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切迫早産とは?原因や症状は?

2018.04.16

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妊娠中は、思いもよらないトラブルに遭遇することがあります。中でもリスクの高いものが「切迫早産」です。早産との違い、原因や症状、治療法といった基本的な知識について、国立成育医療研究センターで早産外来を担当する、産科医長の梅原永能先生に話を聞きました。万が一のとき、あわてずに対処できるようにしておきましょう。

監修者プロフィール

梅原永能先生
国立成育医療研究センター
周産期・母性診療センター産科 医長

東京慈恵会医科大学を卒業後、2010年より国立成育医療研究センターの周産期・母性診療センターで「母児ともに健康であるための医療」を提供。胎児発育不全(FGR)などを対象とした周産期医療の専門家。現在、同センター医長としてあらゆるハイリスク妊娠を取り扱うかたわら、早産外来も担当。
国立成育医療研究センター

切迫早産とは?

妊娠の経過が順調であれば、妊娠37~42週未満で赤ちゃんが誕生します。この時期の出産を「正期産」といいます。正期産に対して、妊娠22~37週未満で赤ちゃんが生まれるのが「早産」。早産となるリスクが高い状態を「切迫早産」といいます。具体的には、子宮の出口が開きかけており、「赤ちゃんが生まれてしまうかもしれない」という段階で、かろうじてママのおなかにとどまっている状態です。

切迫早産の原因は?

・絨毛膜羊膜炎

切迫早産の原因として最も多いのが、感染です。腟内の常在菌のバランスが崩れ、腟から子宮内へ侵入した細菌によって子宮頸管まで炎症が広がり、頸管熟化や子宮収縮、破水を誘発します。特に妊娠30週未満に起こる早産の原因として多く見られます。

・子宮頸管無力症

子宮収縮がないのに子宮口が開いてしまう病気で、体質や子宮頚部の手術既往などが関係しています。自覚症状がないため、多くは妊娠20~24週ごろの妊婦検診で見つかります。初回の妊娠で診断を受けた経験のある経産婦さんは、妊娠12週ごろを目安に子宮頸管を縛る手術(子宮頸管縫縮術)を行うことが多いです。

・双子の妊娠

胎児が2人いるので子宮が通常よりも大きくなり、子宮収縮が起こりやすくなります。長期の管理入院が必要になることや施設によってはある週数以降に入院管理をすすめることもあります。

・子宮奇形

子宮が二手にわかれる双角子宮など、正常とは異なる形をしていたり子宮の一部が欠損していたりする子宮のこと。子宮の中が狭いために、切迫早産の原因になります。

・喫煙、ストレス、やせているといった環境因子

妊婦さんの生活習慣や体の状態も大きく影響します。原因は不明ですが、やせていることは早産につながることが知られているので、やせすぎ妊婦さんは注意が必要です。

切迫早産の症状や兆候は?

代表的なのが次の3つです。

・おなかの張りや痛み

妊娠後期になるにつれて、多くのママたちがおなかの張りを感じますが、しばらく安静にしていれば治るのが通常です。横になって休んでも張りが治まらない、張りや痛みが強くなって規則的に感じる、出血を伴ったときなどは、すぐに病院へ連絡しましょう。

・出血

妊娠初期なら多くは問題ありませんが、中期以降は切迫早産のサインかも。病院へ連絡して、出血したときの様子や量などを伝えてください。「ひと晩様子を見て」とか「すぐに受診を」といった指示に従いましょう。

・破水

すみやかに受診します。子宮から細菌が感染する場合があるので、破水すれば入院が必要に。「尿もれと区別ができない」と迷ったときも受診し診察を受ければ安心です。病院では、破水か尿もれかの診断は簡単につきます。

切迫早産の診断法は?

  • 問診
  • 内診
  • 経腟超音波検査

を行います。

子宮収縮、おなかの痛み、出血、子宮口が開いていないかといったことを確認します。また、子宮頸部の長さを測ることも重要。妊娠週数によって変化しますが、正常な長さは約35~40ミリと言われており、25ミリ以下だと大きくなる子宮を支えきれない可能性があり、切迫早産と診断されることもあります。

切迫早産の治療法は?
入院が必要な場合って?

切迫早産の治療の基本は、安静です。自宅で穏やかに過ごしながら、ウテメリンなどの子宮収縮抑制剤を内服して様子を見ます。

一定期間後に受診して再検査し、「子宮頸管が1週間前と比べて短くなった」「子宮収縮の頻度が増した」「おなかの痛みがあまりに強い」といった場合は、入院が必要に。安静を保ちながら点滴治療で子宮収縮抑制剤などを十分に投与します。

退院する時期は、ママの意思や家庭環境を考えて

退院する時期について、梅原先生はこう話してくれました。「症状が安定したら、退院する時期を妊婦さんと相談して決めます。上の子がいるためすぐに退院する人、正期産である37週まで入院管理して安心して出産にのぞみたいという人など、出産に対する考え方や家族環境などは人それぞれ。本人が納得して退院することが重要です。」

切迫早産で入院したら、保険はきく?
費用はどのくらい?

