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産後ケアセンター長に育児の大変さを聞いてみる

2009.01.07

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前回紹介した『武蔵野大学附属産後ケアセンター桜新町』は、生後4カ月未満の赤ちゃんのいるママが育児サポートを求めて訪れる、評判の施設。昨年3月のオープン以来、利用者実数で200人近いママたちの支援が行われてきました。産後ママの悩みは、明日のプレママの悩み。出産後、みんながどんなことで苦労しているのか知っておけば、育児にも少し余裕が生まれそう。妊娠中に準備できることもありそうです。そこで、センター長で助産師の青山廣子さんにお話を伺いました。

青山廣子さん

武蔵野大学付属産後ケアセンター桜新町 センター長。助産師歴30年余り。看護師、助産師の教育及び、病院勤務など経て2008年3月、現職就任。母のような優しさと厳しさで、育児の手ほどきをしてくれる。母子ケアのプロフェショナル。

育児の方法が
わからないのは、
当たり前。

いま、ふつうに自然分娩でお産をすると、出産後5日か6日で、帝王切開でも約10日間で退院します。在院期間がとても短いために、おかあさんは出産で体力を消耗した状態のなか、ひと息つく暇もなく、ひとりで育児をはじめることになります。

病院は、無事に出産を終え、母子とも元気に帰宅してもらうと、とりあえずの役目を終えます。そのあとの育児は、おかあさん自身で赤ちゃんを受け入れる態勢をつくっていかなくてはいけないのですが、簡単にはいかないのが現実のようです。

母乳のあげかた、おむつの替えかた、沐浴のしかたなど、病院でもひととおり教えてくれますが、家に帰ってやってみると、なんだか勝手が違ってうまくできない、わからない……。

出産直後の無我夢中のなかで、ほんの数日、教わっただけですから、とまどうのは当たり前なんです。

育児の悩み
トップは、
“なぜ泣き止まないの?”

「赤ちゃんがなぜ泣いているのかわからない」というのは、出産直後の多くのおかあさんが抱える悩みです。

泣いていたら、おっぱいが足りないのか、おむつが気持ち悪いのか、眠いのか、それとも……と、赤ちゃんの様子をじっくり観察して、ああでもない、こうでもないと考えてみるのが育児です。でも、まだ赤ちゃんになれていないおかあさんは、赤ちゃんの泣き声を聞くのが怖くてしょうがない。とにかく「泣かないで」「泣き止ませなくちゃ」という気持ちでいっぱいになって、あせってしまう。すると、赤ちゃんにはおかあさんの不安な気持が伝わってしまって、「さらに泣く」という悪循環に。

おかあさんがいくらあやしても泣き止まない赤ちゃんを、私たち助産師が抱っこするとピタッと泣き止むことがあります。「もぉ、どうしてでしょう?」とおかあさんは不思議がりますが、私たちは赤ちゃんを丸ごと受け入れてしまうんです。「泣いてもいいよ」「泣くのも赤ちゃんの運動だもんね。もっと泣いてもいいよ」と。そうすると、赤ちゃんは安心するんですね。

おむつかぶれ、
皮膚トラブルに、
決定打はない。

おむつかぶれの悩みも多いですね。いまは、育児マニュアルがいきわたっていますが、バリエーションがありすぎて、逆に何が正しいのか、どうしたらいいのかわからなくなっている。

お尻が長時間蒸れているとよくない、というのはわかっているので、ウンチをしたらすぐにきれいに拭いてあげる。そのとき、お尻をよく見て、「少し赤いだけだから、このまま様子をみましょう」ということもあれば、「お薬の軟膏を塗っておきましょうか」ということもある。

いくら「お尻を清潔に」といっても、赤ちゃんの湿ったお尻をゴシゴシと拭きすぎると、刺激が強すぎます。「もう少し拭き方をかえてみましょうか」ということもあります。お尻をお湯で洗い流したり、市販のお尻ふきのかわりに、脱脂綿をお湯で濡らして拭いたり、お尻をよく乾燥させてから、おむつをつけたり……。

ベテランの助産師だって、絶対的な方法を持っているわけではないんです。あれこれ、手をかけていろいろやってあげるなかで、いい方法がわかってくるんです。

お風呂だって、顔から洗うのが基本になっていますが、別に頭から洗っても間違いではありません。お尻よりはお顔が先のほうがいいですけれど、どこから洗っても最終的にキレイになっていればOKなんです。

ただ、赤ちゃんの頭は大泉門がやわらかく、そこを怖がって避けていると湿疹につながるので、きちんと洗わなくてはいけません。

「沐浴剤を使いたいのだけど、いいですか?」「ベビーソープでないといけないんでしょうか?」と、石鹸についてもいろんな質問があります。いまは、商品が豊富でいろんな物が出ていますし、いろんなやりかたがあります。大事な点を守ったら、あとは自分なりにチョイスしてためしてみて、自分流にしていけばいいんです。

