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不妊治療医のお仕事【お産プロフェショナル名鑑】

2012.06.06

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不妊治療医とは、「赤ちゃんがなかなかできない」「もしかして妊娠しにくいの?」といった悩みを抱える女性が相談できる専門家。10組に1組の夫婦が不妊といわれる現代では、不妊治療で赤ちゃんを授かる人は意外に多いものです。
不妊の理由は複数ありますが、ときには原因がわからないことも。不妊治療医は、こうした原因不明のケースにも、さまざまなアプローチで妊娠の確率を高める取り組みをしています。
今回は、不妊に悩む夫婦の味方「不妊治療医」の仕事をご紹介します。

この記事の監修

辰巳賢一(たつみ けんいち)先生

梅ヶ丘産婦人科院長。医学博士。日本生殖医学会生殖医療専門医。京都大学医学部卒業。京都大学病院、長浜市立病院で多くのお産や婦人科手術を担当。東京大学医科学研究所で生殖免疫学を研究した後、京都大学病院の不妊外来、体外受精チームの中心メンバーとして多くの妊娠に貢献。神戸中央市民病院副医長を経て、1991年より梅ヶ丘産婦人科で、お産と不妊治療にあたる。現在は一般不妊治療から体外受精・顕微授精まで幅広く不妊治療に取り組み、豊富な知識と経験で、これまで約2万カップルを診療、約1万カップルを妊娠に導く。

梅ヶ丘産婦人科ホームページ:
http://www.u-m-e.com/

不妊治療医データ

資格の名前 医師。不妊治療は、主に産婦人科医、泌尿器科医が行っている。その中に「生殖医療専門医」の資格を持つスペシャリストもいる。
ただし、不妊治療を行うのに、「生殖医療専門医」である必要はない。
資格の種類 医師は国家資格。「生殖医療専門医」は日本生殖医学会の認定資格。
資格取得までの
道のり
「医師」免許取得後、さらに2年以上研修し、専門分野で3年研鑽を積み、定められた基準(手術・分娩の症例数、論文など)をクリアした後、試験に合格すると、日本産科婦人科学会が認定する「産婦人科専門医」となる。
さらに産婦人科専門医や泌尿器科専門医で、日本生殖医学会が定めた規定(臨床研究・研修、論文発表、講習会受講、認定試験合格など)を経て、「生殖医療専門医」となる。
施設数、
専門医数など
「不妊相談」「不妊外来」などの看板を掲げる産婦人科をはじめ、泌尿器科にも不妊治療医がいる。
日本で体外受精・顕微授精などの生殖補助医療(ART)を行う登録施設は、625(日本産科婦人科学会、2009年)。
生殖医療専門医は423人(2011年4月1日現在)。
主な団体 公益社団法人 日本産科婦人科学会 http://www.jsog.or.jp/
一般社団法人 日本生殖医学会 http://www.jsrm.or.jp/
index.html

「不妊かも?」
というとき、
相談できるドクター

「なかなか妊娠しない」というとき、まず相談先として思い浮かぶのが、生理不順の相談やピルの処方などをしてくれるレディースクリニックや、お産を扱っている産婦人科。もちろん、ここにも「不妊」に強いドクターはたくさんいます。ある程度の検査や治療もできます。

しかし、ひと口に産婦人科といっても、専門分野があり、大きく3つに分かれています。お産を得意とする「周産期」、子宮ガン治療などの「腫瘍」、そしてもうひとつが、「生殖医療」。不妊治療は、「生殖医療」の分野です。さまざまな方法論やテクニックを駆使して妊娠の確率を高めようとしています。この不妊治療の専門性を持ち、日本生殖医学会が認定したスペシャリストが「生殖医療専門医」です。

妊娠しない原因を
調べて、妊娠
しやすくする治療を行う

「不妊治療医は、妊娠しない原因がどこにあるかを検査し、治療して、妊娠の確率を高めます。また原因がわからなくても、妊娠できるような治療を行っています」と話すのは、梅ヶ丘産婦人科院長・辰巳賢一先生。これまで約1万カップルを妊娠に導いたベテランの不妊治療医です。

不妊の4大原因は、「排卵が起こりにくい」「卵管に問題がある」「子宮内膜症など」「男性の精子に問題がある」。まずはこうした原因を検査で探りつつ、さまざまな治療をしていきます。

<不妊治療医の仕事>

検査

問診、内診、超音波検査、基礎体温のチェック、ホルモン検査(尿・血液検査)、甲状腺など他の病気の検査、フーナーテスト、子宮卵管造影検査、子宮検査、腹腔鏡検査、精液検査(男性)など。

治療

不妊の原因の治療、排卵誘発剤など薬による治療、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精、卵管の手術、子宮内膜症の手術、子宮筋腫・ポリープなどの手術、治療方針の説明、治療プランの提案など。

不妊の原因が
わからなくても、
治療方法がある!

