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妊婦の内診・腟鏡診のすべてがわかる!Dr.徹底解説

2017.05.03

妊娠すると、だれもが体験する内診。内診台に上がって受ける検査はすべて内診、かと思いきや、医療現場では、通常は腟内に指を入れ、腟内とお腹から触診することをいいます。このとき、クスコと呼ばれる器具を使う「腟鏡診」も行われることが多いので、今回はその2つをお勉強! 目的、検査方法、さらに内診のギモン、不安も、久保隆彦ドクターにぶつけて、内診を徹底解明! 内診の全貌が明らかになる! 内診のホントがわかります!

監修者プロフィール

久保隆彦
シロタ産婦人科名誉院長

岡山大学医学部卒業後、聖隷浜松病院NICU、高知医科大学助教授、国立大蔵病院産科医長、国立成育医療センター産科医長を経て、2015年より、シロタ産婦人科名誉院長。専門は周産期医学、胎児・新生児学、周産期ME、周産期感染症、妊産褥婦のメンタルヘルス。妊婦と胎児の安全のために日夜取り組む。本音で話せる熱血医師。

内診・腟鏡診検査とは、
どんな検査?

内診は、「腟内の触診」のこと。目的は妊娠週数によって異なりますが、初診時は子宮の大きさや硬さ・異所性妊娠(子宮外妊娠)などの否定・子宮筋腫あるいは卵巣のう腫の有無・感染症の有無を調べる。妊娠中期・後期は流産早産リスクを見つけるのが主な目的。

病院や医師によって、内診を積極的に「する」「しない」が分かれる。しかし、出産予定日が近くなって行う、内診によるビショップ・スコア(子宮頸管熟化スコア)は、出産準備状態の判定に有用という意見は根強い。

これが内診の基本!

内診は、妊娠中のいつ行なわれるのか、その目的は何か、結果は知らされる? など、おおまかな基本を知っておきましょう。

内診を行なう時期は?

初診時、妊娠20週前後、24週頃、30週頃、37週以降など。毎回内診する病院もあるし、出産予定日近くまでは内診を実施しない病院もある。

内診の方法は?

内診は指による腟からとお腹からの触診。腟鏡診は、腟鏡(クスコ)という器具を使って視診する。

内診の目的は?

妊娠週数によって検査目的はいろいろ。初診時は主に子宮の大きさや硬さ、子宮筋腫の有無など。妊娠中期・後期は分泌物の性状、子宮頸管の柔らかさや開大の有無の状態、胎児の下降度など。

内診の結果は?

内診だけの検査結果というのはとくになく、内診によって病気や異常が疑われるときは、腟鏡や超音波検査などを併用して、診断する。

母子健康手帳への記載は?

異常が無ければ記載されない。

もっと知りたい!
内診Q&A

さらなる内診のギモン、不安を、産婦人科医、久保隆彦先生にぶつけました! これで内診の全貌が明らかに! 内診のホントがわかります!

Q1 妊婦健診で、内診台にあがるのはどんなときですか?

内診を受けるときはもちろん内診台にあがりますが、そのほかに、腟鏡診、経腟超音波検査、子宮頸がん検査、クラミジア検査なども、内診台で受けます。

たとえば、耳の中が痛いとき、医師は耳の中に光を当てて観察します。のどが痛いときは、口を開けてのどが赤くなっていないかを観察します。同じように、腟や子宮、卵巣などの女性内性器を調べるときは、腟を検査の入り口にする、つまり、腟口から検査器具を挿入する検査が多くなります。

妊婦健診で内診台にあがることが多いワケ、これで納得できると思います。

Q2 内診は、どんな検査なのですか?

腟内に指を挿入して触診(触って調べること)する検査です。内診では、腟につながる子宮腟部まで触診することができます。妊婦健診での内診は、子宮口の開大あるいは硬さを診察します。

通常は、片方を手の指1本あるいは2本を挿入し、もう片方の手を下腹部に当てて、両方の手指で子宮をはさむようにして触診します。これを双手診(そうしゅしん)といいます。合わせて腟鏡を使い(腟鏡診/ちつきょうしん)、腟内を視診(目で見て観察すること)することがあります。

Q3 腟鏡診について、詳しく教えてください

腟鏡(クスコ)という器具を挿入して、腟内を広げ、医師が目で直接、腟や子宮腟部を観察する検査です。腟の中は筒状になっていますが、腟の内壁はぺったりくっついているので、腟鏡で開かないと十分に観察することができないのです。腟鏡は2枚の「へら」が重なった形をしています。閉じたまま挿入したあと、へらを開くと腟壁が広がり、観察しやすくなります。腟鏡診では腟の奥、子宮腟部、さらに子宮腟部に続く子宮頸管の入り口(外子宮口)を観察できます。

Q4 内診のときは、必ず腟鏡診もするのですか?

