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妊娠初期の吐き気・つわり

2017.04.23

妊娠すると、程度の違いはありますが、半数以上の人が「つわり」と呼ばれるさまざまな症状に悩まされます。「吐き気」はその代表的な症状ですね。水を飲んだだけでも戻してしまったり、空腹になると吐き気を感じる食べづわりという症状がでる場合もあります。精神的にも不安定になりやすいので、「どうしてこんなにつらいんだろう」と泣きたくなることも。少しでもつらさがやわらぐように、吐き気の原因や、吐き気があるときはどうすればよいのかなどについて、見ていきましょう。

監修/取材協力

医学博士 井上裕子先生

井上レディースクリニック 院長/リボーンレディスクリニック 理事長/日本産婦人科専門医/NPO法人マザーシップ 代表

女性の一生涯をサポートする婦人科診療、乳がん・子宮がん検診などにも力を注ぎ、『産婦人科の診療室から』(小学館)、『赤ちゃんとお母さんのための妊娠中のごはん』(池田書店)、『やさしくわかる 月数別 はじめての妊娠・出産』(西東社)など、著書、監修本も多数。

妊娠初期の吐き気は
いつ頃から?

妊娠に気がつく4週目ごろから吐き気を感じる人が多いようです。ただし、それより前の妊娠3週目頃から胃がムカムカするなどの症状がでる人もいますし、出産するまで全く吐き気が起こらない人、まれですが妊娠後期まで続く人もいるなど、個人差は大きいものです。症状もずっと同じではなく、何も食べられないようなひどい状態が、少しずつ食べられるようになるなど変化していきます。一般的には、吐き気のピークは妊娠7~9週目頃、15週目くらいになると、つわりがおさまってくる人が多いようです。

どうして
吐き気が起こるの?

つわりが起こる原因は、はっきりとはわかっていません。有力な説として、妊娠によって分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが嘔吐中枢などを刺激するからというものがあります。他にも、母体が赤ちゃんを異物として判断したときにアレルギー反応として症状がでるという説や、精神的なものも強く影響しているという説もあり、大きなストレスがあると症状が重くなりやすいといわれています。

吐き気があるときは
どうすればいい?

水分をとるようにしましょう

吐き気がひどいときは、水を飲んだだけでも吐いてしまうこともあります。一気に飲むともどしやすいので、少しずつ口に含ませたり、市販の経口補水液やゼリーなどを活用したりするとよいでしょう。それでも十分な水分がとれない状態の時は、脱水症状を起こす危険性があります。トイレに行く回数が極端に減っている、急激に体重がおちる、数日間何も食べられない、起きているとフラフラするなどの症状がみられた場合は、「妊娠悪阻(にんしんおそ)」という病気と診断される可能性が高く、点滴や注射で水分や栄養の補給などが必要になります。こうした症状がある場合、次の妊婦健診を待たずに受診しましょう。

食べられるものを食べれば大丈夫

バランスの良い食事をとれないと「お腹の中の赤ちゃんに悪影響があるのでは」と心配する方もいらっしゃると思います。けれど、妊娠初期の赤ちゃんはまだとても小さいので栄養のことは考えなくても大丈夫です。無理はしないで、食べられるものを少しずつ食べるとよいでしょう。ほとんど食事を口にできない、体重が減り続けてしまうようなときは、栄養失調や脱水症状を引き起こす可能性があるので、早めの受診をおすすめします。

食べづわりで体重の増加を気にする方もいらっしゃいますが、体重管理はつわりが治まってからはじめればよいと割り切って。どうしても気になる方は、食べられるものの中から、できるだけ体によいものを選びましょう。

できるだけのんびり過ごす

吐き気などのつわりの症状は、一時的なもの。この時期は無理をせず、旦那さんに協力してもらったり、市販のお惣菜やレトルト食品を活用するなどして家事の負担を減らし、自分の体調を優先してできるだけゆっくり過ごしてください。体を休めたり、ストレスを減らすことは、症状の緩和につながることもありますよ。特に旦那さんのサポートは、妊婦さんの作業的な負担を減らすだけでなく、気持ちを安定させてくれ、吐き気の軽減につながることも多いものです。家事を分担してもらうのは仕事が忙しくて難しい場合もありますが、気遣ってくれる言葉をかけてくれるだけでも全然違いますよね。旦那さんが協力的かどうかは、出産後の育児へもつながる重要なものなのです。この機会に2人で、妊娠中や産後の協力体制について話し合ってみるのもよいでしょう。

仕事をしている方は早めに上司に報告して、体調に配慮してもらえるようにお願いしてみましょう。男女機会均等法では、妊娠したことによって医師などから指導を受けるほど体調が悪い場合は、時差通勤や勤務時間の短縮、休憩時間を増やすことなどが認められています。産院で「母性健康管理指導事項連絡カード」というカードに記入してもらい、会社に提出するとスムーズに対応してもらえるはずです。

食べられそうなものを用意しよう

吐き気があるときでも、「これなら食べられる」というものがある方も多くいらっしゃいます。ゼリー飲料や炭酸飲料、レモン味のもの、豆腐やカキ氷、フルーツなど、さっぱりしたものや喉ごしのよいものが人気のようです。反対に、フライドポテトなどのジャンクフードや揚げ物が食べたくなったという方もいます。いろいろ試して見ましょう。食べづわりの人は、手軽に少しずつ食べられるようなあめやグミ、おせんべいなどを常備しておくとよいですね。特に、朝起きてすぐの空腹時に気分が悪くなる人が多いようです。布団の中で食べると落ち着くこともありますので、枕元に食べ物を用意しておくとよいでしょう。

また、つわりは匂いに敏感になり、普段なら食欲をそそるようなあたたかい食べ物の香りで吐き気をもよおすこともよくあります。そんなときは、冷やして食べると匂いがおさえられて意外と大丈夫という場合もあるようです。

妊娠初期は特にデリケートな時期。責任感の強い人は、ついがまんして仕事や家事をがんばってしまいがちですが、自分をいたわることは、赤ちゃんのためでもあります。無理をしないでくださいね。吐き気は赤ちゃんからの「ゆっくり過ごしてね」のメッセージだと思って、自分の体調を優先して過ごしましょう。脱水症状や栄養失調が心配になるくらいの重い症状の時は、受診して産院の力もどんどん頼ってください。吐き気は多くの場合、安定期に入る頃に少しずつおさまっていきます。お腹にそっと手を添えて、赤ちゃんのことを考えると、少し吐き気が落ち着くこともあるかもしれません。お腹の中の赤ちゃんと一緒に乗り切りましょう。

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