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妊娠中のトラブル・症状

専門家/メーカー

妊娠中のおなかの張り・痛み・出血

2008.10.01

妊娠すると多くの人が経験する、おなかの張り・痛み・出血……。あまり心配しなくていいこともありますが、重大なトラブルのサインである可能性も。とはいえ、ちょっとした症状でママがいつも心配になっていては、長い妊娠期間を乗り切れません。本当に注意するべき症状とはどういったものなのでしょうか?
今回は、東京女子医科大学産婦人科教授・松田義雄先生に、おなかの張り・痛み・出血の原因や、病院に行くべき症状の判断基準について伺ってきました。

松田義雄先生

東京女子医科大学産婦人科教授、母子総合医療センター母体・胎児科長。専門は周産期医学。鹿児島大学医学部卒業。鹿児島市立病院産婦人科、東北大学医学部麻酔科を経て、平成元年から2年間、カナダ西オンタリオ大学医学部生理学産婦人科に招聘研究員、客員講師として留学。『新女性医学大系』『新米ママの妊娠・出産の?に答える本』など、著書多数。

張りや痛みは
なぜ起こる?

妊娠すると、「おなかが痛い」「つるように痛む」「ぱんぱんに張る」というのは、みなさんよく経験することだと思います。

妊娠すると子宮はどんどん大きくなり、40週の間に、重さがなんと約20倍にもなります。子宮は筋肉でできているので、急激に膨らむと元に戻ろうとする力が働いて、それが張りや痛みとなって感じられるのです。

最初のうちは下腹部が痛み、子宮が大きくなるにつれて、だんだん上の方が痛むようになってきます。しかし、人によって子宮の位置が少しずつ違うので、痛くなる場所も微妙に違います。

子宮の下のほうを支えている子宮円索(しきゅうえんさく)という組織も引っ張られます。足の付け根あたりが痛むことが多いのですが、姿勢を変えたりしたときに背中の方まで痛みが走ることがあります。

ホルモンの作用で便秘になりやすく、それで張りや痛みが起こっていることもあります。妊娠中にもたくさん分泌されているプロゲステロン(女性ホルモン)には、胃腸の働きを不安定にしたり、水分を保持しようとする働きがあり、腸から水分を吸収するので、便秘になりやすいのです。

また、子宮筋腫を持っている人は、女性ホルモンの影響でさらに大きくなり、子宮に圧迫されて痛むことがあります。筋腫は大きさや場所によっては、流産や早産、分娩障害などのリスクが高くなるので、超音波検査で筋腫があると診断された人は、経過を注意深く診ていく必要があります。

絨毛(じゅうもう)から分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンは、卵巣の中の黄体を刺激して女性ホルモンの分泌を促進しますが、ときに刺激し過ぎて、黄体に水分を溜めてしまいます。普段は2~3cmの卵巣に水が溜まって倍近くに膨れ、刺すように痛むことがあります(ルティン嚢胞/のうほう)。これも、妊娠8~16週目ぐらいになると、hCGの分泌が減ってきて、腫れも治まってくることが多いのです。

こうした妊娠中のダイナミックな変化が原因で起こる、おなかの張りや痛みは、自然なもの。おなかが張ったり、痛くなったら、「休む、横になる」。1時間ほどで治まれば、あまり心配することはないでしょう。

おなか全体が
堅くなる張り、
出血にご用心!

心配なのは、しばらく横になったり、座って安静にしても張りや痛みが治まらないとき、出血があるときなどです。出血があるかないかは、とても重要です。

子宮外妊娠(しきゅうがいにんしん)、切迫流産や切迫早産、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)など、赤ちゃんやママの身に危険が迫っているサインであることも。少量でも出血があったら、医師に連絡して指示に従いましょう。多量の出血があったら救急車を呼んでください。
ただし、あまり心配のいらない出血もあります。

