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かかりつけ助産師を持とう!

2007.10.03

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女性のからだをテーマに研究活動を続ける疫学専門家、三砂ちづる先生。出産の安全のためには、「いざというときの医療介入を整備すると同時に、助産師と妊婦の継続的なかかわりを通じて、産む力、生まれる力を活かしていく」ことが必要だといいます。JICA(国際協力機構)での「助産婦のいない国に助産婦を作る」プロジェクトでは、ブラジルで多くの成果もあげてきました。
助産師さんと1対1で育くむ安産パワーとは? 理想のお産は人それぞれでしょうが、ここにひとつの可能性が見えてきます。

三砂(みさご)ちづる先生

津田塾大学国際関係学科教授。1981年東京薬科大学卒業。1999年ロンドン大学Ph.D.(疫学)。ロンドン大学研究員、JICA(国際協力機構)疫学専門家として約15年間、海外での研究活動に携わる。2001年国立公衆衛生院(現国立保健医療科学院)疫学部勤務を経て、2004年より現職。国際保健関係の仕事のほか、出産経験が母子関係へどう影響するか、などの研究も推進中。ベストセラー著書『オニババ化する女たち』(光文社新書)、訳書『パワー・オブ・タッチ』(メディカ出版)には、自分のからだで安心をつくるためのヒントがたくさん。

「病院出産のほうが安全」
は、本当?

今、多くの人は「立派な病院・大きな病院で産んだら安心」と信じているのではないかと思います。でも、それは果たして本当なのでしょうか?
戦後、病院や診療所などでの出産が増えるようになってから、妊産婦や乳児の死亡が減った、と言われます。その証拠として用いられるのは、病院出産が増加すると、それと反比例するように妊産婦死亡や乳児死亡が減っているグラフです。
このグラフがあまりに対照的なきれいな線を描いているので、とても説得力があるように見えます。これは日本だけでなく、世界中で使われてきたグラフなのですが、病院での出産が多くなることと死亡率が低くなることには、直接の科学的根拠が示されているわけではないのです。
2つの要素を取り出して、それが関係あると証明するためには、その他のあらゆる要素を取り除いて検証しなければなりません。
妊産婦死亡や乳児死亡率が減ってくるのは、その国の経済状態や栄養状態がよくなり、公衆衛生も向上していることの影響が大きく、それと比べると産科技術の向上が貢献した割合は小さい、といわれています。
自宅近くの施設で赤ちゃんを産んで、何かあった時の搬送システムを整備するほうがいいのか、妊婦全員が大病院で産んだほうがいいのか、世界的に見ても、どちらのほうが死亡率が低くなるか、という科学的根拠はまだないのです。

妊娠を機に、
助産師さんの元で
生活を立て直す

病院というのは、たくさんの人を配置して効率的に対応し、迅速に多くの命を救う場です。それが病院のやり方ですから、大きな病院ほど個人的なつながりは持ちにくくなるのは仕方がありません。それは役割の違い、というものです。
でも、安心して出産に臨むためには、出産を介助してもらう人との人間的なつながりも、とても大切になってきます。
助産院に行くと、「夜は9時に寝なさい、1日3時間歩きなさい、食事は玄米とか海草など、昔の食事をしなさい」などと、これまで聞いたことがないようなことを言われます。
毎日、夜更かしして、食事はコンビニ、歩くといってもほんの数分――。みんな今のそういう生活が、おかしいと思っていないので、「何でそんなことしなきゃならないの?」と思ってしまう。
でも、助産師さんからは容赦なく「誰が赤ちゃん産むの!あなたが産むんでしょ!」と怒られる。いくら怒られても、助産師さんのいうような生活はできないので、相変わらず今までの生活を続けていて、次の健診を受けると、「足も冷えて、背中も張っているし、何もやってないでしょ!」とバレてしまう。助産師さんは体を触るとすぐにわかるんですね。
親にも言われないようなことで叱られると、さすがに気になるので、「10時には寝るようにします」とか、「1時間ぐらい歩いてみます」とか、ちょっとやってみる。すると、次の健診で、「あら、少しよくなってるじゃない」とほめられる。「本当にわかるんだ!」という驚き。ほめられてうれしくなって続けていくうちに、どんどん体が整ってくるんです。
早く寝ると気持ちがいいし、2時間も歩くと体がすっきりするし、自分で食事を作ると生活に“芯”みたいなものができて、少しずつ、生活が楽しいと思えるようになる。赤ちゃんを産む頃にはこうした生活の見直しができていく――。そして、安産は人にいただくものじゃなく、自分が作っていくものだということがわかってくる。これが助産院のお産に向けての大切なプロセスだろうと思います。

