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羊水検査のリスクと目的は?

2018.04.10

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「羊水検査」は、母体のおなかに針を刺し、羊水を採取して、胎児の染色体に異常があるかないかを調べる検査です。出生前診断の一つで、母体血による「新型出生前診断(NIPT)」で異常を認めた場合の確定診断としても用いられます。ダウン症をはじめ、染色体異常による先天性の障害がわかるので、結果によっては「産むか産まないか」の難しい決断を迫られることも。どんな検査か知っておきましょう。

監修者プロフィール

久保隆彦
シロタ産婦人科名誉院長、医学博士。

岡山大学医学部卒業後、聖隷浜松病院NICU、高知医科大学助教授、国立大蔵病院産科医長、国立成育医療センター産科医長を経て現職。専門は、周産期医学、胎児・新生児学、妊産褥婦のメンタルヘルス。作成したガイドラインは、「産科危機的出血の対応ガイドライン」、「産科危機的出血への対応指針2017」、「産科危機的出血に対するIVR施行医のためのガイドライン2012」、「産科危機的出血に対するIVR施行医のためのガイドライン2017」、「早期母子接触の留意点」、「CRS診療マニュアル」。評価したガイドラインは、「産婦人科診療ガイドライン産科編2008」、「産婦人科診療ガイドライン産科編2011」。

羊水検査とは

お母さんのおなかに針を刺して羊水をとって、羊水に含まれる胎児細胞の染色体を調べる検査です。
母体のおなかの表面から穿刺針(せんししん)を刺して羊水を採取するので、羊水穿刺とも呼ばれています。検査の結果がわかるのは約2週間後です。

羊水を調べると胎児の染色体のことがわかる

羊水は胎児附属物であり、胎児の皮膚や粘膜などの細胞が混じっています。羊水が何からできているかというと、初期のころは胎児を包む羊膜や胎児の皮膚から染み出てきたもの、妊娠が進むにつれて胎児の肺の細胞から出てきた肺胞液や、腎臓からのおしっこが主成分になっていきます。

羊水には、胎児からはがれた皮膚や粘膜などの細胞も混じっているので、羊水をとって細胞を培養し、胎児の染色体を調べることができるのです。

検査方法と内容

超音波機器で胎児や胎盤、羊水の位置を観察しながら、穿刺針を子宮の中へ挿入して、15~20mlの羊水を採取します。

採取した羊水中の胎児細胞を培養したあと、Gバンド分染法という方法で染色体の数や形状などを調べます。

「新型出生前診断(NIPT)」との関係

出生前診断には、いくつかの方法があります。最近は、母体の血液検査による「新型出生前診断(NIPT)」が行われています。この検査で異常を認めた場合には、確かにその異常があるかどうかを確定する、確定診断として羊水検査を受けることになっています。

羊水検査でわかる染色体異常

染色体異常とは

私たちは通常、46本の染色体を持っています。父方と母方から1本ずつもらった2本1組の常染色体が22組44本、性別を決める性染色体が1組2本です。ところが、1組2本のところが1本だったり、3本あったりすることがあります。

たとえば、2本1組であるはずのものが1本だけだと「モノソミー」、3本だと「トリソミー」といいます。常染色体は大きい順に1から22まで番号がつけられていて、21番目が3本あると「21トリソミー」、18番目だと「18トリソミー」、13番目だと「13トリソミー」といわれます。染色体の番号が小さいほど、障害も重度になることが多いでしょう。

染色体異常は数だけの異常ではなく、一部欠損していたり、他の染色体の一部がくっついたり、染色体の中でひっくり返ったりすることもあります。

ダウン症

21番目の染色体の数が3本ある「21トリソミー」です。ダウン症児は、個性的な顔や体つき、発育や知能に遅れ、心臓に障害が出ることもあり、その程度はさまざまです。ダウン症の治療法はありませんが、その子に合った教育や生活指導をしていくことで、社会生活への適応能力を高めていくことができます。ダウン症児で大学入学を果たした人もいますし、社会人として自立している人、芸術的才能を開花させた人もいます。

18トリソミー、13トリソミー

18番目や13番目の染色体が1本多い、「18トリソミー」や「13トリソミー」は、自然に流産・胎内死亡することも多く、生まれた場合は障害の程度も重く、寿命も短いことが多いでしょう。

