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知っておきたい低出生体重児(≠未熟児!?)のこと

2018.05.11

カンタン60秒!タイプ別プレママ診断

待ちに待った赤ちゃんが、何らかの理由で小さく生まれることも、ときにはあるでしょう。小さく生まれるのは早産のせい? 低出生体重児って未熟児のことではないの? どんな心配事があるの? 低出生体重児と呼ばれる小さく生まれた赤ちゃんについて、賛育会病院の小児科医で新生児部長の醍醐政樹先生にお話をうかがいました。

監修者プロフィール

醍醐政樹医師
賛育会病院新生児部長

弘前大学医学部卒。順天堂大学医学部小児科、順天堂大学静岡病院、済生会川口病院勤務、国際医療福祉大学病院赤ちゃんセンター講師を経て、平成24年より現職。赤ちゃんとお母さんのことをいつも一番に考えていると、病院スタッフからも信望の厚い先生です。
賛育会

低出生体重児って?
未熟児とは違うの?

出生体重によって3つの呼称が

かつて、小さく産まれた赤ちゃんのことを未熟児と呼んでいた時代がありました。生きていくのに必要な体の機能が未熟であることが多いため、そのように呼ばれていたのですが、小さく産まれても、これらの機能が整っている赤ちゃんもいます。
「誤解を受けやすいので、今では医療現場において、未熟児の呼称は基本的に使用されていません」と話すのは、賛育会病院小児科管理医長の醍醐政樹先生。未熟という言葉がネガティブに捉えられることも多く、小さく産まれた赤ちゃんは、低出生体重児と呼ばれるようになりました。出生体重によって呼称が3つに区分されます。

  1. 2500g未満・・・低出生体重児
  2. 1500g未満・・・極低出生体重児
  3. 1000g未満・・・超低出生体重児

一般的に、早産で生まれると、低出生体重児となる率が高くなりますが、たとえ正期産であっても、何らかの理由による発育不全により、低出生体重児となるケースも珍しくありません。

先輩ママの低出生体重児に関する体験談を知りたい方はコチラ>>

低出生体重児は増えている?
その要因は?

不妊治療&医療の進歩が増加の要因に

近年、低出生体重児の出生率は増えています。その要因のひとつに、不妊治療によって双子や三つ子の出生率が高まったことがあげられます。双子や三つ子の場合、その多くは早産になりがちです。小さくても早く出産した方がよい場合もあるとのことで、帝王切開で計画分娩をすることが少なくないからです。また、医療の進歩で救える赤ちゃんが増えたことも、低出生体重児の出生率に大きく関わっています。
「胎児の様子を詳しく観察できるようになり、昔だと死産になってしまうような赤ちゃんを、早い段階で救えるようになりました。このことも、低出生体重児の出生率の増加に繋がっています」(醍醐先生)。また、高齢出産が増えたことでも様々なリスクが高まり、その影響で赤ちゃんが小さく生まれる傾向にあると言われています。

「政府統計 平成29年 我が国の人口動態」(厚生労働省)より

小さく生まれるとどんな点が心配?
病気や障害は?

NICUで治療と健康管理を

生まれるのが早ければ早いほど、体が小さければ小さいほど体の機能が未熟なため、生まれてからの医療的ケアが必要に。そのため、出生後はNICU※1にて治療を受けることとなります。一般的に、低出生体重児は、正出生体重児に比べて免疫力が弱く、重度の感染症や合併症を起こしやすくなります。合併症としてよく見られるのは、動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)、呼吸窮迫症候群(こきゅうきゅうはくしょうこうぐん)、慢性肺疾患(まんせいはいしっかん)、未熟児網膜症(みじゅくじもうまくしょう)、未熟児くる病貧血など。これらの多くは30週未満で生まれた赤ちゃんに起きやすい症状ですが、30週を過ぎてから生まれたとしても症状が現れることがあります。

  • ※1
    NICU(Neonatal Intensive Care Unit)とは新生児集中治療室のこと。低出 生体重児、早産児、何らかの疾患のある新生児を24時間体制で管理・治療します。

