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妊娠中期・後期の超音波検査【妊娠中の検査シリーズ】

2010.09.01

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妊娠週数が進み、胎児が大きくなるにしたがって、モニター画面からはみ出して、体が部分的にしか映らなくなります。かわいい顔、目、鼻、耳、口、手足の指などの細部が見えるこの時期の超音波検査は、胎児をさらに実感するうれしい時間…。しかし、これはあくまで検査。発育が順調かどうかを診断する「出生前胎児診断」の役割も果たしています。妊娠初期に引き続き、中期・後期の超音波検査についてもしっかり勉強しましょう。次回の「その3」では、日本の超音波検査の実情と問題点について触れます。

監修

篠塚憲男(しのづかのりお)先生

胎児医学研究所代表

http://www.shinozuka.com/

医学博士.超音波専門医. 超音波指導医 産婦人科専門医。
浜松医科大学卒業後、東京大学医学部産婦人科学教室 、コーネル大学留学、帝京大学産婦人科学教室講師などを経て、現職。胎児の体重を推定する計算式を開発した、超音波診断の第一人者。瀬戸病院で、「超音波外来」を担当。

取材協力

瀬戸病院

昭和24年開業。埼玉県所沢市で長く信頼されている病院。産科・婦人科・内科・小児科・麻酔科がある。産科では、経験豊富な医師・助産師のみならず、麻酔科医を常勤させるなど、安全安心のお産をめざす。入院中の食事やアロママッサージなど快適な分娩ライフも評判。LDRも2室ある。篠塚憲男先生の「超音波外来」は、月曜日と木曜日。

http://www.seto-hospital.or.jp/

超音波検査/
妊娠中期・後期

妊娠中期・後期は、主に経腹超音波検査(プローブをおなかの表面に当てる方法)を行うが、子宮口や子宮頸管の観察など、必要に応じて、経腟超音波検査(プローブを腟内に挿入する方法)を行う。一般的に、中・後期の超音波検査は、発育を診る上では最低限3回は必要と言われている。

検査時期 妊娠20週、28週、34週前後
検査方法 経腹超音波。内診台または診察用ベッドで受ける。下腹部に検査用ゼリーを塗ってからプローブ(検査用器具)を当てる。痛みはない。所要時間は通常の外来検査では5~15分程度。
検査内容 ★胎児と胎児付属物(卵膜・胎盤・臍帯・羊水)を観察する。内容は多岐にわたる。下記はほんの一部。
☆胎児計測:(1)頭の大きさ(BPD)、(2)大腿骨の長さ(FL) (3)腹部の大きさ(AC / APTD x TTD)など。
☆推定体重:(1)~(3)をもとに体重を推定する。
☆臓器:心臓や肺、血管など重要な臓器の形態。
☆卵膜;(絨毛膜・羊膜):主に妊娠初期に観察するが、双胎(双子)などの多胎児では中期までに膜性診断をしておく。
☆胎盤と臍帯:位置や構造、(血液の流れなど)。
☆羊水量:正常かどうか。
検査結果 検査結果は、検査中または検査直後に、口頭で説明されることが多い。
母子健康手帳への
記入例
検査結果をひとまとめに記載する項目はないが、写真をもらったら、母子健康手帳に添付しておくといい。
  • 病院によって、医師が行う場合と超音波技師が行う場合がある(経腟超音波は体腔内スキャンに当たるので医師が行う)。
  • 妊娠中期・後期には発育診断という意味では。最低3回は必須と考えられるが、妊娠経過や病院の方針によってはもっと多くなる。(トレーニングを受けた検査技師など、ある技量をもった人に最低3回は胎児の発育等をチェックしてもらう必要があるという提言・厚労省研究班)
  • 費用は母子健康手帳公布後の妊婦健診受診票で公費負担になることもあるが、内容や回数によっては自己負担のこともある。
  • 胎児の映った写真を渡されることがある。写真に妊娠週数、胎児の大きさなどが記載されている場合もある。

もっと知りたい
妊娠中期・後期の
超音波検査!
Q&A

妊娠20週、28週、34週頃に超音波検査を推奨するのはどうしてですか?

