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過期産について

2015.03.04

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出産予定日を過ぎたのに、なかなか陣痛が来なかったり、生まれなかったり…。妊娠期間が42週を過ぎると「過期妊娠」といい、以後のお産を「過期産」と呼びます。でも、実際には42週を待たずに、さまざまな医療処置を施して産んでしまうことが多いのです。これは、どうしてなのでしょうか?
ここでは、先輩ママの過期産体験談とともに、ドクターに聞いた過期産のリスクや、予定日を過ぎてしまった場合に病院で行われる処置をご紹介します。

取材協力・監修

久保隆彦(くぼたかひこ)先生

国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター産科医長。医学博士。岡山大学医学部卒業後、聖隷浜松病院NICU、高知医科大学助教授、国立大蔵病院産科医長を経て、現職。専門は、周産期医学、胎児・新生児学、周産期ME。ハイリスク妊婦・胎児の管理、母子感染予防、メンタルヘルスにも取り組む。妊娠中のリスクを自己診断する「妊娠リスクスコア」も開発。熱血、人情あふれる医師。

過期産体験談
「わたしの場合」1

東京都のAさんは42週0日で、赤ちゃんを産みました。

予定日を過ぎたとき、医師からは「まだ胎児が下に降りてきていない。子宮口も全然開いていない」と言われ、心が揺れたといいます。

「居心地がいいのかな~? でももう出てきていいよ~と話しかけていました。でもその一方で、母子一体のときももう終わりなのかと思うと寂しくて、もっとゆっくりでいいよ、とも思ったり…」(Aさん)

週2回病院に行き、超音波検査とNST検査(胎児心拍から赤ちゃんの元気を確かめる)を受けたAさん。できるだけ動くといいというので、積極的に階段の上り下りをしたり、スクワットをしたり、いつも以上に意識して体を動かしました。しかし陣痛はやってきません。

そこで41週4日目で入院。翌日から出産に向けたさまざまな処置が始まりました。

子宮口が熟化していないので、バルーン(メトロイリンテル、メトロともいう)と呼ばれる、水風船状のもので子宮口を広げつつ、誘発剤の点滴も開始。すると、猛烈な痛みがやってきたといいます。

「ものすごい陣痛の痛みに耐えていました。午後には子宮口が5cmにまで開いたのですが、バルーンを外すと陣痛もおさまってしまったのです」

次の日も朝から誘発剤を使用。しかし軽い陣痛が来るだけでなかなか進まず、午後に人工的に破膜して破水させたものの、子宮口は6cmにしかならず……。この日も終了。

そしてその次の日。この日は42週0日です。朝から微弱な陣痛を感じていたAさん。少しスピードを上げて誘発剤も使用されました。

前日に人工破膜していたので、もし、この日の夕方までに子宮口が開かなければ、「帝王切開になる」と言われ、手術に備えて検査も行なわれました。しかし、ギリギリの夕方5時に子宮口が全開に。

「分娩室に移動していきむこと1時間、吸引分娩で出産しました。赤ちゃんは途中、心拍が消えたと大騒ぎになりましたが、モニターが外れただけ。元気な産声を聞かせてくれました。おなかの子にじらされてずっと待っている感じでしたが、どんな形にせよ無事に生まれてきてくれることが1番の願いだったので、よかったです。ほんとにお産は人それぞれで、苦労して命がけで生んだ分とっても愛おしくて、辛かったけども、うそのようにそんなことは忘れてしまっています。この過程を旦那も一緒に待って戦ってくれたので、今思い出しても二人して感動してしまいます。すてきな出産だったと思えます」

過期産体験談
「わたしの場合」2

愛知県のIさんは32歳のとき、41週6日で出産。過期産になる前の、ギリギリ前日でした。

予定日を過ぎると、医師から、「翌週まで陣痛が来なければ入院になります」と、一言。毎日不安の中で過ごしたIさん。周りからも、「いつ産まれるの?」の催促で、プレッシャーを感じていたといいます。

結局、翌週も陣痛は来ることなく、40週6日で入院。毎朝、診察のときに子宮口を刺激したあとに誘発剤、そしてNST検査で胎児の元気を確かめました。しかし、それでも陣痛はやってきません。子宮口も3cm以上開かず、41週5日目にバルーン(風船状のもので子宮口を広げる)を使用。そして、翌日41週6日目に、誘発剤を使ったところ、赤ちゃんの心拍が落ち、急遽帝王切開になったそうです。

「赤ちゃんが大きめだったので、お腹の中にいた時は苦しかったと思います。でも。産まれてからは問題なく、今も無事にすくすく元気に育っています。たいへんでしたが、今思うといい経験をさせてもらえたかなと思います。誘発剤が全然効かなかった私は、周りで伝説扱いされています(笑)」

過期産がよくないのは、
なぜ? 何が起こるの?

「産まれた赤ちゃんの病気(罹病率)と死産・死亡率の分娩週数毎のデータを見ていくと、39週と40週で生まれた赤ちゃんがいちばん低い。つまり健康度が高いのです。それより早くても遅くても、罹病率、死亡率が高くなるんです」と、久保隆彦先生。

もちろん予定日を過ぎても、子宮内の環境が正常で、なんのトラブルもなくお産を迎える人もたくさんいます。しかし、その一方で、子宮内の環境が悪化したり、胎盤機能が低下してくる人もいるから、要注意なのです。

「そうなれば、赤ちゃんが苦しくなります。胎便をして羊水を濁したり、予定日を過ぎると羊水も減ってくるので、臍帯が圧迫されて胎児に酸素や栄養が届かなくなれば、胎児機能不全となり、最悪の事態もありえるのです」

過期妊娠になると…
赤ちゃんへのトラブルのリスクが高くなる。

*胎児が苦しくなって胎便をすると、羊水混濁に。この羊水を吸引すると呼吸障害を起こす。

*胎盤機能が低下し、羊水過少、胎児機能不全になると、赤ちゃんが危ない!

