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C型肝炎検査について【妊娠中の検査シリーズ】

2009.09.02

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前回、B型肝炎の検査を取り上げましたが、肝炎には、ほかにもA型、C型、D型、E型、G型、TT型……などさまざまな種類があります。感染経路や感染力の強さ、肝炎の症状などは、型によって違います。その中で、特に母子感染などの心配から、妊娠中の検査が勧められているのが、B型とC型。今回は、20年ほど前にようやくウイルスの正体が明らかになったC型肝炎の検査について。赤ちゃんとママの健康管理のため、必ず受けたい検査です。

C型肝炎検査

血液検査でC型肝炎ウイルス(HCV)の抗体を持っているかどうかを検査して、C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる。

検査時期 妊娠初期(4~12週)
検査方法 血液検査
検査内容 HCV抗体の有無を調べる
検査結果 基準値:陰性
※陽性の場合は、HCV-RNA定量検査や肝機能検査
母子健康手帳への
記載例
実施日を記載。個人情報の保護の観点から結果は記載されない。
  • 母子健康手帳にはC型肝炎ウイルスの検査は「HCV抗体」、B型肝炎ウイルスの検査は「HBV抗原」とスタンプが押されていることが多い。
  • 検査結果は主治医から直接手渡されることが多いが、検査法や検査機関によって数値が違うので、具体的な数字ではなく、(-)または(+)に注目すること。

もっと知りたい
C型肝炎検査!Q&A

C型肝炎ってどんな病気?

C型肝炎ウイルス(HCV)の感染が原因で、C型肝炎が起こる病気です。ただ、感染した人のうち約30%は治ってウイルスは体内に残りません。治ったあとは体調を心配する必要や、母子感染を含めてほかの人に移す不安はほとんどありません。こういう人を「感染既往者」といいます。しかし、約70%は「C型肝炎ウイルス持続感染者(HCVキャリア)」といって、ウイルスが体内に潜んだままずっと感染状態になってしまいます。キャリアの場合、適切な治療をしないと、軽い肝機能低下が長く続く慢性肝炎を発症します。さらに慢性肝炎から肝硬変や肝臓がんに移行する心配があります。C型肝炎はウイルス感染を早期発見して、早めに治療を始めることが大切です。

妊婦健診でC型肝炎の検査をする目的は?

C型肝炎ウイルスを持つ人(HCVキャリア)を早期発見し、母子感染をできるだけ防ぐのが目的です。C型肝炎ウイルスに感染した場合、発熱、全身倦怠感、黄疸などの急性肝炎の症状が出ることは少なく、大部分は症状が軽く、なかには無症状のこともあります。このため、感染に気がついていない人も多く、キャリアと知らずに妊娠する人もいます。C型肝炎はウイルス性肝炎のなかで慢性肝炎を経て肝硬変、肝臓がんへ移行する率が最も高い肝炎です。もしキャリアなら、ママ自身の健康管理を早めに適切に始めなければいけません。ママがキャリアの場合、約10~20%とはいえ、出産時に赤ちゃんに感染する可能性があります。赤ちゃんへの感染は可能な限り防ぎたいものです。妊娠中のC型肝炎検査は、大変重要な検査です。必ず受けるようにしましょう。

抗体が陽性の場合、どんな検査を受けるの?

体内にC型肝炎ウイルスがどのくらいいるのか調べる検査(HCV-RNA定量検査)と肝機能検査を行います。最初に行う抗体検査では、過去に感染したけれどすでにウイルスは持っていない人(感染既往者)と、今もウイルスが体内に残っているキャリアの人も、どちらも陽性に出るので、区別するためです。この検査で陰性と出た場合は感染既往者で母子感染の心配はありません。陽性の場合はキャリアなので、母子感染のリスクがあります。肝機能の検査の結果を見て、肝炎に詳しい内科医への受診を勧められます。

妊婦健診で抗体が陽性に出る率はどのぐらい?

一般の妊婦健診で抗体が陽性に出る率は0.3~0.8%です。抗体が陽性に出た人がさらに詳しい検査(HCV-RNA定量検査)を受けると、70%が陽性、つまりC型肝炎ウイルスのキャリアという結果になっています。

母子感染が起こる率はどのぐらい?

日本の統計では、母子感染率は約10~20%です。アメリカ国立衛生研究所(NIT)の報告ではさらに低く、約4~7%となっています。

C型肝炎ウイルスに感染しやすいのはどんなとき?

C型肝炎ウイルスを持つ人(HCVキャリア)の血液を介して感染します。感染の原因の多くはキャリアの母親から赤ちゃんに感染する母子感染です。血液に触れる機会の多い医療従事者の場合は、針刺し事故などが感染の原因になることがあります。また、キャリアの血液がついた器具を十分に消毒しないでピアスの穴をあけた、というときなど感染の心配があります。性交渉で感染することは稀ですが、ゼロではありません。なお、以前は輸血や血液製剤で感染することがありましたが、現在は輸血用血液・血液製剤ともにC型肝炎ウイルスの検査をしているので、感染の心配はほとんどありません。

C型肝炎ウイルスの感染力は強いの?