胎児の発育のパターンにはいくつかの節目があるので、それに合わせて検査をしているのです。この時期の前後に胎児の計測をして胎児の大きさ(推定体重)を計算することにより、胎児の発育不全や異常などを発見しやすくなります。推定体重は毎回調べることも多いですが必須ではありません。ほかにも診るべきところはたくさんあります。

★妊娠20週前後:徐々に発達してきた胎盤の機能が完成し、胎児の発育もスピードアップ。心臓をはじめ胎児の内臓が、小さいながらもかなり見えるようになるので、大きさや位置、構造などを観察します。消化器も泌尿器である胃、腎臓も調べます。脳、胎盤の位置や働きも観察します。羊水の成分がこの時期にはほとんど胎児の尿になります。

★妊娠28週前後:胎児の体重が直線的に増加し、羊水量も多くなるのに加えて、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの妊娠合併症が発症しやすい時期です。母体にも注意を払いながら、さらに鮮明に見えるようになった各内臓の形や機能、血管の位置や構造などを重点的に観察します。

★妊娠34週前後:胎児の体重が平均2000gに達するとともに、心臓や肺などの主要な臓器の働きが子宮の外の生活にも適応できるように成熟してくるころ。胎児の推定体重をきちんと出し、胎児呼吸様運動のチェックもします。誕生後の肺呼吸に備えるような規則的な胸郭の動きです。肺からは出生後の肺と広げる物質の分泌も多くなります。羊水量も胎児の状況が良いことを示す指標となりますのでチェックします。この他、胎盤の位置や働き、必要に応じて臍帯を流れる血流の状況など胎児が順調に育つ条件が整っているかどうかを調べます。

楽しみなわが子とのご対面時間だが、検査だからやっぱり、少しドキドキ。

妊娠19週6日/3D
バックスタイルもかわいい! どこか頼もしい背中です。

妊娠28週6日/3D
うつらうつらお昼寝中?でも、まぶたが半分開いているみたい。

妊娠34週以降は超音波検査を受けなくてもいいのですか?

必要なら超音波を行いますが、目的が違ってきます。34週頃に胎児の体重が2000gになると、もし出産予定日より早く生まれても心臓や肺の働きも成熟してきているので、胎児自身については、胎児の成熟という意味ではあるレベルをクリアしたと考えられるということで心配する必要はありません。しかし、胎盤、臍帯、羊水量、子宮頸管などにトラブルが起こると、子宮の中での胎児の発育や、妊娠の継続に問題が出ることがあります。ですからこれらの観察が主になります。もちろん、胎児の体重や発育についても、必要なら超音波で観察しますから、勧められた時はきちんと受けましょう。34週以降は超音波画像による形態の検査よりは、胎児の成熟をみる機能検査の心拍モニタリングのほうが医学的必要性が高いと考えられます。

胎児が小さい、大きい、とよく言いますが、正常と心配の境目はどこですか?

超音波検査では、必ず胎児の大きさ(推定体重)を調べますが、それは、妊娠週数に見合って順調に発育しているかどうかを判断する「重要な手がかり」だからです。下の子宮内胎児発育曲線を見てみましょう。この範囲におさまっていれば、●胎児の臓器の働きが順調に発育している、●胎盤や臍帯(さいたい)の働きや羊水量も適正で子宮内環境は良好、とひとまず判断できます。しかし、そこから大きく外れている場合には、なにかトラブルがないか、慎重に診ていきます。大きさの評価は偏差値で(SD値)で表します。平均からのくらい離れているかを表す数値です。あくまでも発育の経過が重要で、計測による誤差などもありますから、小さいと思われた場合は1週間とかの間をおいて再検査することがよくあります。

【子宮内胎児発育曲線】

EFWによる基準値 実線±2.0SD 破線±1.5SD (SD:標準偏値) 
正期産(妊娠38~41週)で生まれて正常に発育した胎児の推定体重の基準値。中央のラインは基準値の平均。実線は上下の実線の範囲内に95.4%の胎児が含まれている、破線は86.6%の胎児が含まれている、という意味。

★胎児が小さすぎる?

胎児発育不全(FGR)の診断目安は、推定体重が胎児発育曲線の-1.5SD以下の場合ですが、この基準値から外れていても、心配ないこともあります。しかし、小さすぎる原因が、ママの妊娠高血圧症候群だったり、胎児の心臓奇形だったり、胎盤や臍帯、羊水量に問題があることもあります。感染症や妊婦の喫煙が原因のことも。原因が早くわかれば、治療開始も早くなり、胎児はグングン大きくなる…可能性が開けます。

★胎児が大きすぎる?

