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内診はイヤ! だけど、ワケを知ればナットク!

2020.06.22

妊娠すると、それまでは経験したことがない人も、内診が必要になります。とてもデリケートでプライベートな部分を見られるのですから、抵抗があるのも当然。でも、これによって、病気の早期発見、早産や流産などの傾向をいち早く診断して、対処することができるのです。その必要性と重要性を知れば、イヤ!と思う気持ちも半減。すると緊張も解けてリラックス。苦痛も半減。これを読めば、今日から内診は怖くなくなる!?

監修者プロフィール

小川博康

日本医科大学卒。同大学産婦人科学教室、私学共済下谷病院、恩賜財団母子愛育会愛育病院、横浜赤十字病院副部長などを経て、現職。子宮内胎児交換輸血、一絨毛膜双胎一児死亡例の選択的胎内手術など、世界で一例しか成功していない症例の主治医。優しくも、ときに厳しく本音で語るドクターとして信頼は厚い。主な著書に、『安産をめざすママ&パパへ 妊娠・出産カレンダー』『「安全神話」の過信が招く妊娠・出産の“落とし穴”』(ともに幻冬舎)。監修の『増補改訂版 てるてる天使の妊娠出産百科ハッピーマタニティ』(学研プラス)は、大人気のロングセラー。

小川クリニック

内診には、
いろいろな種類がある

内診台に上がってする診察が一般的に内診と呼ばれます。ドクターは、妊婦の腟や子宮頸管を直接目で見たり、触ったり、器具を入れて観察します。経腟プローブという器具を腟に挿入して、子宮や子宮の中の赤ちゃんを観察できる経腟超音波検査も内診ですが、ここでは主にドクターの目や手による「視診」と「触診」を中心にお話していきましょう。

ドクターの目や手による
視診と触診

双合診(双手診)(そうごうしん/そうしゅしん)

ドクターは片手の2本の指を挿入します。もう片方の手はおなかの上から当てて、子宮を両方の手ではさむようにして触診します。これが『双合診』または『双手診』と呼ばれる方法です。子宮の変型や硬さ、卵巣の腫れなどがわかります。

視診・触診(ししん・しょくしん)

腟の粘膜を直接見たり、触れたりすることで、おりものの状態や腟の炎症があるかどうかがわかります。おなかに触ることで子宮や卵巣の腫れなどもわかります。

腟鏡診

腟の中に写真のような器具、腟鏡(クスコ)を挿入して、腟や子宮頸管を観察します。
ドクターは、これらの内診のほか、経腟超音波検査や他の検査をして、総合的に診断していきます。

内診で、
ドクターはココを見ている

子宮や卵巣の様子

子宮や卵巣の大きさや形が正常かどうかを診ます。子宮がんなどが発見されることもあります。また、妊娠初期に子宮筋腫が見つかることがあります。その場合は、筋腫の位置がどこにあるか、また大きくなっていないかなど、観察します。

腟や粘膜の状態・おりものの様子

腟の粘膜が炎症を起こしていないか、出血していないか、悪い菌が繁殖していないか、などを観察します。必要な場合は、分泌物をとって検査します。

子宮頸管の様子

子宮頸管は、妊娠中は赤ちゃんを子宮に納めておく栓の役目をしますが、出産時には赤ちゃんが通る出口となります。子宮頸管の長さを計ったり、硬さを調べたりすることで、早産や流産の徴候をいち早く知ることができます。

また、お産が近づいてきた段階では、頸管がどの程度、熟化・軟化しているかで、赤ちゃんが出てくる準備がどのくらい進んでいるのか、順調かどうか、またお産がいつごろ始まってきそうかがわかります。ドクターのテクニックが問われるところでもあります。

内診時に行われる、
さまざまな検査

内診の際に、腟分泌物や子宮頸管粘液や細胞を採取して検査します。子宮がんの検査、クラミジアの検査、B群溶連菌などに感染していないか、などを調べます。

細菌培養の検査キッド。綿棒の長いようなものを使って、
腟内の分泌物などを採取し、ケース内の培養液に入れる。

子宮頸がん

子宮頸部の細胞を少しこすりとって、がんがあるかどうかを調べます。子宮頸がんは、ヒューマンパピローマウイルスが主な原因といわれ、セックスによっても感染します。セックスの経験があればだれにでも可能性がある病気なので、妊娠初期に検査して調べておきます。子宮頸ガンが見つかった場合は、がんの進行度によって、妊娠中のケアや分娩時の方針を考えていきます。

クラミジア

流産や早産の原因になったり、出産のときに胎児に感染したりすることもあるので、妊娠の早い段階で、感染していないかどうかを調べます。子宮頸管からの分泌物をとって検査します。クラミジアが発見されたら、内服薬で治療していきます。赤ちゃんが生まれたら、赤ちゃんに感染がないかどうか確認します。

B群溶連菌(ようれんきん/GBS)

腟の中の悪玉菌の1つであるGBSが増えていないかを検査します。腟の中は、善玉菌や悪玉菌などいろいろな菌が混在して、バランスを保っているのですが、そのバランスが乱れ、こうした悪玉菌が優位になると、細菌性腟症や絨毛羊膜炎になってしまうこともあります。GBSは、赤ちゃんの命にかかわる、特にイヤなバイ菌なので、妊娠の初期や必要に応じて、妊娠の中期、後期にも行います。

内診で怖い病気を
予防して、母子を守る

細菌性腟炎

B群溶連菌が優位になると細菌性腟症になりますが、これはカンジダ腟炎やトリコモナス腟炎などのように、「チーズ状や黄色い泡状のおりものが増える」「かゆい」などといった、はっきりとした症状が少ないのです。「おりものが多少増える」「下腹部が張る」などで症状を自覚することもありますが、多くは本人も気づかないうちに進行してしまいます。この菌が腟から子宮頸管、さらに子宮の中にまで入ると、絨毛羊膜炎を起こして、流産、早産、胎児感染、母体敗血症など、深刻な事態を招きかねません。

絨毛羊膜炎(じゅうもうようまくえん)

腟から上ってきた悪玉菌は、胎児を包んでいる卵膜に炎症を起こします。そうなると、お腹が張ってきたり、お産が始まる前に破水(前期破水)して、早産の原因に。また、胎児に感染してしまうと、赤ちゃんが肺炎や敗血症などを起こすこともあります。早い段階で細菌性腟炎を発見、治療しておけば、絨毛羊膜炎を防ぐことにもなり、さまざまなリスクを想定して、早めに対処することができます。

ドクター小川先生からの
メッセージ

内診がいかに大切な検査か、おわかりいただけましたか? ママ本人のために、そしてなにより赤ちゃんが無事に健康に生まれてくるために、内診は必要な検査なのです。

そうとわかれば、イヤな気持ちもなんのその。「ふーっ」と息を吐いて、リラックス。気持ちをラクにして、内診を受けてください。

取材協力:小川クリニック(神奈川県横浜市戸塚区)

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