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子宮外妊娠とは?

2018.10.26

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受精卵が育っていける場所は子宮だけ。なのに、子宮以外の場所に着床してしまうことがあります。それが「子宮外妊娠」。「異所性妊娠」とも言います。発見が遅れると、命にもかかわる危険な状態になることがあります。原因はいったいどこに? 治療法はあるの? 産婦人科医、大井理恵先生に聞きました。実際に子宮外妊娠を経験した先輩ママの話も紹介します。

監修者プロフィール

大井理恵(おおいりえ)先生
総合母子保健センター 愛育病院 産婦人科医師

2000年、東京医科歯科大学卒業。旭中央病院、国立成育医療研究センター、都立大塚病院、東京医科歯科大学特任助教を経て、2014年より愛育病院に勤務。「合併症など困難があって出産する方も、スムーズにお産できる方も、どんなお産でも、赤ちゃんが元気に生まれてきてくれたら、それがいちばんうれしい」と大井先生。これまで取り上げた赤ちゃんは約2000人にのぼる。胎児の超音波診断を得意とする。
愛育病院

子宮外妊娠(異所性妊娠)とは?

受精卵は、子宮という家のベッドに、自分からたどり着いて育ちます。ところが、ときどき家を間違えてしまって、子宮以外の場所で根を下ろしてしまう受精卵が現れます。そこにはふかふかベッドもなければ、赤ちゃんが大きくなるスペースもないため、赤ちゃんは育つことができません。

この状態が「子宮外妊娠」です。医学用語では「異所性妊娠」といいます。自然妊娠の場合に起こる確率は1~2%、体外受精・顕微授精では2~4%の割合です。

「子宮外」とは、いったいどんな場所を指しているのでしょう?

いちばん多いのは卵管で、子宮外妊娠の98パーセント以上を占めています。精子と卵子は卵管膨大部という場所で受精して受精卵になります。その受精卵が子宮へと向かう途中の卵管で着床してしまうのです。他には、子宮のちょうどいい場所を通り過ぎて、子宮の出口に近い頸管まで行って着床してしまうこともあります。かと思うと、卵管を飛び出して、卵巣の中や腹膜などに根を下ろしてしまうこともあります。

と産婦人科医・大井理恵先生。

受精卵が育つことができるのは、子宮の中でも、子宮内膜の厚みがちゃんとあって、周囲の子宮筋層にも、成長していく胎児の重みに耐えられる十分な厚みがあるところ。

それは子宮のてっぺんと真ん中付近だけです。

理想の着床場所は、意外に狭い範囲なのです。

子宮の正常範囲外のさまざまな場所に着床する受精卵

受精卵着床部位

卵管妊娠は全体の98%以上を占めている。

正常妊娠と子宮外妊娠の見分け方は?

子宮以外の場所には、厚い内膜に包まれたふかふかベッドもなければ、赤ちゃんが大きく育つ空間もありません。にもかかわらず、そこに根を下ろして育とうとする受精卵は、まわりの組織を破壊し、血管まで傷つけてしまいます。

それによって血管が破れてしまうと腹腔内で多量に出血します。すると、突然、急激な下腹部痛が起こり、ショック状態になることがあります。こうなると、母体の危機。一刻も早く出血を止めなければ、命にかかわります。子宮外妊娠はとても怖いのです。

正常な妊娠か、子宮外妊娠の可能性があるかどうかは、医療機関で調べないとわかりません。妊娠したかな?と思ったら、産婦人科を受診してください。

妊娠の継続は可能なの?

受精卵は子宮以外の場所で育つことができないので、子宮外妊娠の場合は、残念ながら妊娠の継続はできません。

また、稀なケースですが、二卵性双生児で1つの受精卵が子宮内に着床し、もう1つの受精卵が子宮以外の場所に着床する「子宮内外同時妊娠」があります。この場合、子宮外妊娠の赤ちゃんはあきらめるしかありませんが、子宮の中で育つ赤ちゃんは助かる可能性があります。

子宮外妊娠の兆候や症状は? 痛みは? 不正性器出血とは?

子宮外妊娠に気づくためのサインや自覚症状はあるのでしょうか?