不妊検査で、たとえば「排卵しにくい」状態とわかったら、排卵誘発剤を使って排卵を促します。「精子の数が少ない・元気がない」というときは、男性側に漢方薬やサプリメントを処方することもあります。また、卵管が詰まっていれば、それを通す手術。

しかし、原因を突き止めて治療するだけが、不妊治療ではありません。原因がわからなくても、妊娠の確率を上げるために行う治療法のひとつが、「タイミング法」です。ドクターが排卵日を予測して、セックスする日を指示します。

排卵日は、基礎体温などである程度はわかるものの、正確に知るのは難しい。不妊治療医は、超音波検査やホルモン検査のデータを読み解くことで、排卵日をより正確に推定します。

不妊治療は、カップルの希望や考え方によってもアプローチ方法が変わってきます。不妊治療医は、そうした当人の意向を聞きながら、治療プランを考え、提案します。

体外受精が、
顕微授精が、
不妊治療を大きく変えた

不妊治療の大きな転換期となったのは、1978年の体外受精の成功です。卵巣から卵子を取り出し、シャーレの中で精子をふりかけて受精させ、それを子宮に戻す方法です。いまや不妊治療のスタンダードともいえる体外受精を成功させたのは、イギリスのロバート・エドワーズ博士。博士は、2010年にノーベル医学・生理学賞を受賞しています。

この体外受精は、もともと両側の卵管が詰まっている人のために開発されたのですが、その後、子宮内膜症や原因不明など多くの難治性不妊にも非常に有効な方法であることがわかって、瞬く間に世界中に広がりました。

1992年には、精子を1つ捕まえて卵子の中に直接注入するICSI(卵細胞質内精子注入法)が成功。いわゆる顕微授精です。

これで、「精子の数が極端に少ない」などの理由で体外受精もできなかったカップルにも、希望の明かりが灯りました。たとえ精液中に精子が1つも見つからなくても、精巣の中に精子がいれば取り出して、この方法が使えます。

今、日本では40人に1人の赤ちゃんが、こうした体外受精や顕微授精などの高度生殖補助医療によって生まれています。

不妊治療の手法は
いろいろ、ドクターは
個性派揃い!

多くの不妊カップルに恩恵をもたらした体外受精や顕微授精ですが、その方法はまったく同じ、ではありません。病院によって、また医師によって、やり方が違います。

たとえば「体外受精」では、排卵誘発剤を使って複数の卵子を育てるのが一般的ですが、「薬を極力使わない」方針のドクターもいます。また、受精した卵を「凍結する」ドクター、「しない」ドクター、「受精卵を3日目に子宮に戻す」ドクター、「5日目に戻す」ドクター……。それぞれ独自の研究と考えのもとで、妊娠の確率を上げようと取り組んでいます。

辰巳先生は、「すぐに高度な治療をするのではなく、できるだけ自然に」がポリシー。排卵誘発剤の使い方などに手腕を発揮しています。排卵誘発剤は、タイミング法でも体外受精や顕微授精でも使いますが、実は使い方がとても難しい薬です。多胎妊娠のリスクが高まったり、卵巣がはれたり、ときには腹水が溜まるなど、副作用を引き起こすのです。

「体への負担を最小限にしながら、もっとも効果的に使うように細心の注意を払っています。超音波検査やホルモン検査で卵巣の反応を見ながら、薬の種類や量を調整します。1日ずれると反応が違うので、そのさじ加減は紙一重。卵子が入っている卵胞の成熟ぐあいを慎重に見ながら、卵胞と会話しながら(笑)、薬を投与しています」(辰巳先生)

不妊治療医の
喜びと悩み

13年前までは、お産も扱っていた辰巳先生。不妊治療に専念した理由は――。

「赤ちゃん誕生の場面に立ち会う喜びは、それはかけがえのないすばらしいものです。でも医師としては、赤ちゃんを望んでも得られないでいる人たちの力になりたい。それもまたやりがいのある仕事だと思ったのです。自分たちの力ではどうにもならない不合理、不条理を、医療の力で解決できたら、私の力が役に立つなら・・・という気持ちで取り組んでいます。“妊娠”という形で結果がはっきり出る点にも、やりがいを感じています」(辰巳先生)

つらいのは、治療を繰り返しても妊娠しないとき。

「ご本人もつらいですし、私も心苦しいです。今後の治療をどうするか、そのご夫婦の参考になるように、年齢ごとの妊娠率や流産率など、できるだけ客観的なデータを提示します。不妊治療は妊娠だけがゴールではありません。“やるだけやって納得して卒業”という方もいます」

心の負担を少しでも軽くしてほしい、と心理の専門家によるカウンセリングをすすめることもあります。

晩婚化が進み、不妊治療のニーズは増え続けています。どんなに健康な女性でも、加齢による卵子の老化は避けられません。卵子が老化してからの不妊治療は、成果が上がりにくいのです。

「妊娠する力は35歳ごろからゆるやかに下がり、37歳を過ぎるとガクンと下がります。気になる人は早めに受診を」(辰巳先生)

若い世代に向けて不妊知識を広めていくこと。これからの不妊治療医の課題です。

監修/梅ヶ丘産婦人科 院長 辰巳賢一先生

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