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妊娠中の過ごし方

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妊娠中もペットと仲良く暮らす方法

2008.03.06

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毎日の生活をともにするペットは、もはや家族の一員。人によっては、スキンシップとしてキスをしたり、口移しでごはんをあげたりすることも。しかし、いくら大切な存在でも、妊娠中はこうした接触に注意する必要があります。場合によってはペットが媒介する病気が、おなかの赤ちゃんに感染してしまうことがあるのです!
今回は、大の愛犬家でもある小川クリニック院長・小川博康先生を訪ね、大切なペットとの暮らしを楽しみながら、赤ちゃんを感染症から守るにはどうすればいいのか伺ってきました!

監修

小川博康先生

3代、100年の伝統をもつ産婦人科・内科・小児科『小川クリニック』院長。ひとりひとりのニーズを大切にし、お産をメンタル面、栄養面などさまざまな角度からサポート。妊娠中のトラブルを防ぐことをモットーとし、母子の安全のため、厳しくも本音で語るドクター。『ハッピー★マタニティ』(学研)、『妊娠大百科』(ベネッセ・コーポレーション)など、監修・著書多数。愛犬のブリシェルくん(ダルメシアン・10歳)は、ジャパン・ケンネルクラブ・チャンピオン。インターナショナル・チャンピオン。2001・2002年のベスト・オブ・ザ・ベスト・オブ・ブリード。

http://www.ogawaclinic.com/

ペットから病気が
うつる!?

だるさを訴えて学校を休みがちで、怠けていると思われていた男子が、実は「Q熱」という、身近な動物からうつる病気だったことがわかり、話題になったことがあります。感染源は自宅でいっしょに暮らすネコでした。

「Q熱」はネコのほか、家畜や野鳥、野生動物、イヌ、ダニ類からも感染します。強い菌で乾燥状態でも生き続けるので、空中に舞った菌を吸ったりしても、うつることがあるのです。
「イヌにかまれて熱が出た」「ネコにひっかかれてリンパ節が腫れた」など、自分が経験したり、話に聞いたりしたこともあると思います。

これらは動物から人間にうつる「人畜感染症」と呼ばれる病気で、さまざまな症状を引き起こすことがあります。

しかし、動物自身は感染しても元気で飛び跳ねていたりして、病気に気づかないことも多いのです。

人間は、感染して発病すると狂犬病のように助からないものもありますが、症状も出ないでいつの間にか治っていたり、風邪をひいたかな?程度で終わるものが多い。

しかし、体力が落ちていたり、免疫が下がっていると、高熱が出たり、疲れやすくなったり、肺炎を起こしたり…といった重大な症状を引き起こすことがあるのです。

ペットからうつりやすい感染症

トキソプラズマ症

感染経路 ネコの古くなった糞、生の豚肉や羊肉、土いじりなどで、口から体内に入る。
症状 無症状。リンパ節が腫れる。流産、水頭症、網脈絡膜炎
予防&治療 ネコは部屋の中で飼う。糞はすぐに始末。ネコに感染源となるような生肉や小動物を食べさせない。肉は加熱して食べる。症状が出ていないときは治療の必要なし。妊娠中の初感染は抗生剤で症状を最小限にする。

Q熱

感染経路 空気中に浮遊した糞(おもにネコ)の中の菌を吸い込む。
症状 発熱や嘔吐など、インフルエンザのような症状が続く。不定愁訴、だるさ、気管支炎などが出ることも。
予防&治療 部屋の掃除をまめにする。ネコの糞は早めに始末する。抗生剤で治療。

ネコひっかき病

感染経路 ネコのノミに刺される。ネコにひっ掻かれる。
症状 発熱。皮膚の化膿。リンパ節が腫れる。
予防&治療 ネコにひっ掻かれた場合は、すぐに石鹸で洗い、流水で流す。ネコの爪切りをまめに。ノミの駆除。抗生剤の投与。

パスツネラ症

感染経路 イヌやネコにひっ掻かれたり、咬みつかれる。
症状 皮膚の化膿。リンパ節が腫れる。
予防&治療 イヌやネコの口腔内に潜む菌が原因なので、口移しで食べさせる、キスをすることは避ける。ペットと接触した後は、うがい、手洗いを。抗生剤の投与。

皮膚糸状菌症

感染経路 イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスターの患部に直接触る。
症状 頭、手や足、頭に赤い円形の発疹が出る。
予防&治療 ペットを清潔にし、脱毛が激しくかさぶたが出てきたときは、すぐに動物の治療を。人の場合は、塗り薬で治療。

サルモネラ症

感染経路 イヌ、ネコ、ミドリガメ、イグアナなどサルモネラ菌を持つ動物の糞に直接触れて、菌が人の口に入る。
症状 嘔吐、下痢、発熱などの食中毒症状。
予防&治療 糞に直接触れない。土や砂や水を触ったあとは、手洗いを。抗生剤の投与。

イヌネコ回虫症

感染経路 糞が混じった砂やペットの体毛に付着した卵を口から入れる。
症状 発熱、咳、肝腫脹、飛蚊症、視力低下。
予防&治療 土や砂を触ったあとは、手洗いを。ペットを清潔にする。口移しで食べさせない。抗生剤の投与。

オウム病

感染経路 セキセイインコから感染しやすい。鳥の口、羽、糞などにあるクラミジアを吸い込む。
症状 発熱、肺炎。
予防&治療 部屋の掃除をまめにする。羽、糞の始末。手洗いをよくする。口移しで食べさせない。抗生剤の投与。