少量の性器出血があったり、下腹部痛、おしりやお股に響くような痛み、歩くたびに痛い、といった症状があることもあります。しかし、これらの症状がまったくないということも多いのです。

不正性器出血とは、月経以外の出血のこと。卵管の内側から出血して、子宮を通って腟から不正性器出血として排出されている可能性も考えられます。

なんだか調子が悪い、生理のような出血があったなど、いつもと様子が違うと思ったときは、がまんしたり、しばらく様子を見たりするなどしないで、早めに受診すること。それが重大な事態を回避する方法なのです。

そのためにも日頃から月経周期や体調に目を向け、自分の体調の変化に気づけるようにしておきましょう。

子宮外妊娠の原因は? 卵管癒着、子宮内膜の環境悪化、原因不明のことも多いの?

それにしても、子宮以外のところに、なぜ受精卵が着床してしまうのでしょう?

その原因のひとつは、卵管の詰まりです。受精卵の通り道が詰まっていては、その先の子宮に進むことができません。

卵管が詰まってしまったり、通りが悪ったりする原因には、次のようなものがあります。

  • クラミジア感染症や子宮内膜症などで卵管が炎症を起こしたり、癒着したりしている。すると、卵管が狭くなったり詰まったりして、受精卵が通りにくくなる。
  • 受精卵を子宮に送ろうとする卵管の繊毛(せんもう)の動きがうまくいっていない。そのため、子宮まで運ばれる前に卵管に着床してしまう。

本来は子宮まで到達して根を下ろすはずの受精卵が、通過に時間がかかったり、行く手を阻まれたりしている間に十分に成長したため、子宮にたどり着く前に卵管で根を下ろしてしまう……と考えられます。

また、次のような原因もあります。

  • 子宮内避妊具(IUD)が受精卵の通り道を邪魔する。
  • 中絶手術後の内膜の修復がうまくいっていなかった。
  • 子宮内膜症の手術の傷跡や帝王切開の傷跡に受精卵が落ち込んでしまう。

体外受精の場合は、受精卵が卵管を通って子宮にたどり着くという自然のプロセスが省略されているため、着床の不備が起こるのではないか、と考えられています。そして、子宮外妊娠は原因がわからない場合も少なくありません。

卵管に着床する場合も原因はいろいろ

卵管の異常

卵管が、クラミジア感染症や子宮内膜症などで炎症を起こし、癒着している。

卵の外遊走

卵管で受精した卵が、腹腔内に出ていって発育し、反対側の卵管に着床してしまう。

体外受精・胚移植

子宮に戻した受精卵が卵管内に迷い込んで着床してしまう。

避妊具の挿入・子宮手術の傷跡など

炎症や、IUDなどの異物、過去の中絶手術や帝王切開などが子宮環境に影響して内膜に着床できない結果、卵管内に着床してしまう。

子宮外妊娠・・・・・・診断はどこで受ける?

子宮外妊娠かどうかは、どのようにわかるのですか?

急な痛みや出血で病院を受診したり、救急で運ばれてきたりした結果、子宮外妊娠と判明することがあります。それ以外には、妊娠の兆候を感じて受診して、子宮外に着床しているとわかる場合があります。また、不正性器出血や月経不順で受診したら、実は妊娠していて、それが子宮外妊娠だったという例もあります。

つまり、子宮外妊娠かどうかは自分では判断がつかないということ。

大事なのは早期発見です。妊娠したかも……と思ったら、早めに産婦人科を受診して、正常な妊娠かどうかをまず確認してください。

子宮外妊娠の検査方法

子宮外妊娠かどうかは、どのような検査をするのですか?

超音波検査で、子宮の中の正しい位置に赤ちゃんを包む胎嚢が見えて心拍が確認できれば安心です。妊娠すると分泌量が増えるhCGというホルモン値などで妊娠反応が出ているにもかかわらず、超音波検査で子宮の中に赤ちゃんが見えてこないときには、子宮外妊娠の可能性を疑います。血液検査でホルモン値を調べたり、超音波ドップラーで胎囊の周りに血流があるかどうかを調べたりします。赤ちゃんが育っていると、胎囊の周りには血液の流れがあるのです。こうした検査を行って、子宮外妊娠が強く疑われる場合は、どこに着床していそうか、手術が必要になるかどうかも検討します。

