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トキソプラズマ検査について【妊娠中の検査シリーズ】

2010.06.02

トキソプラズマ検査を理解するためのキーワードは、「妊娠中の初感染」。日本では少ないとはいえ、妊娠中に初めてこのトキソプラズマに感染すると、胎児にも感染することがあるのです。妊婦全員が必ず受ける検査ではありませんが、一時期少なかった胎児への感染が、近頃増えているというデータもあります。きちんとした知識がないばかりに、愛猫を手放すべき? 生のお肉を食べたけれど大丈夫? と不安を募らせてばかりでは、せっかくの妊娠生活を楽しめません。しっかり勉強しましょう。

トキソプラズマ検査

血液検査でトキソプラズマ抗体の有無を調べる。抗体(免疫)があれば陽性=トキソプラズマに感染しているということ。ただし、妊娠前に感染したのであれば、心配ない。母子感染が心配なのは、「妊娠中の初感染」。陽性と出たら、さらに詳しい検査を行い、最近の感染=妊娠後の感染か、古い感染=妊娠前の感染かを調べる。

検査時期 妊娠初期(4~12週)
検査方法 血液検査
検査内容 トキソテスト(IHA、LAなど)で、トキソプラズマ抗体の有無を調べる
検査結果 基準値:陰性(-)
陽性の場合、妊娠後の初感染かどうかを確かめるために、詳しい検査を行う。
母子健康手帳への
記入例
トキソプラズマ抗体検査:陰性
  • トキソプラズマ抗体検査は妊婦全員が受ける検査ではないが、検査を勧める病院が多い。
  • 妊婦が希望すれば、どの病院でも受けられる。

もっと知りたい
トキソプラズマ検査!
Q&A

トキソプラズマって、何ですか?

正式名は「トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)」といい、多くの動物や鳥が持っている寄生虫の一種です。動物(特に猫)の体内や排泄物、土の中などにいることがあり、人にも感染します。日本の場合、妊婦健診の検査で陽性に出る人は10%程度。約90%の人は陰性です。欧米での陽性率は高く、とくにフランスの場合は約80%。生肉や生ハム、サラミなどのお肉をよく食べるなどの食生活が関係しているといわれています。

トキソプラズマに感染しても、大人であれば、ほとんどの人は免疫が働いてほとんど症状は出ません。出ても、リンパ腺が腫れる、熱が出るなど、風邪に似た軽い症状です。ただし、胎児は違います。確率が低いとはいえ、「妊娠中に初めてトキソプラズマに感染し」、母体から胎児に感染すると、運動発達や精神発達の遅れ、視力障害が起こるなどの先天性トキソプラズマ症を発症する心配があります。

妊娠中に初感染した場合、赤ちゃんへの感染率は高いのですか?

妊娠中にトキソプラズマに初感染したとしても、必ず胎児に感染するとは限りません。また胎児に感染しても、先天性トキソプラズマ症を発症するとは限りません。胎児への感染率と先天性トキソプラズマ症の症状は、初感染した時期によって違います。妊娠14週以前の妊娠初期では、胎児への感染率は10%以下と低いのですが、症状は重くなりがちです。妊娠中期・後期になると、妊娠15~30週で約20%、妊娠31週以降で約60~70%とだんだん感染率は高くなりますが、不顕性感染(症状が出ない)や軽症ですむことが多くなります。

先天性トキソプラズマ症の赤ちゃんは、どのぐらいいるんですか?

最近のデータでは、日本の場合、約0.05%です。100万人の赤ちゃんが誕生したとすると500人の赤ちゃんが先天性トキソプラズマ症です。そのうち、症状を伴う赤ちゃんは約10%、50人です。ただし、早期発見と治療によって、重症になるケースを減らすことができます。

陽性なら、「抗体がある」ということなのに、安心できないのですね?

妊娠する前に感染して「陽性」になったのなら、胎児に感染する心配はありません。ところが、最初の検査では、「陽性」と出ても、それが妊娠前の感染なのか、妊娠してからの初感染なのか、感染時期まではわからないのです。ですから、陽性だから安心というわけにいかず、さらに詳しい検査が必要になります。

陽性と出たとき、感染時期が「妊娠前」か「妊娠後」か、どうやって調べるのですか?