内診だけのときと、内診と腟鏡診を組み合わせる場合とがあります。たとえば腟分泌物(おりもの)が多いようなとき、内診は触診なので、指の感触でおりものの量や性状(粘り気が多いかどうかなど)を判断します。腟鏡診では、目で見ておりものの色や量、性状などを観察できます。

流産早産の兆候(外子宮口が開いてきていないか)なども観察することができます。このため、検査時期に応じて内診と腟鏡診を一緒に行います。そのほか、クラミジア検査で子宮頸管内をこすり取るときや、子宮頸がん検査で細胞を採取するときなども腟鏡を使います。

Q5 内診をする時期とその目的を詳しく教えてください

初診時には内診をすることが多いのですが、それ以後は、妊娠20週前後までは多くの場合、内診を控えます。内診による刺激や感染を避けるためです。以下は内診の検査時期と主な目的です。

初診時の内診

おなかの外診と内診を合わせて行い、子宮の大きさや形、硬さなどを診ます。内診で子宮筋腫や卵巣の腫れなどが疑われる場合には、超音波検査と合わせて判断します。また、多くの病院では内診と合わせて子宮頸がん検査を行います。

妊娠20週前後の内診

内診・腟鏡診で子宮頸管の状態を観察することがあります。子宮頸管(外子宮口から内子宮口まで)が短くなっていると流早産の心配もあります。経腟超音波検査と合わせて判断します。

妊娠24週頃の内診

内診・腟鏡診で子宮頸管の状態を観察して、早産の心配がないかを調べることがあります。経腟超音波検査と合わせて判断します。

妊娠30週頃の内診

内診・腟鏡診でクラミジア検査を行うことがあります。

妊娠37週頃の内診

外診と内診で骨盤位かどうか、胎児の頭がどのぐらい下がってきているかなどを調べます。また、内診・腟鏡診で子宮頸管の状態を観察して、出産準備状態になっているかどうかを調べます。

妊娠41週以降の内診

出産予定日が過ぎると、分娩誘発が必要なことがあります。分娩誘発は出産準備が整ってから行うのが理想的です。このため、内診・腟鏡診で子宮頸管の熟化度(下記のビショップ・スコアを参照のこと)を調べます。

Q6 内診をする病院と、ほとんどしない病院があるのはどうしてですか?

内診による刺激で流早産を起こすことがある、と考えている医師は、極力内診は避けます。一方、内科医が必ず聴診器を胸に当てて肺の状態を診るように、内診は妊婦健診の基本と考える医師もいます。産科学を学んだ施設の指導方針がどうだったか、にもよるようです。

Q7 内診のメリットとデメリットを教えてください。

デメリットとしては、内診時の不快感でしょう。ほかは特に大きな問題はありません。

メリットはいろいろあります。とくに「痛み」の診断に有用です。腹痛がある場合、どこが痛いのかを知る必要があります。この場合には、内診をしながら、おなかの表面に手を当てて少し力を入れて押します。内診している指の位置を移動しながら、おなか全体をまんべんなく押すことでどこが痛いかがよくわかります。

痛みは超音波の画像には映らないので、内診が有用です。ただし、痛む箇所が判明したあとは、超音波検査やその他の検査で子宮や卵巣にトラブルがないかを精査して、原因を診断します。

内診が力を発揮するのは妊娠後半期です。子宮頸管の状態を診ることで、早産傾向がないかを判断できるからです。また、出産が始まってからは進行の状態を知る上で有用です。

Q8 内診で出産準備状態がわかるのは、どうしてですか?

出産が近づくと、子宮頸管の子宮の入り口(胎児にとっては子宮からの出口)が少しずつ開いてきます(子宮頸管の開大)。それに伴い、子宮頸管の長さは徐々に短くなります(展退)。また、硬かった子宮頸管もやわらかくなってきます(子宮頸管の硬度)。胎児は頭を下にして徐々に下降してきます(児頭下降度)。子宮口の位置も変化してきます。以上の5つの条件を点数化したものを、「ビショップ・スコア(子宮頸管熟化度のスコア)」といって、出産準備状態が整ったかどうかを判断します。

ビショップ・スコアのうち、子宮頸管の長さ(展退)は超音波検査で測ることができますが、子宮頸管のやわらかさや児頭下降度、とくにどこを先頭にして下がってきているかは、内診による触診でしかわかりません。このため、出産予定日近くに、内診することはとても有用という意見が強いのです。ビショップ・スコアは出産の予測のほか、分娩開始後は進行を判断する指標となります。

ビショップ・スコア(子宮頸管熟化度)

因 子 点 数
0 1 2 3
子宮頸管の
開大度
(cm)
展退度
(%)
児頭の位置
(SP)
子宮頸部の硬度  
子宮口の位置  

以上の5項目を評価し、合計点が9点以上なら、子宮頸管の熟化は高く、出産準備状態は整っていると判断する。

Q9 妊娠41週以降に内診をするのは、どうしてですか?

分娩予定日(妊娠40週0日)が正確なことが大前提ですが、分娩予定日を過ぎてもお産が始まらないとき、とくに妊娠42週0日以降になると、胎盤機能が老化して胎児の元気がなくなる心配があります。このため、正期産に入ると、NST(ノンストレステスト)という検査で、胎児心拍数(胎児の心臓の拍動)パターンを調べて、胎児が元気かどうかを確かめます。必要であれば、陣痛を起こす分娩誘発を行って、赤ちゃんを早く娩出させます。分娩誘発を行うかどうかを判断する場合、内診によるビショップ・スコア(子宮頸管熟化度)が参考になります。

参考:
『病気がみえる 産科』

取材協力/シロタ産婦人科

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