妊娠週数が早すぎて、まだ胎囊が見えない可能性がある場合は、1~2週間後に再受診することになります。

その間にお腹の痛みや出血があった場合は、すぐに受診してください。もしも激しい下腹部痛があった場合は、救急車を呼んでください。子宮外妊娠だとすると、お腹の中で大出血して、一刻を争う状況になることもあるからです。

生理が順調な人なら、妊娠に気づくのは生理が1~2週間遅れた頃。それは妊娠5~6週頃にあたります。市販の妊娠検査薬を使って結果が陽性と出ても、それが正常な位置での妊娠かどうかはわかりません。妊娠検査薬でわかるのは妊娠反応だけで、子宮外妊娠かどうかは判別できず、産婦人科を受診して確認する必要があるのです。

子宮外妊娠の治療方法は? 開腹手術、腹腔鏡手術、薬による治療法もある

子宮外妊娠とわかったら、どんな治療をするのでしょうか?

治療法は手術と薬物療法があります。また、治療はしないで、しばらく経過観察する場合もあります。今、妊娠何週でどんな症状があるか、胎児の大きさや、本人の今後の妊娠希望はどうか、などもふまえて、治療法を慎重に決断します。もしも卵管破裂を起こして腹腔内に出血がある場合は、すぐに手術をします。卵管妊娠の場合、腹腔内出血があって卵管が腫れていたら、ほとんどが卵管を切除することになります。卵管を線状に切開して中の妊娠組織を絞り出して止血する手術法もあります。

むずかしいのは、子宮と卵管の境目に着床した場合(卵管間質部妊娠)。子宮にメスを入れることになるので、卵管だけ手術するよりも出血量が多く、子宮へのダメージも大きくなるからです。子宮の一部分だけ切除して子宮の形状を修復する場合と、稀ですが子宮全体を摘出する場合もあります。

手術療法

手術には、次の2つの方法があります。

開腹手術

お腹にメスを入れて切開し、子宮外妊娠した部分を切除する方法。

腹腔鏡手術

お腹に2−3カ所、小さな孔を開けて、そこから内視鏡と手術器具を入れて手術を行う方法。

薬物療法(MTX療法)

MTX療法は、胞状奇胎や絨毛がんの治療に用いる薬を使い、赤ちゃんの細胞分裂を止めて受精卵が枯れるのを待つ方法。

[MTX療法のメリット]

  • 手術や麻酔に伴う体のダメージが避けられる。
  • 卵管間質部妊娠や頸管妊娠の場合でも、子宮を残すことが期待できる。

ただし、次のような注意が必要です。

  • 妊娠初期の場合の治療法であり、念入りな経過観察が必要。
  • 妊娠のホルモン(hCG)の値が全く下がらず、再び受精卵が育ってしまって緊急手術になるケースがある。
  • MTX療法で使われる薬は抗がん剤の一種で、他の組織にダメージを与える可能性がある。
  • 胎囊が脱落するときに出血して、手術が必要になる可能性がある。
  • 子宮外妊娠のMTX療法は保険適用ではなく、自費による治療。

経過観察

特に治療をせず、しばらく様子を見る場合があります。たとえば、卵管で着床した受精卵が明らかに育っていない場合は、しばらくそのまま様子を見ることもあります。数日すると、受精卵と子宮内膜が脱落して月経に似た出血があったり、その後に月経として排出されたりすることがあります。また、出血がなく、自然に体内に吸収されることもあります。

手術方法や薬物療法などは、本人の希望通りに選択できるとは限りません。子宮外妊娠の状態や、病院の方針、その病院が対応できる範囲なども大いに関係してくるので、医師とよくコミュニケーションをとり、納得して治療を受けてください。

再発リスクの高い子宮外妊娠。体外受精も選択肢のひとつ

子宮外妊娠で手術をした場合、次の妊娠はどうなるのでしょう?