トキソプラズマ特有のIgM抗体とIgG抗体の値を調べます。IgM抗体が陰性なら妊娠前の感染なので、ここで終了です。心配しなくてよくなります。ここでも「陽性」だと妊娠後の感染も考えられます。ところが、なかには妊娠前に感染したのに、長い間、IgMの値が高いままの人がいるのです。そこで必要に応じて、IgGアビディティという検査を行います。この検査を行えば、最近の感染かどうかがはっきりわかります。IgMが陽性だとしても、IgGアビディティを調べると、74%の人は過去の感染だったというデータがあります。IgGアビディティの検査は、どこの医療機関でも受けられる検査ではないので、専門病院を紹介してもらうといいでしょう。

トキソプラズマ抗体検査の流れ(モデルケース)

最初の検査で、「陰性」と出たら、どうしたらいいのですか?

検査した時点で感染していないので、もしかしたら今後、妊娠中に感染する可能性がある、ということです。母子感染の心配があるのは、「妊娠中の初感染」なので、感染しないように気をつける必要があります。トキソプラズマ検査の場合、陽性でも陰性でも、どちらもちょっと心配、というのがやっかいなのです。

トキソプラズマに感染しやすいのはどんなときですか?

主な感染ルートは、食事やペット(ネコ)の世話、土いじり(野良ネコの糞)などです。食事では、生肉(牛刺し、レバー刺し、鳥刺しなど)や半生の肉類(レアステーキなど)、生ハム、サラミなどからうつることがあります。ネコは、野良ネコや外を自由に徘徊させている飼いネコから感染することがあります。トキソプラズマは土の中にもいるので、素手で土いじりしたあとなどに、口の中から体内に入り込むことがあります。でも、生肉やネコのフンや土の中に、トキソプラズマが必ずいるというわけではありません。

妊娠中の初感染を防ぐ、5か条

  1. 肉料理は十分に加熱して食べる。
  2. 果物や野菜は調理前に十分に洗う。
  3. 生の肉や生野菜などに触れたあとは、手をよく洗う。
  4. ガーデニングや畑仕事はマスク、手袋を使い、終わったあとは手をよく洗う。
  5. ネコの排泄物処理は手袋を使い、終わったあとは手をよく洗う。

妊娠後の初感染とわかったときに、母子感染を防ぐ方法はあるのですか?

アセチルスピラマイシンという薬をママが飲みます。この薬で胎児への感染を完全に防ぐことはできませんが、もし、胎児に先天性トキソプラズマ症が起こった場合、重症化を防ぐことができます。アセチルスピラマイシンは胎児への危険性は特にはありません。

赤ちゃんに感染しているかどうか、調べる方法はありますか?

妊娠中に胎児への感染を調べる方法としては、羊水検査があります(PCR法)。ただし、検査の精度は64%、つまり胎内感染した胎児が100人いた場合、羊水検査で陽性に出るのは64人だけです。羊水検査には流産のリスクもあります。医師やカウンセラー、家族ともよく相談して、判断してください。ママに初感染の可能性がある場合、誕生後に赤ちゃんの血液を調べます。IgM抗体が陽性の場合は、先天性トキソプラズマ症が疑われます。さらに、ママから赤ちゃんへの移行抗体が無くなる満1歳になったときの血液検査でIgG抗体が陽性なら、赤ちゃんが作った抗体といえるので、先天性トキソプラズマ症と診断されます。

陰性と言われたのですが、飼ってるネコをどうしたらいいでしょう?

外に出したことがない家ネコなら、まず心配ありません。念のため、動物病院でトキソプラズマに感染しているかどうか、調べてもらうといいでしょう。また、トキソプラズマ原虫は、フンを排出してから2~3日後に感染力を持つといわれていますから、ネコトイレは毎日、清潔に保ちましょう。掃除はゴムやビニールの手袋をして、終わったらしっかり手を洗います。できれば家族にしてもらいましょう。また、ネコとキスするなどの濃厚な接触は避けましょう。

「陰性」なのに、うっかりレアステーキを食べてしまいました。感染が心配です。

生肉や半生の肉を食べても、その肉にトキソプラズマが含まれていなければ感染の心配はありません! でも、トキソプラズマがいたかどうか確かめる方法はありません。このような不安を抱えないためにも、妊娠中に生肉や半生の肉類を食べるのは控えましょう。確率から言えば、1回生肉を食べて感染する可能性はとても低いものです。しかし、絶対に感染してないとはいえません。どうしても心配なら、医師に相談しましょう。もう1度、再検査することはできます。抗体ができるまでには約2週間かかるので、食べてから2~3週間後に検査を受けます。

監修/久保隆彦先生(独立行政法人国立成育医療研究センター 周産期診療部産科医長)

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