ターナー症候群

性染色体が1本少なかったり、一部なかったりするのが「ターナー症候群」です。女性のみに現れます。生まれてから、新生児浮腫、心疾患、低身長、無月経で発見されることもあります。結婚後に不妊症としてわかることも。知的な障害は少なく、低身長に対してはホルモン療法などのケアもできます。

クラインフェルター症候群

男性の性染色体に、X染色体が1つ以上多い状態の男性のみの疾患。なかなか子どもができないことで検査をして発覚するケースがあります。

一生を通じて気がつかないケースも

染色体の異常があっても、障害として表に出てこないこともありますし、一生を通じて気づかれないものもあります。その意味で染色体異常は病気や障害ではなく、「個性」ともいえます。これらの障害を持つ多くの親やその団体が、障害を正しく理解して欲しいとホームページを開いています。ぜひ一度のぞいてみましょう。

羊水検査の費用は?

羊水検査には保険は使えないので自費になります。検査内容や病院によって、費用は多少違いますが、だいたい14万~15万円前後が多いようです。

検査方法はすべての染色体を調べる「Gバンド分染法」で行います。病院によっては、13・18・21番の常染色体とX・Yの性染色体数だけを調べる簡便な検査をするところもあります。費用は検査内容によっても違うので、事前に確かめましょう。

羊水検査はいつから受けられる?

羊水検査を受けられる時期は、流産率が低く、安全に実施でき、しかも検査結果によっては次の処置が可能な妊娠16~17週です。

羊水検査のリスク、流産の可能性は?

1000人に3~5人ぐらいの割合で流産する可能性があります。羊水がもれ出る、おなかが張る(子宮収縮)、感染が起こることもあります。また、超音波で胎内を観察しながら赤ちゃんを避け、細心の注意をはらって行いますが、急に赤ちゃんが動いて、針の先が赤ちゃんに触れ、傷つけてしまう可能性も否定はできません。

検査を受けるときには、こうしたリスクについても、しっかり説明を受けて、納得して検査を受けるようにしましょう。

羊水検査に痛みはあるの?

羊水検査は、おなかの表面から子宮の中まで細い針を刺し入れるので、多少の痛みを伴います。麻酔をしない場合の痛みは、筋肉注射をしたときと同じぐらいでしょう。ただし、ほとんどの病院で、針を刺す皮膚の部分を局所麻酔します。

羊水検査にかかる時間は?

検査にかかる時間は5~10分程度です。検査後はしばらく病院内で休養し、出血や羊水のもれ、子宮収縮などがないことを確認してから帰宅します。検査後1週間は仕事を休むなど、安静を心がけましょう。また、感染予防のための抗生物質や子宮収縮を抑える薬などを処方されるので、きちんと飲みましょう。羊水のもれや子宮収縮が起こるのはほとんどが検査当日ですが、検査後1週間程度は無理をしないで注意しましょう。

羊水検査で胎児染色体異常が出た場合

みんなはどう判断しているの?

羊水検査で胎児染色体異常があるとわかった場合は、赤ちゃんが生まれる前に必要なケアをあらかじめ予測できる利点がある一方、異常の種類によっては中絶を選択する夫婦もいます。日本では、胎児の染色体異常を理由に人工妊娠中絶を受けることはできませんが、母親が身体的、精神的苦痛を強く受けるという「母体保護」を理由に受けることができます。

中絶が可能なのは妊娠21週6日まで。仮に妊娠17週に羊水検査を受けて、2週間後の19週に結果が出た場合、そこから2週間以内に決めなければいけません。

羊水検査は、夫婦の希望によって行うもの

羊水検査は、あくまで自分の希望に基づいて行うものなので、検査を受ける・受けないは自由ですし、検査結果を聞く・聞かないも自由です。

検査の結果、染色体異常があるとわかり、たとえ障害があっても受け入れて育てていく、高齢になってようやく授かった赤ちゃんなので産みたい、と出産を決断する人もいます。また、羊水検査を受けたけれど、その後いろいろ考えた末に、「検査結果は聞かない」で産むと決めた人もいます。

検査を受ける前に「もしも染色体異常だったら」ということも含め、夫婦でよく話し合っておくことが大事です。生命に対する考え方や人生観は、人それぞれ違います。どんな決断も尊重されるべきでしょう。

羊水検査のQ&A

Q どういう人がこの検査を受けるの?