妊娠中とくに要注意は、
トキソプラズマ症

妊娠中は、こうしたペットからうつる病気にも気をつけなければいけませんが、とくに注意すべきは、トキソプラズマ症です。赤ちゃんに障害が出ることがあるからです。感染動物はネコです。
日本人の成人の約25〜30%は、すでにトキソプラズマに感染しているといわれています。自分でも気づかないうちに感染している人も多いのです。一度感染してしまうと抗体ができるので、その後はトキソプラズマが侵入してきても攻撃してやっつけることができます。

心配なのは、妊娠中に初めて感染した場合。抗体ができるまでには時間がかかるので、その間におなかの赤ちゃんに感染してしまうことがあるのです。

胎児に感染すると先天性トキソプラズマ症になり、死産や流産の危険があります。視力障害や脳障害となって現れることもあります。生まれたときに異常がなくても、青年期になって視力障害を引き起こすことも。

とても怖い話になりましたが、妊娠中にトキソプラズマに初めて感染する人は、日本では約600人に1人、そのうち胎児にまで感染するのは30〜40%、さらにママが初感染しても赤ちゃんに障害が出るのは1000人に1人、といわれています。その確率はとても低い。しかし、いったん症状が出てしまうと重いことが多いので、注意が必要なのです。

トキソプラズマの検査は、産婦人科で受けましょう。妊娠初期の血液検査の項目に入っていることも多いので、チェックしてみてください。本当は、風疹と同様に妊娠前に検査しておくのがベストです。

妊娠後に初感染したことがわかった場合は、抗生剤を使い、トキソプラズマの影響を最小限にとどめるようにします。未感染だった場合は、ペットとの暮らし方をもう一度見直して、手洗いやうがい、食器の清潔、などの対策で感染を予防していきます。

仔ネコの糞に注意!

トキソプラズマにかかっているネコは、感染源であるトキソプラズマ原虫を糞の中に排出します。しかし、排泄したばかりのトキソプラズマ原虫は未成熟で、感染力はありません。危ないのは排泄して2〜3日後の糞。古い糞の中に、感染力を持つトキソプラズマがいるのです。しかし、この原虫を排泄するのは、ネコがトキソプラズマに感染してから1〜3週間の期間だけ。それも、おもに仔ネコであることがわかってきました。

こうした病気の正体がわかれば、感染予防の対策も見えてきますね。

ペットのトイレは毎日
掃除、手洗い励行、
キスはやめて

トキソプラズマ原虫に限らず、病原体は主にペットの糞と口の中にいます。

ですから、ペットのトイレはいつも清潔に。毎日必ず掃除しましょう。感染力を持つトキソプラズマは数日経った古い糞にあるのですから、その日のうちに処理してしまえばいいのです。

糞を始末するときは、素手でやらないこと。ビニールなどの上からつかんで処理します。

トイレ掃除をしたあとは、せっけんで手をよく洗い、流水でしっかり洗い流します。

部屋の掃除もこまめに。文頭で挙げた「Q熱」などは、空気中に浮遊した菌を吸い込むことでも起こりますから、不衛生な環境では感染リスクが高まります。

ペットとペロペロとなめあったり、口移しで食べ物を与えたり、自分の食器から直接食べさせたり、自分の箸でものを与えたり…。こうした過剰な接触もやめましょう。

ガーデニング、生肉にも
注意!

トキソプラズマは、意外なところにも潜んでいます。土の中です。ネコの糞などが干からびた状態で混じっているので、ガーデニングをしたあとはしっかり手を洗ってください。

また、ヒツジ肉やブタ肉などにも寄生していることがあります。トキソプラズマは冷凍したくらいでは死にませんから、じゅうぶん火を通して食べましょう。調理したまな板や包丁もよく洗い流します。もちろん、手もしっかり洗って。

手洗いの方法は、あらゆる感染症予防に共通です。腕まくりをして、石けんを使い、手首より上から洗います。指の1本1本、指と指の間、爪の先までしっかり。洗ったあとは流水でよく流します。時計やブレスレット、指輪などの間にも菌は潜んでいますから、はずして洗いましょう。

日本の古きよきしつけも
見直して

私が子どもだったころは、親によくこう言われたものです。

「外で歩きながらものを食べちゃいけない」

「うちに帰ってきたら、手を洗ってうがいをしなさい」

「おやつは手を洗ってからね」

「手づかみで食べないで、お箸を使いなさい」

昔は、外で立ち食いするなんて、とても行儀の悪いことでした。また長旅でもない限り、電車の中で物を食べることもしませんでした。大勢の人がいる空間には、さまざまな菌が浮遊しているでしょうし、いろいろ触わった手にも菌がついている可能性があります。うがいもせず、手も洗わずに食べれば、それらをいっしょに飲み込むことになります。

日本の昔のしつけは、そのまま感染症予防法なのです。ペットからうつる病気の予防法ともまったく同じで、言ってみれば当たり前のことばかり。

こうした日本の古きよきしつけも見直して、生まれた子どもにもぜひ、いい習慣をつけさせてあげてください。

「妊娠したからペットとの暮らしをやめる、あきらめる」では、本当の解決にはなりません。

アメリカの研究発表に、「複数の動物と暮らしている子どもはアレルギーが少ない」という興味深い報告もあります。

ペットの環境を清潔にし、ペットの健康にも気を配りながら、節度ある距離で付き合っていけば、妊娠中も産後もペットとの暮らしを楽しむことができます。どうぞ生まれてくる赤ちゃんとも、この豊かさを分かち合ってください。

取材協力/『小川クリニック』(神奈川県横浜市戸塚区)
監修/小川博康先生(小川クリニック)

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