赤ちゃんへのリスクが
高くなるのはなぜ? 
胎盤の老化?

妊娠40週を過ぎると、トラブルが増えてくるのは、なぜなのでしょう?

「胎盤が老化するからだとも言われています。胎盤の寿命は41週くらいまでなんじゃないか、と。でも、本当のところはわかっていないのです。というのも、42週過ぎまでお産を引き伸ばす人は、基本的にいないからです。そういう研究がないのです。わかっているのは、42週を過ぎると急激に死亡率や病気の率が高くなる、ということ。ですから、それまで何もしないで放っておくことはしません。予定日を過ぎたら注意深く管理して、42週になるまでに誘発したり、帝王切開したりして分娩に持っていきます」(久保先生)

過期産は激減。
でも、予定日はもともと
アバウトなもの

平成21年の厚生労働省のデータを見ると、42週を過ぎた過期産は、0.4%。つまり1000人のお産があったら、そのうちの4人が過期産。昭和55年のデータでは、4.5%とあるので、35年間で10分の1に激減したことになります。

「国立成育医療研究センターでは、もっと少ないです。1年に1人か、いても2人。1年間に約2000くらいのお産がありますから、パーセンテージにすると、0.05~0.1%ということになります」(久保先生)

数が少ないのは、赤ちゃんのことを産科医が考えて42週以降の過期産にならないように医学的な介入をして、それ以前に分娩にしてしまうからです。

「超音波検査の普及で、正確な週数がわかるようになって、過期産もどきが減っているということもあります。今、過期産といわれている人でも妊娠週数の間違いがあるのではないか、と言われているんです。ですから、予定日を過ぎても分娩にならないときには、妊娠週数が正しいかどうかを、まず再確認します」

妊娠週数は最終月経から計算し、超音波検査で確認するのが、日本では一般的な方法です。ですから赤ちゃんの頭殿長をはかって予定日の修正をすることもあります。

「修正といっても1週間以内の誤差なら、良しとしています。もともと予定日そのものがアバウトなものなんです」

それに、みんながみんな超初期から妊娠を自覚して、産婦人科にいくわけではありません。自分がいつ妊娠したか、はっきりとはわからず、もしかして…と思って産婦人科を受診したら、すでに妊娠中期だった、ということもあるし、分娩まで受診したことがない未受診妊婦もいます。妊娠週数自体、アバウトにならざるを得ない。42週の出産になったけれど、実際は41週くらいだったという可能性もあるのです。

42週以降のお産に
ならないように、
早めに入院する

さて、予定日の40週を過ぎたら、どんな処置が、どんな段取りで行われるのでしょう?

「国立成育医療研究センターでは、40週過ぎたら本人の希望するところで入院し、誘発分娩に持っていきます。40週の後半から41週の早めに入院する人が多いですね。初産婦の場合は、子宮口がなかなか開かず、誘発剤を使っても本格的な陣痛にならず、処置をしてから生まれるまでに3日くらいかかることもあって、そうなると遅めの入院だと、42週0日を過ぎてしまいます。経腟分娩を待つ余裕もなくなり、帝王切開せざるを得なくなります」

本人の希望するところでの入院といっても、41週後半の入院はかなりギリギリ。早めに入院したほうがいいようです。

「予定日を過ぎると、さっきまで元気だったのに、急に状態が悪くなる、ということが多くなるのです。さっきまでNSTで確認できたけれど、はずしたあとはどうなっているかわからない。急変が怖いのです」

入院中の処置、
段取りはどうなるの?

予定日を過ぎて入院すると、超音波検査やNST(胎児の元気さがわかるノンストレステスト)などで、赤ちゃんが元気かどうかをたびたび確認し、頸管熟化を考慮しながら、子宮収縮剤を使います。

「子宮頸管が柔らかくなって開いてこないと、赤ちゃんが出てこられません。ですから硬い場合は、ラミナリアと呼ばれる海草でできた棒(徐々に水分を吸収して2~3倍になる)や、バルーンとかメトロと呼ばれる風船を入れて刺激して、熟化を試みます。これで熟化が進むこともありますが、なかなか進まないこともあります」(久保先生)

海外では、ゲル状の熟化剤(プロスタグランジン)があり、それを腟に入れることで、頸管熟化を促すのが一般的です。しかし、いまだ日本ではその薬剤は認可されていないので、ラミナリアやメトロなどを使った物理的な方法に頼らざるを得ません。

「熟化がうまくいけば、誘発剤を使ってスムーズなお産につなげることができます。また卵膜を人工的に破ることで、陣痛がついてお産につながることもあります。こうした試みがうまくいかない場合や、赤ちゃんの状態が悪くなった場合に、帝王切開になります」

お産の始まりのGOサインは、いったい誰が出すのでしょう? 赤ちゃん?それともママ? 羊の研究では赤ちゃんで、その物質は「コルチコステロイド」といわれています。しかし人間に関しては、まだ何もわかっていないのだそうです。

まだまだ神秘のベールに包まれた、わからないことだらけの不思議ワールド、妊娠出産。予期せぬ病気やトラブルに見舞われてしまうことがあっても、現代医学が救ってくれることもたくさんあります。大勢の人たちの手を借りて、たくましくしなやかな強い母親に成長していきましょう。

早く出ておいで~

予定日を過ぎたら…

  • 過期産体験談は、『ベビータウン』アンケートにご協力いただいた方の体験です。ほかにもたくさんの方々にご協力いただきました。ありがとうございました。

取材協力・監修/久保隆彦(くぼたかひこ)先生

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