多くは、染色体異常児を産んだことのある人、近親者に染色体異常の方がいて遺伝が心配な人、高齢出産でリスクの高い人などで、「検査を希望した人」です。また、これらに該当しないけれど、検査の意義とリスクを理解して、検査を希望した人です。

Q 羊水検査は、どこの病院でも受けられますか?

どこの病院でも受けられるわけではありません。結果によっては、両親の染色体検査やDNA(遺伝子)検査が必要になることもあるので、遺伝外来のある病院で受けるといいでしょう。
羊水検査は、検査を受けるときにも、結果を待つ間も、また結果が出てからも、迷いや不安が起きたり、人生の決断を迫られたり、と心が不安定になることがあります。医師やカウンセラーから、検査前はもちろん、結果についても十分な説明があり、いつでも相談できる体制が整った病院で受けましょう。通院中の病院でそうしたカウンセリングなどが受けられない場合は、紹介してもらいましょう。

Q この検査を受けると、先天性異常が全部わかるのですか?

現在の技術では、非常に細部の小さな染色体異常以外は、ほぼ正確に診断できます。しかし、わかるのは、あくまで染色体の異常だけです。先天性異常には、ほかにも臓器の奇形や代謝異常など、いろいろあります。羊水検査で染色体に異常がなかったからといって、胎児に障害がないとはいえません。

Q 母体血清マーカー、トリプルマーカー、クワトロテストとの違いは?

母体の血液をとって胎児の染色体異常を調べるのが「母体血清マーカー」です。血液中の3種類の物質を検査して結果を出すのが「トリプルマーカー」、さらに精度を上げるために4種類の物質を検査するのが「クワトロテスト」。というわけで、名前は違いますが、ほぼ同じ意味あいの検査です。

「21トリソミー(ダウン症)」「18トリソミー」「神経管閉鎖障害」について、胎児がこの病気を持っている確率を調べます。この検査は、母体の血液で調べるので、羊水をとる検査と違い、流産などの重いリスクはありません。その分、気軽にできますが、結果が「1/170」「1/300」などの「確率」で出てくるので、実際おなかにいる胎児が本当に染色体異常なのかどうか、わかりません。

この検査で高い確率が出たら羊水検査を受けるという、ふるい分けのスクリーニング検査として行う場合もありますが、どんな数字が出ても心配になるので、この検査の意義自体が問われています。現在、これらの検査は厚生労働省の方針もあり、本人が希望するときに十分に説明したうえで行うこととなっています。

Q 35歳の妊婦ですが、羊水検査を受けるかどうか聞かれました。なぜですか?

妊娠年齢が高くなると、染色体異常が起こりやすくなるからです。たとえば、ダウン症は、年齢が高くなればなるほど、発生率が上昇します。25歳では約1000人に1人ですが、30歳で700人に1人、35歳で300人に1人、40歳で80人に1人。このため、35歳以上の妊婦には、羊水検査を受けるかどうか聞く病院が増えています。

しかし、この検査には流産のリスクがありますし、結果しだいでは中絶も視野に入れた決断を迫られます。検査を受けたこと自体を後悔する人もいるので、どういう検査なのかしっかりと聞き、よく考えて受けるかどうかを決めましょう。この検査はあくまでも「本人の意思」で受けるものなのです。病院のカウンセラーに相談するのもいいでしょう。

おわりに

最近は、母体の血液検査による「新型出生前診断(NIPT)」が広がってきた影響で、羊水検査の実施件数は減っています。日本では、「NIPT」は、日本産科婦人科学会が認定した施設で行うとして、わかるのは、21・18・13トリソミーの3種類の疾患のみとなっています。しかし、無認可の施設が検査を行っている場合もあり、患者に対して必要な情報提供やカウンセリングがされていないケースも。

また、海外を見れば、NIPTで10数種類以上の染色体の疾患を検査できる国もあります。国によっても、出生前診断の考え方や結果への対処が異なります。グローバル化のなか、こうした情報に触れる機会もあるでしょう。

しかし、出生前診断は、検査結果によっては心身への影響が大きいこともあります。NIPTにしても羊水検査にしても、夫婦でよく話し合い、検査のメリットとリスクをしっかり説明してくれる医療機関にかかり、カウンセリングを受けた上で検査するかどうか決めることが大切です。

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