昔のように、7人も8人も産めば、赤ちゃんのことはたいがいわかるようになります。でも、いまは1人か2人しか産まないので、なかなかそうはいきません。おかあさん自身きょうだいが少ないし、近所付き合いも希薄なので、子育てを間近に見る経験やモデルもいない。赤ちゃんのことがわからないのは当然です。

でも、育児も技術なので、同じことを繰り返してやって、少しずつ経験を積み重ね、工夫してできるようになっていくと、これほど楽しいことはありません。

育児を
ひと休みできる環境を
確保しておこう。

出産後はおかあさんの時間のほとんどは、赤ちゃんのために使うことになります。新生児は授乳が3時間おきなので、おかあさんはとぎれとぎれにしか眠れません。続けて眠れないのは体力的に相当きついものがあります。

育児に疲れた顔で『産後ケアセンター』を訪れるおかあさんのなかには、「今日はベビールームに赤ちゃんを預けて4時間続けて眠れたので、ゆっくりした気持ちになりました」と、見違えるように明るい表情に変わる人がいます。たった4時間の睡眠でもぜんぜん違うのですから、休息がいかに大切かわかります。

人間はぐっすり眠って休めば元気になれるし、思考も前向きになります。特に、産後の疲労が強いと、なかなか体力が回復せず、育児がきつくて、つらいものになってしまいます。

産後、おかあさんが休息できる環境を確保しておくことは、ぜひ妊娠中にやっておいてほしいことです。疲れたおかあさんの代わりができるように、夫にも育児のノウハウを身につけてもらう。おっぱいをあげるのは無理ですが、おむつをかえたり、お風呂に入れたりすることはできるはずです。

先輩ママに、「困ったときは助けてね」と声をかけておくのもいいでしょう。また、住んでいる地区の育児支援の内容を調べて、どうすれば利用できるのかなど詳細を確かめておくことです。産後、困ってから探すのは難しいので、早めに情報を集めて、できるかぎりの準備をしておきましょう。

いいお産をして、
前向きな育児に
つなげよう。

『産後ケアセンター』では、おかあさんたちに“バース・インタビュー”というものを行っています。「妊娠したときどうでしたか?」「出産はどうでしたか?」というような質問をするのですが、「妊娠がわかったときは、本当に嬉しかったです」「私の出産はこうでしたよ」「こんな産院で産んだんです」と、いろんな答えが返ってきます。

おかあさんたちが、妊娠、出産について、楽しそうに肯定的に話してくれると、いいお産ができたんだなぁ…と安心します。

育児は、妊娠、出産からそのままつながっているものです。プレママのみなさんには、いい出産をして、産後の育児にも前向きな気持ちで取り組んでもらえたらと思っています。

もちろん、“いいお産”といっても、そのイメージは人それぞれ。立ち会い出産、無痛分娩、助産院で……と明確な希望がある人もいるでしょうし、そうでない人もいるでしょう。いずれにしても、先輩ママにお産の様子やよかったこと、不満に思ったことなどを聞いたり、インターネットで情報を集めたりして、自分のイメージにマッチした形でお産ができるといいと思います。

どんな形のお産であっても、医師や助産師との意思の疎通ができているかどうかはとても大切です。仮に、「夫が出産に間に合わなかった」「激しい陣痛のなかで放っておかれた」「帝王切開になった」などイメージどおりにいかなかったとしても、医師や助産師と信頼関係がある中でのことなら、おかあさんの心の回復は早い。“心が通い合う”というと大げさですが、「私のお産は○○さんがやってくれる」「○○先生が担当」というような関係があるといいんじゃないかな、と思います。

健診のときなどにも、受け身で話を聞くだけではなく、プレママのほうから疑問や不安解消のために、積極的にコミュニケーションをとるなど、信頼関係を築いていく努力も必要かもしれません。

いいお産のためには、食事や睡眠をしっかりとって、体力をつけておくことも大切なこと。

どうぞ、健やかに過ごして、元気な赤ちゃんを産んでください。そして、あせらず、ゆっくりとおかあさんになっていってください。

産後4ヶ月までのママをサポートしてくれる、宿泊型の新施設。 武蔵野大学附属産後ケアセンター桜新町
東京都世田谷区桜新町2-29-6
TEL:03-5426-2900
(世田谷区民の窓口 子ども家庭支援課 TEL:03-5432-2524)

取材協力・監修/青山廣子さん(武蔵野大学付属産後ケアセンター桜新町 センター長)

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