新生児医療・NICU(新生児集中治療室)について詳しく知りたい方はこちら>>

低出生体重児がかかりやすい病気

動脈管開存症 本来なら出生後閉じる大動脈と肺動脈をつなぐ血管が閉じずに残ってしまう病気。流れる血液量が多くなり、肺や心臓に負担がかかります。薬の投与や手術で治療します。
呼吸窮迫症候群 肺が未熟なために起こる呼吸不全。妊娠32〜33週目ぐらいできあがるはずの肺の機能が未成熟のまま生まれてしまうためで、呼吸を補助する治療が必要に。
慢性肺疾患 肺が未成熟なために、呼吸機能がうまく働かない病気。成熟過程の肺に様々な障害が加わることで長期間の酸素投与などを必要とする。人工呼吸器を使用するなどして治療します。
未熟児網膜症 視力にかかわる網膜の成長に影響が出る病気。軽度だと自然に治りますが、重症になると網膜剥離や視力障害も。
未熟児くる病 骨を形成するのに必要なミネラルやビタミンが十分でないため、骨がしっかりと発育しない病気。治療では主にビタミンD製剤を投与して、骨の成長を促します。
貧血 造血機能の未成熟なためなどで起きます。生まれてすぐに始まる早期貧血と、退院後、3ヶ月~1年ぐらいしてから起きる後期貧血があり、鉄剤の投与などで治療します。

徐々にハンデが減るのがほとんど

正期産&正出生体重で生まれた赤ちゃんに比べると、前出の病気だけでなく、低血糖になったり、黄疸(おうだん)が出やすかったり、呼吸や体温調節、哺乳が上手にできなかったり、筋力が弱かったりと、ハンデがあるのは確かです。けれども治療とケアにより、そのハンデは減っていくのが通常です。
体は小さめのまま育つこともあるかもしれませんが、小学生あたりで追いつく子がほとんどです。運動発達に関しても、同月齢の赤ちゃんに比べるとペースは遅めですが、早くに生まれた分、差し引いて考えるとよいでしょう。発達障害や知能の遅れを心配するお母さんもいますが、小さく生まれたことが直接原因となるわけではありません。気にかけておくのは大切かもしれませんが、心配しすぎて子育ての楽しみが半減しては元も子もありません。ただし、感染症など病気にかかりやすくもあるので、定期的に病院で経過観察を受けることは必要です。

低出生体重児はみんな保育器に入るの?
費用はどれくらい?

保育器に入るのは何のため?

小さく産まれた赤ちゃんは、何のために保育器に入るのでしょう?
「大きく言うと、保温加湿感染予防酸素濃度の調整などがあげられます」と醍醐先生。保育器の中は、お母さんのおなかの中の環境に近づけられ、赤ちゃんの状態にあわせて温度や湿度が整えられます。光や音の刺激もストレスとなるため、特に小さく生まれた赤ちゃんの場合、保育器に布をかぶせたりもするのだそう。皮膚が薄くて体の水分が蒸発しやすいため、湿度も高く設定されます。保育器に入る基準は、施設によって違っているとのこと。「一定の体重以下と決めているところもあれば、2500g以上でも酸素投与が必要であれば保育器でケアをするなど、赤ちゃんの健康状態によって決めるので、統一の基準といったものは特にありません」とのこと。

自費になることはほとんどなし

費用に関しては、ほとんどの場合、医療費は乳幼児医療費助成制度でまかなえるとのこと。自費となるのはミルク代やリネン代ぐらいで、未熟児養育医療制度の助成があれば、ミルク代も自費にならないとのこと。未熟児養育医療制度とは、2000g以下の体重で入院と治療が必要だと医師が認めた赤ちゃんのために、国が医療費を助成する制度。自治体によって、所得制限や手続きの仕方に若干の違いがあるので、赤ちゃんが小さく生まれることが事前にわかっている場合には、早めに調べておきましょう。

赤ちゃんが小さく生まれることでの心配はつきませんが、多くの場合、「そう言えば、小さく生まれたんだった」と忘れることもあるぐらい、子どもは日々たくましく成長していきます。心配事は、お母さんひとりで抱えず、気軽に相談できる相手をたくさん作りましょう。不安な子育てが、ぐっと楽しくなります。2500g未満で生まれた赤ちゃんの場合、住民票のある市区町村に「低体重出生届」を提出する必要がありますが、この届けを出すことで、退院後の赤ちゃんの健康管理など、保健センターがサポートしてくれます。また、出産した病院に、小さく生まれた赤ちゃんの親子サークルなどがある場合も。ネットにもそうしたコミュニティがあるので、積極的に参加して、情報を交換できるママ友を作るとよいでしょう。

監修/醍醐政樹先生 取材協力/嶋美奈子助産師

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お腹の中での発育が悪かったり、早産で生まれたり。2500g未満で生まれた小さな赤ちゃんは、低出生体重児と呼ばれます。かつて未熟児とも呼ばれていた低出生体重児について、新生児医療に携わるお医者さんにお話をうかがいました。妊娠・出産のサポートサイト「プレママタウン」

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