出生体重が4000g以上の赤ちゃんを巨大児といいますが、診断がつくのは、生まれてからです。しかし妊娠中の、とくに後期に推定体重が大きいときは、巨大児を疑って帝王切開も視野に入れるなど対策を立てておくことができます。経腟分娩だと、頭は出ても大きい肩がひっかかって難産になることがあるからです(肩甲難産/けんこうなんざん)。ただし、胎児の推定体重は10%程度の誤差が出ます。たとえば4000gと推定されていても、実際は3600gで、経腟分娩でラクラク出産というケースもあります。

「子宮内胎児発育曲線」というのは、どうやって出されたものですか?

正期産(37週から41週)かつ正常の体重で出生した児が、子宮内にいたときの超音波検査で胎児の推定体重を算出し、妊娠週数ごとの基準値(平均値)を図にしたものです。早産などで小さく生まれた赤ちゃんも含めて出生後の体重で基準値が作られていたので、評価が不正確になる心配がありました。しかし、これは、正期産で生まれて正常に発育した赤ちゃんの胎児時代の数値が基になっているので、非常に正確です。また、妊娠中期以降は人種によって発育に違いが出てきますが、日本人の胎児の計測値なので、より現実に即しています。生まれたあとに新生児の先生が使う基準値とはちょっと違います。超音波で子宮の中の胎児発育が正常か否かを判断するため基準値です。

BPD(児頭大横径)、FL(大腿骨長)、APTD(腹部前後径)、TTD(腹部横径)をもとに計算する。AC(腹部周囲長)を用いる方式もあるが、どちらを使っても結果は同じ。監修者の篠塚憲男医師が開発した方式、基準値(子宮内胎児発育曲線)は、母子健康手帳への掲載も検討されている。
☆篠塚式 EFW=1.07×BPD+3.42×APTD×TTD×FL
☆日本超音波医学会推奨式 EFW=1.07×BPD+0.30×AC×FL

脳の中の構造や血流については、どんな点に注目しているのですか?

脳を囲む頭の骨が順調に形成されているか、脳の中央にあって左脳、右脳を区切るミッドラインが正常かどうかなどを調べます。脳の中には脳室といって、髄液(脳の中を循環する透明の液体)がたまるところがありますが、髄液が多すぎると困るので、髄液を作る脈絡叢(みゃくらくそう)という部分の観察も行います。また、カラードプラで血液の流れをカラー表示しながら、脳の血流を調べることもあります。

頭の中までくっきり! 妊娠18週4日
頭の大きさ(BPD)を測りながら、脳の中の脳室、脈絡叢なども観察。

胎盤については、どんなことを診ているのですか?

付着位置、形や大きさ、血流などです。胎盤の観察は基本的には経腹超音波で行いますが、前置胎盤や低位胎盤など胎盤位置が低いことが想定される場合はプローブが子宮口近くまで届いて胎盤が見やすい経腟超音波で行います。

★付着位置:胎盤は子宮の内側にぴったり張り付くようにできてきます。たいていは子宮の上のほう(体部)に付きますが、前置胎盤といって下のほうに付くことがあります。子宮口をふさぐように付いていると、ときに胎盤が剥がれて母体や胎児が危険になることもあります。ただし、妊娠中期に前置胎盤が疑われても子宮が大きくなるにつれ、しだいに上のほうに伸びて正常な位置になることがあるので、前置胎盤かどうかの診断は、妊娠20週代の後半以降に経腟超音波で行います。

★形や大きさ:形は基本的にはちょっと楕円形がかった丸い形ですが、なかにはハート型!ということも。形にも大きさにも個性があります。

★血流:胎盤は血管の集まり! 胎盤と母体の子宮の間にある絨毛管腔というところで、母体の液からの酸素と栄養を受け取ります。栄養や酸素は臍帯を経由して胎児へ届けられます。胎盤は胎児の命の素、臍帯は母体と胎児をつなぐ命綱! カラードプラを使って臍帯の血流を調べます。臍帯には2本の動脈(胎児から胎盤へ)、1本の静脈(胎盤から胎児へ)があります。

臍帯は、どんなところを診ているのですか?