安産のためには、愛のムチで生活をたたきなおしてもらうことが必要だ。

大きな安心、
愛情の中から目覚める
未知のパワー

助産院で感じられるのは、“愛情”です。それも、母親がかけてくれるような愛情です。あるがままを受けとめてもらって、叱ってもらう。こういう1対1のケアを継続的に受けていくと、大きな安心が生まれてきます。からだごと受けとめてもらい、助産師さんの遠慮のない愛の叱咤を受けているうちに、自分のことがいろいろわかるようになるし、何かあっても、「いざとなればあの人に聞けるから、今はちょっと様子をみよう」と思える余裕が出てきます。むやみな不安に陥らないですむわけです。
情報や技術だけがいくらたくさんあっても、「受け止められている」という安心感がなければ、振り回されてますます不安になるだけです。
助産師と妊婦の互いの理解が深まっていくと、「どこかおかしい」というときに助産師さんも早く気づくし、妊婦さん自身もふだんからからだに注意を向けるように学んでいくので、敏感に感じ取ることができるようです。
「お産は何が起こるかわからない」とよく言われますが、こうした丁寧なケアがあれば、問題の多くは予測できるところもあるし、余裕をもって搬送もできると、経験豊かな助産師さんは言います。
助産院で産んだ人の手記を読むと、そこには「痛いけれど満たされた」思いがあふれる言葉で綴られています。「宇宙との一体感を感じた」「大きな力が働いていてそれに動かされるようにゆだねていた」……と。
こうした自然とつながるような感覚は、人間の根っこになるような体験です。それはその後の育児や人生の支えになります。妊娠・出産は、そういう意味でとても大きなチャンスではないでしょうか。

自分をあるがままに受けとめてくれる助産師さんを1人持つことで大きな安心が得られる。出産や育児の不安も減っていく。

自分のからだをいとおしいと
思うところからの出発

「医師のもとで産みたい」「立派な病院・大きな病院で産んだら安心」という神話は、もう3世代にわたっています。今70歳代以上の世代から、自分の体を使って子どもを産まなくなった。あまりおっぱいをあげなくなって、育て方も変わってきた。
この状況を変えていくには、やはり女性がもっと自分の体を大切にしていくことしかないように思えます。自分の女性としての体をいとおしいと思えるような経験をしてほしいですね。
子どもを産む・産まないに関係なく、もっと毎月の月経のことに注意を払ってみるとか、自分の子宮に思いをはせながら暮らすとか。
自分の体を大切にするからこそ、妊娠したらこうしよう、出産したらこうしようという考えが出てくるのではないでしょうか? 自分の体をいとおしみ、自分の体に向きあうことが楽しい経験であると思えるようになるといいですね。

助産院が残っている
日本はラッキー!

最近は、産科医が少なくなったと言われています。しかし、WHO(世界保健機構)はSkilled Attendant(熟練した付添人)のもとでの出産が、大切、といっています。日本のSkilled Attendantは産科医であると同時に助産師でもあります。ですから、いずれ病院のバックアップの元に開業している助産師さんのところで産めるようになっていくのではないでしょうか。
幸い、日本には助産師の開業というシステムが残っています。助産師さんに支えてもらって、もう一度、自分のからだに向き合い、自分のからだで安心をつくる、という経験をしてもらいたい。女性たちが望めば、それができる環境が日本にはあると思います。

助産師さんのことがもっと知りたい。近くの助産院が知りたいときは――。

(社)日本助産師会ホームページ http://www.midwife.or.jp/

監修/三砂ちづる先生(津田塾大学国際関係学科教授)

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病院はたくさんの人を配置し、効率的に対応し多くの命を救う場です。でも出産は介助してもらう人との繋がりが大切になってきます。親身になって助言をくれる熟練の助産師さんが多い日本は、多様な出産方法が選べる幸せな国なのです。妊娠・出産のサポートサイト「プレママタウン」

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