妊娠初期、4~11週目ごろまでの出血の8割以上は、いわゆる「着床出血」。受精卵は着床すると、絨毛という組織を子宮内膜にのばし、胎盤をつくり始めます。そのとき子宮内膜の血管を壊してしまうことがあるのです。たいていは吸収されて自然になくなってしまうのですが、出血が多いと、外に漏れ出したり、血が溜まった状態になります(絨毛膜下血腫/じゅうもうまくかけっしゅ)。

出血が茶褐色で、量も少なく、赤ちゃんの心拍がしっかり確認できているのであれば、たいていはだいじょうぶ。ただし、見た目より出血が多い場合もあるので、少量でも出血があったら必ずかかりつけの病院や産院に連絡しましょう。

妊娠10週以降に初めて出血した場合は、子宮頸管ポリープ、炎症性のびらん、細菌性の膣症、子宮頸管無力症(しきゅうけいかんむりょくしょう)などが考えられます。症状によって治療や影響も異なります。ポリープやびらんは直接赤ちゃんに影響はありませんが、子宮への感染症の原因になることがあるので、切除する場合があります。

おなかの張り・痛み・出血の判断基準

軽い張り・痛み 30分~1時間くらい休む・安静にする

出血 少量でも病院に連絡 激痛・大量出血 救急車を呼ぶ

妊娠中期以降の出血は
すぐに受診!

妊娠中期に入ってからの出血は、たとえほんの微量の出血でも、すぐに診察を受けてください。切迫早産が圧倒的に多くなってくるからです。ポリープやびらんなど赤ちゃんに影響のないときもありますが、この時期の出血は甘く見てはいけません。
高齢出産が増えるにしたがって、切迫早産は増加する傾向にあります。とくに、初めて出血した、微量でも出血時におなかの強い張りを感じる、というときは、何はともあれ、かかりつけの施設に連絡。激痛が起きた、大量に出血した、というときは、救急車を呼んでください。

臨月の出血は、
病院に連絡

お産が近くなってからの微量出血の多くは、お産に備える準備が整いましたよ、と体が知らせてくれる、「おしるし」。赤ちゃんを包んでいる卵膜が子宮内膜からはがれ、その血液がおりものと混じったものです。茶褐色やピンクのおりものがあると、数日から一週間くらいの間に陣痛が始まることが多いのです。おなかの張り、痛みがない場合は、ほぼ「おしるし」で心配ないものですが、一応、かかりつけの病院に連絡してください。
この時期、注意が必要なのは、おなかの張りや痛みを伴う出血です。すぐに受診してください。子宮出口付近に胎盤がある「前置胎盤」と診断されている人、分娩前に胎盤がはがれてしまう「常位胎盤早期剥離」などの場合は、緊急を要します。

張り・痛み・出血の
予防法は?

妊娠中のおなかの張りや痛みは、自然で生理的なものでしかたないこともありますが、自分でも「今日はちょっと無理したかな」とか、「頑張りすぎた」「立ちっぱなしだった」というようなときに、起こることが多いのではないでしょうか。
妊娠したら、何をするにしても一気にしようとせずに、休み休みすることです。長時間同じ姿勢でいたり、立ちっぱなしでいるのは避けること。座ったり横になったりしながら、おなかや腰に圧迫がかからないように気をつけましょう。
トイレでいきむのも、腹圧がかかるのでよくありません。便秘にならないようにすること。規則正しい生活、食生活も見直して、1日三食、野菜などもしっかりバランスよく食べましょう。せきやくしゃみも腹圧で子宮に刺激を与えてしまうので、風邪もひかないように。うがい・手洗い励行、人ごみにあまり出ていかないようにするなど、心がけてください。
内診も子宮に刺激を与えるので、ときどき出血することがあります。健診のあとはできるだけ体を休めましょう。
ママ自身の健康が、赤ちゃんの健康に直結する、妊娠生活、育児生活。おなかの張りや痛み、出血は、まさに「無理しないでね!」という赤ちゃんからのサイン。この声をしっかり受け止めて、無理せず、自分の体をいとおしんで、元気な赤ちゃんを産んでください。

取材協力・監修/松田義雄先生(東京女子医科大学産婦人科教授 母子総合医療センター母体・胎児科長)

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