自然に妊娠・出産する人は多いですよ。ただ、再び子宮外妊娠になる確率は10%程度と高いので注意してくださいね。クラミジア感染症や子宮内膜症などで、卵管の状態が悪かった人は、もう片方の卵管も似たような環境で状態が悪いと考えられるからです。

残った卵管の状態も悪い、両方の卵管を切除した、という場合は、受精卵を子宮に戻す体外受精という方法もあります。もしも子宮外妊娠で治療をした場合には、主治医に今後の妊娠や出産について相談してみましょう。

子宮外妊娠体験談「わたしの場合」1

宮城県に住むSさんは、生理が遅れて第2子の妊娠に気づきました。妊娠反応は陽性と出たのに、超音波検査で胎嚢が見えず、医師から「子宮外妊娠の疑いがある」と告げられます。次の週になっても胎嚢は見えず、「出血や腹痛があったらすぐに受診を」と医師に指示されます。

その後、少量の出血があったので病院に行くと、即入院。痛みとか全然なかったので、もう少し待てば赤ちゃんが見えるのでは?と思っていたのです。でも、お腹に穴をあける腹腔鏡手術をすると聞いたときに、やっと、これはたいへんなことになっている!!と。
(Sさん)

結局、手術ではなく、薬を投与する方法に変更となり、1日1回注射を打ってホルモン値を測り、妊娠反応が完全に消えるまで1週間ほど入院しました。体への負担は少なかったけれど、「どうしてこんなことになってしまったの…」と涙に暮れる日々だったといいます。

そして2年後、ようやく妊娠したものの今度は稽留(けいりゅう)流産、その1年後の妊娠も稽留流産に。胞状奇胎も見つかり、「2年間は妊娠しないように」と指示されます。

2年が明け、避妊をといたらすぐに妊娠。妊娠8ヶ月のときに東日本大震災に見舞われながらも、無事に39歳で次男を出産しました。

本当に思いがけない出来事の連続でした。子どもは無事に産めるのが当たり前と思っていましたが、そうではない、ということを実感しています。
(Sさん)

子宮外妊娠体験談「わたしの場合」2

東京都に住むCさんは、激しい腹痛で産婦人科ER(救急室)のある病院を受診。そこで妊娠がわかりました。

3年間もベビ待ちしていたので、そのときは、やったー!と、宝くじに当たった気分でした。
(Cさん)

しかし、医師からは「子宮外妊娠の可能性があるので、すぐに開腹手術をします」と告げられます。「赤ちゃんは大丈夫なんですよね?」と尋ねたCさんに、医師は「残念ですが……」。

愕然としたCさん。受精卵が子宮外に着床しても、それを子宮に戻せば、助かると思っていたのです。しかし、このときはCさん自身も危ない状態でした。お腹の中で、かなりの量の出血が起こっていたのです。

1時間の予定の手術が3時間半もかかり、病院に来た夫、母、姉は、もしや……と肝を冷やしたそうです。
(Cさん)

子宮外妊娠をしたほうの卵管が破裂したため切除。もう片方の卵管も癒着がひどく、癒着を剥がして正常の状態に戻そうとしたけれど、出血が多くて途中で断念、手術を終了したのだそうです。

術後に医師から、生命が危なかったと聞かされて、本当にびっくりしました。腹痛を我慢しすぎたのがよくなかったんですね。卵管の状態から、「自然妊娠は無理、体外受精しかない」と聞かされたときは、もう絶句でした。
(Cさん)

術後は極度の貧血で、歩けるようになるまでに1週間もかかりました。

ショックの連続。しかし、「やるべきことが明確になった」と、Cさんは体外で受精させた卵を直接子宮に戻す体外受精にトライします。一度は妊娠したものの11週で流産。その後5回の胚移植で、ようやく妊娠・出産にこぎつけました。

子宮外妊娠は、せっかく妊娠できたのに赤ちゃんを助けられない、つらい体験でした。母体にも危険があることをみんなに知ってほしいです。そして、たとえ子宮外妊娠になっても、体外受精などで赤ちゃんを授かる望みがあることも知ってほしいと思っています。
(Cさん)

子宮外妊娠には予防法がなく、早期発見が重要です。「妊娠したかも」と思ったら、産婦人科を受診して、正常な妊娠かどうか確認する必要があります。あまり早い時期に受診すると、胎囊が確認できないので、生理開始予定日から1~2週間経っても生理がこなければ、妊娠の可能性を考えて受診するといいでしょう。

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