C型肝炎ウイルスの感染力は強くはありません。感染経路は血液を介してで、唾液や汗などで感染することはありません。母子感染率は約10~20%と低く、性交渉で感染することも稀です。一方、B型肝炎ウイルスは、感染力が強く、血液や性交渉で感染するほか、唾液や汗などで感染することもあります。B型肝炎ウイルスの抗原が陽性(キャリア)のママから生まれた赤ちゃんの場合、ワクチンで予防しないと母子感染率は80~90%と非常に高率です。

ワクチンなどで母子感染を防ぐことはできるの?

現在は残念ながらC型の場合、ワクチンなどで予防することはできません。

お産は帝王切開のほうがいいの?

出産時に母体から赤ちゃんへ血液が移行することが、母子感染の原因なので、出産時の感染をできるだけ防ぎます。母子感染を起こすかどうかは出産時のC型肝炎ウイルス(HCV)量が最も重要となります。ウイルス量が多いと母子感染を起こす確率は高くなります。また、少ないとほとんどおこしません。経腟分娩より帝王切開のほうが明らかに母子感染は少ないとわかっています。また、陣痛開始後の緊急帝王切開や破水後の帝王切開より、予定帝王切開のほうが感染率は低くなります。陣痛開始前の予定帝王切開では、赤ちゃんは母体の産道を通りませんが、緊急帝王切開や破水後の帝王切開ではある程度、産道を通過します。この間に胎児が産道で血液を含む分泌物を吸い込むため、感染率が高くなるのではないかと考えられます。したがって、ウイルス量が多い場合には帝王切開を選択したほうが良いのですが、少ないと帝王切開選択のメリットはほとんどありません。
母子感染率が10~20%と低いこと、もし感染しても約30%の赤ちゃんは3歳ごろまでに自然に陰性になること、3歳以降も陽性であってもインターフェロン療法で半数はC型肝炎ウイルスがなくなること、これらのことをよく考え合わせ、分娩様式による母子感染率の確率などを説明してもらい、主治医と十分に話し合い、予定帝王切開にするかどうかを判断するといいでしょう。

赤ちゃんに感染したかどうかはいつわかるの?

妊娠中は、母体のC型肝炎の抗体(HCV抗体)が胎盤を通して胎児に移行します。この抗体は生後12ヶ月ぐらいまで赤ちゃんの体内に残るので、乳児期に抗体検査をしても感染しているかどうかはわかりません。どうしても早く知りたい時は生後2~3ヶ月頃に調べることもできますが、母子感染率が高くないこと、もし感染していても3歳ごろまでに陰性になることがある、ということなどを考えると、焦らずに待ってもいいでしょう。

赤ちゃんが感染していたら治療はいつ始めるの?

感染した場合も約30%は3歳ごろまでに自然に陰性になるので、原則として3歳までは治療を始めません。3歳以降も陽性ならインターフェロン療法を開始します。インターフェロンは免疫系・炎症の調節などに作用する薬で、高熱などの副作用も強く使用には十分な注意が必要です。インターフェロン療法を受けると、半数の子どもはC型肝炎ウイルスがなくなるといわれています。ママがキャリアの場合、赤ちゃん誕生後はきちんと検査を受け、3歳以降は必要ならインターフェロン療法も考えましょう。なお、ママ・赤ちゃんともにインターフェロン療法には医療費助成を受けることができます。

感染しているママは母乳を飲ませていいの?

母乳は飲ませても大丈夫! 感染とは関係ありません。ただ、乳首に傷ができて出血している時は治るまで授乳を控えましょう。

感染しているママが、育児や生活上で注意することは?

赤ちゃんとの接触は母乳を含めてほとんど制約はありませんが、ママの血液が触れないように注意を。唾液では感染しません。ただし、歯ブラシなど血液がつくものを家族と共用しないように。お産入院中は悪露の始末や血液のついたインナーなどの扱いに注意しましょう。 性交渉ではほとんど感染しませんが、パパは検査を受けたほうがいいでしょう。産後のセックス再開後は月経中と月経直後のセックスを控えます。
また、ママは内科を受診し、定期的に肝機能を調べてもらいましょう。産婦人科の主治医が肝炎に詳しい医師を紹介してくれますが、もしそれが無理なら、日本肝臓学会では肝臓専門医に関する情報をホームページに公開しているので参考にするのもいいでしょう。

監修/久保隆彦先生(国立成育医療センター 周産期診療部産科医長)
取材協力/国立成育医療センター(世田谷区)

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