臍帯の構造や付着位置、血流などです。血流はカラードプラで観察します。

★臍帯の構造:2本の動脈と1本の静脈、計3本の血管が、きちんとあるかどうかを調べます。3本の血管はらせん状にねじれていますが、そのねじれがキツイと血流が滞る心配があります。また断面を見れば、血管の周りにある保護役の物質が正常にあるかどうかもわかります。

★付着位置:胎盤側の付着位置は、たいてい中央なのですが、ときにかなり片寄っていることがあります。卵膜に付いてしまうと、胎児の発育に支障が起こることもあるので、付着位置の観察は重要です。

★血流:臍静脈は、胎盤から胎児へ栄養や酸素を含む血液を運びます。臍動脈は、胎児から胎盤へ、老廃物や二酸化炭素を含んだ血液を運びます。どちらも滞りなく流れているか、確認します。

臍帯の血管は3本。妊娠18週4日
青く映っている2本が臍帯動脈。赤いのが臍帯静脈。(カラードプラ)

羊水の量は、どうやって調べているのですか?

超音波検査で羊水量を測る方法にはいろいろありますが、一般的にはAFI(羊水インデックス)法が使われます。胎児のお臍を中心に、子宮の中を4分割した空間を想定して、それぞれの羊水の深さを測り、その数値を足し算します。羊水は多すぎても少なすぎても心配です。正常な量は妊娠週数によって違いますが、妊娠中期・後期の正常値は5~24cmです。

羊水を測る方法:AFI(羊水インデックス法)

イラストの中の4箇所を測ります。

羊水たっぷり。妊娠29週3日
♯1~♯4は、上下左右4箇所の羊水ポケット(羊水の深さ)。この数値を全部足すとAFIは39.1cm。

子宮頸管の長さを測る目的は何ですか?

早産になるかもしれないサインを早期発見するためです。子宮頸管は、内子宮口(胎児のいる子宮体部の入り口)から外子宮口(腟に続くところ)までをいいます。普通、内子宮口は出産が始まって子宮収縮(陣痛)が起こると、徐々に開いてきます。しかし、何らかの原因で妊娠中に開いてくることがあり、早産のリスクの重要な目安になります。経腟超音波検査で観察すると、子宮頸管の長さがを計測してその長さが短くなっていることにより判断します。普通、子宮頸管の長さは35~40mmはありますが、25mm以下になると早産の可能性を考えられ、治療の対象となります。なお、超音波検査では、内子宮口付近がくさび状に開いているような所見も早産徴候の一つと考えられていて、子宮頸管の長さと合わせて診断の目安とします。現実にはいかに早産を予防できるかに関しては難しく、現在日本でも多施設での協同研究が行われています。
東京早産予防研究会

写真指示:子宮 子宮頚管の長さ 右側が丸く黒いのは経腟プローブの先端部の影。

通常の超音波検査のほかに、特別な超音波検査があるそうですが…。

超音波検査は、誰が見ても同じというものではなく、この検査に熟達し、相応の知識をもった医療スタッフがしっかりと時間をかけて行うほど、細部まで観察できるという特徴があります。通常、妊婦外来で行う超音波検査は時間的な制約と、保険診療または一般妊婦健診という目的の制約から、観察できる内容は限られます。このため、病院によっては「特殊超音波検査」「超音波専門外来」「精密超音波検査」「胎児ドック」などの名前で、時間を十分にとって行う検査を勧めているところがあります。実施時期は多少違いますが、一般的には妊娠28週前後までに行うことが多いでしょう。産科超音波診断の専門医は意外に少ないのが実情です。日本超音波医学会の専門医・および施設はhttp://www.jsum.or.jp/jsum_your_town/で検索できます。

妊娠初期(妊娠10週から13週)と妊娠中期(妊娠18週から20週)に胎児の検査を受けることを勧めています。このような超音波検査は保険適応にならないため費用は自己負担となる場合がほとんどです。

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妊娠中期・後期の超音波検査は、主にプローブをおなかの表面に当てる方法で行いますが、必要に応じて、プローブを腟内に挿入する方法も行います。中・後期の検査は、成長の確認のため最低限3回は必要と言われています。妊娠・出産のサポートサイト「プレママタウン」

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