することもあります。日本では妊娠中の服薬に強い抵抗感がありますが、海外ではけっこうメジャーなお薬で、妊婦さんも比較的気軽に飲んでいます。日常生活に支障が出るのでしたら、こうしたお薬を使ってみてはどうでしょうか。

「コレ」という原因物質が特定されていないつわり。人によって症状もまちまちなため、不快感があったときに、その症状をやわらげる対処をする、対症療法以外に方法はないようです。

大鷹先生

私は詳しくありませんが、鍼灸やハーブなどを活用するのも、医師に相談のうえでなら、ありだと思います。しかし、つわりの原因が特定されていない以上、それらもすべて対症療法。つわりの原因を取り去ることは難しいと思ったうえで、取り入れたほうがいいですね。

臨月・妊娠後期の吐き気の解消法は?

それでも、臨月・妊娠後期の気持ち悪いつわりを、なんとかスッキリ解消したい! 吐き気、嘔吐、ニオイ、よだれ、口の中の苦み、眠気、頭痛……。

大鷹先生

それには、産むしかないのよー(苦笑)。すべてつわりは、お腹に赤ちゃんがいることで起こるのですから、出産が一番の解消方法なんです。 

妊娠中ずっと苦しんでいた人も、「産んだ瞬間にスッキリした!」と、みんな口を揃えて言う、と大鷹先生。

大鷹先生

10ヶ月は長いですが、産めば必ずつわりはなくなる。ゴールは見えている。そんな気持ちで妊娠中を過ごしてください。

気分が悪くなることはできるだけしないで、休む。不快感を取り除くお薬があるなら、医師と相談して使う。こうして、なんとか出産まで乗り切ってほしい、と大鷹先生。

大鷹先生

あとは、「つわりは妊娠初期だけのもの」という思い込みを捨てることも大事。妊娠初期を過ぎたのにスッキリしない、とか、安定期に入ったのにまだ気分が悪い…と思うよりも、「妊娠中だからこんなものだわ!」と、前向きに捉えることで、案外、乗り越えられるんじゃないかしら。

臨月・妊娠後期の吐き気に関する体験談

臨月・妊娠後期の吐き気に悩まされた、というママたちの声を集めました。

吐き気止め薬・プリンペランを処方され、「とんぷく」として飲んでいたあゆこさんの場合
妊娠初期から強い吐き気があり、出産するまでずっと続いていました。ピークの時期というものがなかった、というか、出産直前までずっとピークだったかもしれません(笑)。初期~中期のころは頻繁に点滴に通い、気持ち悪くなったときに飲むように、と、吐き気止めのプリンペランもずっと処方されていました。

後期になっても週1回くらいは『もうだめだ』という日があって、そんなときはプリンペランを飲みました。通勤途中で気分が悪くなって、途中下車したまま会社に行けなくなった日も何日あったことか…。

分娩も壮絶で、子宮口がまったく開かず、丸1日陣痛で苦しんだあげく、促進剤→帝王切開のフルコースでした(笑)。第1子(女)、第2子(男)、いずれも、ずーっとつわっていましたが、どちらも産んだ瞬間に、それまでの苦しみが嘘みたいにスッキリしました。比較すると、第2子のときのほうがつわりはひどかったかな? でも幸い、第1子の世話を夫にほぼ任せられたことで、夫婦の絆が深まったのはよかったです(笑)。

レモンの砂糖漬けを、ひたすら食べて生き延びたまゆみさんの場合
第1子(女)、第2子(男)とも、吐くほどでもないけどずっと気持ちが悪い、というつわりでした。妊娠がわかってから出産まで、ずーっと二日酔いという感じ。初期のほうがひどかったですが、無くなることがないまま最後まで突っ走りました(苦笑)。最後の2ヶ月くらいは、なぜか無性にレモンが食べたくて、毎日1個は消費していました。レモンジュースやレモンゼリーではなく、生レモンの砂糖漬けでないとダメになってしまい、無農薬レモンを大量に買って、砂糖漬けにしてひたすら食べていました。

ところが、出産して帰宅したときに、大量に積まれたレモンの山を見て、「あれ…?なんだっけ…これ?」という感じに(笑)。生んだ瞬間に気持ち悪さが消えたので、後に残されたレモンの処理に困りました。胃薬なども特に出ず、スッキリしないだけで仕事は普通にしていました。でも、当時を思い出すだけで、「オエッ」とムカムカ感がよみがえります(笑)。

流動食とガリガリ君がお友達だったひろみさんの場合
第1子(男)、第2子(男)ともに、全妊娠期間中ずーっと吐きつづけていました。特に朝と夕方がつらく、通勤電車で揺られるたびに地獄のような感じで…。何度も途中下車しながら移動していました。当時の食事は、流動食、バナナ、ガリガリ君のローテーション。漢方も鍼も試してはみたのですが、直後は少し軽い気がしても、1時間も持たなかったですね。

第2子のときは上の子の世話でどうしても動かなければならず、出血も多かったものですから、張り止めと鉄剤が出されていました。ケトン体の値を見て、点滴も何度か打ちに行きましたね。今思うと入院させてほしかった!!(笑)。出産自体はベッドに載って20分ほど。一瞬でした。出した瞬間、お腹が空いた!!と食欲がわきあがってきて、おにぎりを買ってきてもらったのを今でも覚えています。

臨月まで吐き気に悩まされた、というママたち。つわりがあまりにもつらかったので、第2子を考えるまでに少し時間が必要だった…と語ります。しかし、共通しているのは、「生んだ瞬間にスッキリした!」ということ。「あれは何だったの…?」「キツネにつままれたようだった」と思うほど、鮮やかに、あっけなく、つらい体調は元に戻るのだそうです。

終わりに:
つわりは赤ちゃんが育っている証拠。
出産すればスッキリ!

赤ちゃんがひとりひとり違うように、つわりもまた、ひとりひとり違います。吐き気、匂い、眠気、頭痛、よだれ、口の中の苦味……などなど、症状もさまざま。その多様性の先に、つわりの「長さ」も人それぞれの個性があるのでしょう。

つわりは、赤ちゃんがお腹の中で確かに生きている証。長引いているときはつらいものですが、産んだ瞬間の喜びは倍です。赤ちゃんに出会える喜びと、体調がスッキリ回復する喜び。ダブルで味わえることを希望に、妊娠期間を乗り越えましょう!

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