入院費用は、大きく次の3つにわけられます。

  • 治療費
  • 入院中の食事代
  • 差額ベッド代(個室代)

治療費は母体や胎児の状態などで人それぞれ違います。治療費と食事代を足すと、国立成育医療研究センターの場合は、入院1日2万円くらいが目安です。

個室を希望した場合は、これに差額ベッド代が含まれます。個室を希望しなくても、「大部屋に空きがない」ということも。差額ベッド代は1日5000~15000円くらいが相場です。

「この金額で何ヶ月も入院したら、費用が大変!」と思うかもしれませんが、心配し過ぎることはありません。出産自体は病気ではないため、健康保険は使えず全額負担ですが、切迫早産は健康保険の対象となり3割負担ですみます。

長期入院で活用したい「高額療養費制度」

切迫早産では、長期間の入院をすることも珍しくありません。そんなときに活用したいのが、健康保険の「高額療養費制度」です。医療費の支払いが限度額を超えた場合、超えた分が払い戻しされます。自己負担額は収入や年齢によって違います。

ただし、高額療養費制度は保険が適用される医療費だけに有効で、入院時の食事代や差額ベッド代は対象ではありません。

切迫早産は自宅で安静を!
便秘になったときいきんでもいい?

入院ほどではない症状でも、切迫早産と診断されたら自宅で安静が必要です。「『安静にしてください』と言ったとき、『やってよいことと控えた方がよいことがわかりません』」と言われることは多いです。疲れない範囲で家事を行い、それ以外は横になって休憩を。外出はなるべく控えてください」と梅原先生はアドバイスします。

・料理、洗濯、掃除

家事はがんばり過ぎないことが大切です。料理はレトルトを、洗濯機は洗濯から乾燥までフルモードを活用。掃除は気になる部屋だけを、といった程度に。また、何をパパに協力してもらえるか、夫婦で話し合いましょう。

・上の子のお世話

上の子どもがいる場合、抱っこをせがまれたり、遊びに付き合わされたりと、ママは休むことができません。近所の親や親戚、ママ友などにお願できるなら、頼ってみることがひとつの方法です。「頼みづらい」「近所にいない」という場合は、自治体のサポートサービスを利用するのもおすすめです。保育園の一時保育を利用する、民間のベビーシッターを頼んでみることも考えて。

・仕事

心身ともに疲れるため、休むことが原則です。診断書を医師に書いてもらい、職場に提出して休暇をもらってください。

便秘でいきんでも大丈夫。便秘薬の処方も

自宅で安静にしているとき、「排便でいきむと、おなかの赤ちゃんが出てきてしまいそう」「トラブルが起こるのでは?」という不安の声は多くあります。「排便でいきむ程度なら、妊娠トラブルに結びつくことはほとんどありません。妊娠してから便秘に悩む妊婦さんは多く、『いきむことが心配』と思っていると、いきめずに便秘を助長してしまうことも。妊娠中でも服用できる便秘薬があるので、早めに医師に相談してください」(梅原先生)。

切迫早産を予防するには?

切迫早産になる原因は、上記に挙げたようにさまざまあり、「これをすれば予防できる」といった方法はありません。体を冷やさない、ストレスをためない、規則正しい食生活など、生活習慣を見直して無理をしない毎日を送るようにしましょう。

前回の妊娠で早産だった人は、早産のリスクがアップ

ただし、次に挙げるのは早産のリスクが高い人なので、切迫早産への注意が必要です。

  • 前回の妊娠で早産だった
  • 子宮頸管が短い
  • 子宮円錐切除術(子宮がんや異形成の手術)を行ったことがある
  • 子宮頸管無力症と診断された
  • 細菌性腟症(腟内細菌のバランスが崩れたときに起こる感染症)と診断された

「特に前回の妊娠で早産だった人は、今回の妊娠で早産となる割合が約20%に。また、約70%が、前回の早産の分娩週数より2週間早く生まれるという報告もあります。通常の出産と管理が違ってくるので、早産の経験がある人は、初診で必ず医師に伝えてください」(梅原先生)。

切迫早産で退院したあとは、
どう過ごせばいい?

退院後は、気持ちがホッとして開放的になるかもしれませんが、入院生活で体力が落ちているので、無理をせずに少しずつ元の生活に戻していきます。

・家事

自宅安静のときと同じ要領で、がんばり過ぎるのはいけません。スーパーではカートを活用する、ネットスーパーを利用する、家事代行を頼むといったこともおすすめ。

・仕事

復帰する時期は必ず医師と相談しましょう。たいていは、「退院後も仕事を休んで」と言われます。医師に「軽い作業から仕事復帰してもよい」と言われたら、在宅や時短でできる仕事がないか、職場の上司と相談を。

自宅で安静にしていても、「サボっているようで罪悪感がある」と思うママや、「いつも寝てばかりで満足に家事をしてくれない」と思ってしまうパパもいます。切迫早産は、体を休ませることが大前提です。その後の検診に夫婦で行き、医師に退院後の生活についてアドバイスを受けるとよいでしょう。

切迫早産は、ママのせいではない

「ときどき、『上の子を乗せて自転車で走っていたから』『無理して仕事をがんばり過ぎていたから』などと、切迫早産になった自分を責める妊婦さんがいます。でも、切迫早産になる原因は、環境や体質、妊娠中のトラブルなどさまざまあり、複合的なことも少なくありません。決して本人のせいではありませんよ」と梅原先生は話します。

体に無理な生活をしないことを心がけて、困ったときにはパパや周囲の協力を求めるようにしましょう。不安なことがあればこまめに医師に相談して、前向きに! 安定した妊娠生活を送ることを目指してくださいね。

監修/国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター産科 医長 梅原永能先生

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