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不妊治療

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不妊治療って、どんなことをするの?

2017.09.11

妊活のために病院へ通うと、いよいよ治療が始まります。まずは「タイミング法」からスタートしますが、それで妊娠しなければ「人工授精」に進むことが多く、場合によっては、ドクターから「体外受精」や「顕微授精」をすすめられることも。でも、いったい何が違うの? どんなことをするの?

長年にわたり生殖医療の現場で多くのカップルを妊娠に導いてきた、渋谷橋レディースクリニック(東京都渋谷区)院長・久保春海先生にお話を聞きました。

監修者プロフィール

久保春海先生
NPO法人日本不妊予防協会理事長
渋谷橋レディースクリニック院長

東邦大学医学部等にて、40年以上にわたり不妊医療に携わる。2006年、女性の一生を通して生殖医学や女性健康医学に基づく不妊の治療法と予防法の開発、啓発等の活動を行うNPO法人日本不妊予防協会を発足。男女の健全で健康な生殖機能の保持と増進に寄与することを願って活動を続けている。東邦大学医学部名誉教授、日本生殖心理学会名誉理事長等を務める。

まずは「タイミング法」から

排卵日を推測してセックスをする

妊娠しにくい原因がないかどうか検査をしたら、次は治療が待っています。どんなことをするのですか?

「もしも妊娠を妨げる原因があれば、その治療をします。例えば、排卵しにくければ排卵誘発剤の薬を飲んだり、注射を打つなどです。それと同時に、『タイミング法』を行います」と久保先生。

タイミング法とは、超音波検査やホルモン検査、頸管粘液検査から排卵日を推測し、その日に「夫婦生活を持つ(セックスをする)」ことです。女性は排卵があり、卵管が通っていること、男性は精子に問題がないことが前提の治療です。

「タイミング法は排卵日だけ性交渉をする、と誤解している人がいるのですが、医師が指定した日の前後に交渉を持ってもかまいません。むしろ積極的にトライを。性交渉の回数が多いほど妊娠の確率が高いのです」

実は自然妊娠とほぼ同じ「人工授精」

精子を子宮の中に送り込む

もしも、タイミング法で妊娠しないときには、次に待っているのが「人工授精」です。

マスターベーションで採取した精子を、病院で処理してから(感染症の予防や運動性の高い精子群を選別する)、子宮に注入する方法です。

元気な精子の数が少ない、頸管粘液の分泌が少ない、勃起や射精がうまくいかない場合の治療法でもあります。

「頸管(子宮の入り口)を通らずに、元気な精子を直接子宮に送るので、精子がより卵子に近づけるのです。『人工』の言葉にびっくりするかもしれませんが、医療はほんの少し手を貸すだけ。受精・着床は自然妊娠となんら変わりません」

保険のきかない自費治療

人工授精は保険適用外の治療で、1回1万~3万円ほどが目安です。妊娠率は5~7%程度で、妊娠した人の多くは、5回目くらいまでで妊娠しているため、それ以上繰り返しても、妊娠の可能性は高くないといわれています。

卵子と精子を体外で受精させる「体外受精」

卵管の問題や男性不妊の治療法、35歳以上の女性も多い

「体外受精」は、女性の卵巣から排卵直前の成熟した卵子を採取し、同じ容器に多数の精子を入れて受精を待ち、受精した受精卵を子宮に戻す治療法です。

「両方の卵管が詰まっている・切除したなどの卵管性不妊のほか、男性不妊(元気な精子の数が少ない)、重度の子宮内膜症、抗精子抗体(精子を攻撃してしまう免疫の病気)などが対象です。また、女性の年齢が高くなるほど妊娠しにくくなるので、35歳以上で受ける人も多いですね」

女性の身体的な負担が大きい

1度に複数の卵子を採卵するために、排卵誘発剤の注射を連日打って卵子を育てます。何度も通院して超音波検査やホルモン検査で卵胞の発育を確認し、採卵日を決めます。採卵は麻酔をかけて行います。受精卵ができたら数日間培養して、子宮に戻します(胚移植)。

「体外受精では、受精するかどうかが確認できます。うまく受精しない受精障害の場合は、次回は顕微授精が選択肢に。また、多胎妊娠を避けるため、子宮に戻す胚(受精卵)の数は原則1個と決められています。それ以外に胚があれば、凍結して保存します」

体外受精は、排卵誘発剤の投与や超音波検査、採卵など、女性の身体的な負担が多い治療です。また、費用は一般的に30万~50万円ほどかかり、注射の量や回数などによっても金額は違います。

妊娠率は年齢によって異なり、日本産科婦人科学会の2014年のデータでは、30歳で26.3%、35歳で24.0%、40歳で14.4%です(いずれも総治療周期のうち妊娠した割合)。

「女性の年齢が若いほど体外受精の妊娠率が高いのですが、若いカップルだと貯金が十分ではなく、お金が貯まって数年後に治療を始めると、年齢的に妊娠率が下がってしまうこともあり、悩ましい問題です」

1つの精子を卵子の中に送り込む「顕微授精」

男性不妊、受精障害などの治療法

体外受精で受精しなかった、精子の数が極端に少ない場合の治療法が「顕微授精」です。

顕微授精は、顕微鏡を使って卵子の中に1個の精子を直接入れ込むもの。受精が確認できれば、その先は体外受精と同じです。

無精子症では精巣から精子を取り出す方法も

また、男性不妊で精子がつくられているものの射精した精液中に精子が見つからない「無精子症」の治療として、精巣から精子を取り出す手術が行われることもあります。精子が見つかれば、体外受精か顕微授精を行います。

21人に1人の赤ちゃんが高度医療で生まれている

不妊治療では、タイミング法から人工授精へ、さらに体外受精・顕微授精へと、治療の段階を徐々に上げていくことを「治療のステップアップ」といいます。

「一般的には、タイミング法を6周期程度、人工授精を5~6周期しても妊娠しない場合は、体外受精をすすめることが多いですね。ただし、不妊の原因や夫婦の年齢、治療状況や個々の事情などにより、選択はさまざまです。最近は30代後半から40代で初めて受診される方も多く、短期間で体外受精に進む傾向が強いですね」

治療の主役はあくまでも当事者である夫婦

国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、日本で不妊に悩んだことのあるカップルは5.5組に1組といわれ、日本で体外受精や顕微授精などの高度生殖補助技術(ART)により生まれる赤ちゃんは年々増え続け、2014年には47,322人を数えました(日本産科婦人科学会の報告による)。なんと、その年の出生児の約21人に1人がARTにより誕生していることに。

「体外受精は現在では一般的な治療といえますが、治療の主役はあくまでもご夫婦です。医師は患者さんが早く妊娠できるように少しでも可能性が高いと思われる治療をすすめますが、その治療をするかどうかはご夫婦が決めること。よく話し合い、意思統一して治療をどうするか決めてください」

不妊治療といってもさまざまな方法があり、選択はカップルそれぞれ。「今は体外受精をしないで人工授精を続ける」「体外受精に進んだけれど、スタップダウンして人工授精にトライする」といった選択もあるのです。ただし、妊娠・出産には年齢的な限界があること、女性の年齢が高くなると妊娠率は下がることを頭においておきましょう。

参考:

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