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早産や、出産のリスクを減らすために

2018.01.22

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日本は新生児の死亡率も、妊婦さんの死亡率もトップクラスの低さである、安全に出産ができる国のひとつです。それを支えているのが、日本の医療水準の高さと産院での手厚いケア。今回は、早産や出産のリスクを減らすためにどのような医療が行われているのか、東京女子医科大学病院・産婦人科の鈴木志帆先生にお話を伺いました。

取材協力:ユニ・チャームunicharm

取材協力・監修

鈴木志帆 先生
東京女子医科大学 産婦人科 母体胎児医学科 助教

妊娠中の異変に早く気がつくために

妊婦健診は必ず受ける

鈴木先生:妊婦健診は、ママとお腹の中の赤ちゃんを守るために、とても大切なものです。妊娠中に起こるトラブルや病気がないかということを妊婦健診で定期的にチェックして、異常があれば対応していきます。
妊娠初期は、流産や子宮外妊娠ではないこと、赤ちゃんの心拍を確認して正常に妊娠しているかを確認します。赤ちゃんの大きさを計測して予定日を算出し、妊娠週数にあわせてきちんと育っているかを観察していきます。また、感染症のチェックや血糖値などの血液検査や、子宮頸がん検診を行い、母体にトラブルが起きていないかもチェックしていきます。

東京女子医科大学病院・産婦人科の診察室

鈴木先生:妊娠中のトラブルは、それまで健康だった人でも突然起こることがあるので、自分で大丈夫と思いこまず、必ず産院の指導にしたがって、定期的に妊婦健診を受けましょう。

一般的な妊婦健診の検査内容についてもっと詳しく知りたい方はこちら>>

妊娠中期以降は胎動を毎日チェック

鈴木先生:お腹の赤ちゃんにも行動のサイクルがあるので、胎動がある時と、感じられにくい時があるのは普通のことですが、妊娠中期以降に、いつもより胎動が少ないと感じるときは、何か異常が起きていることもあるので、かかりつけの産院に相談するといいでしょう。日頃から赤ちゃんの胎動を毎日チェックして感じてもらうように、妊婦健診の際にお願いしています。

母子健康手帳(母子手帳)は必ず携帯

継続してケアすることをサポート

鈴木先生:母子健康手帳は、妊娠、出産、産後の妊婦さんの状態と赤ちゃんの成長の記録が、一連の流れでわかるように作られています。通常、健診や医療の記録は病院など、施設ごとに管理していますが、母子健康手帳という形でママが一貫した情報をもつことは、継続した適切なケアを行うことに役立ちます。例えば、里帰り出産する人や出先でトラブルがあった場合でも、母子健康手帳があれば今までの経過や受診済みの検査は何かなど、必要な情報がすぐにわかるので、スムーズに引き継ぎ先での診察や治療を進めることができるのです。健診をしっかり受けて、その情報がまとまっている母子健康手帳を、ちょっとしたお出かけの時でも必ず携帯してくださいね。
また、栄養、食事、出産後に子どもの具合が悪くなった時の対処の仕方など、ママが知っておくべき情報も載っているので、目を通しておきましょう。

世界に評価されている日本発の母子健康手帳

鈴木先生:この母子健康手帳、実は発祥は日本だということをご存知ですか?妊娠中のお母さんと生まれた子どもの健康を守る「母子手帳」として、1948年(昭和23年)に日本ではじまったものなのです。日本人にとってはすでにあたりまえになっている母子健康手帳ですが、妊娠、出産、子どもの成長を継続してケアすることの重要性が評価され、アジア、アフリカを中心に世界中に広まってきています。

早産のリスクは?

早産とは?

鈴木先生:正期産(妊娠37週0日~妊娠41週6日まで)より前に生まれることを早産といいます。日本では妊娠22週未満の出産は流産といい、早産とは区別されます。切迫早産は早産になりかかっている状態のこと。周産期医療の進歩により、日本は、周産期死亡率(早産などにより低出生体重で生まれた場合の死亡率)の低さは世界でもトップレベルです。早く生まれてしまうと、肺などの器官が未熟なため、保育器の中でのケアが必要だったり、障害が残る可能性もあります。できるだけ正産期まで、お腹の中で赤ちゃんが過ごせるように経過を観察し、治療を行っていきます。
日本の早産率は5~6%で、諸外国と比べると日本の早産率は低いといえます。しかし、最近は、高齢妊娠や不妊治療が増えたことによる多胎妊娠の増加などが影響して、早産の数はなかなか減らないのが現状です。

早産の原因は?

鈴木先生:早産の原因は、感染症、子宮の異常、高血圧症候群、妊娠糖尿病、羊水過多・過少、ストレス・疲労など、実にさまざま。要因がわからないことや、どれか一つではなく複合的な原因で起こることも多くあります。

早産や切迫早産についてもっと詳しく知りたい方はこちら>>

早産の兆候は?

鈴木先生:早産の兆候として、お腹がひんぱんに張ったり、出血、下腹部の痛みがあるなど、自覚症状が現れることがあります。異変を感じたら、妊婦健診の予定日前でもすぐに産院へ相談してください。また自覚症状がなくても、子宮頸管の長さから早産の兆候がないかをみることができます。

子宮頸管とは、子宮腔と腟をつなぐ筒状部分のこと。妊娠中は閉ざされていて、個人差がありますが、一般的には4cmほどの長さがあります。出産が近づいてくると、子宮口が内側から開いてきて子宮頸管が短くなっていくものなのですが、早い時期から子宮頸管が短くなってしまうと、早産の兆候として注意しなければいけません。目安として、妊娠24週くらいまでで子宮頸管の長さが2.5cmを切ってくると要注意。妊婦健診では、超音波(エコー)検査でこの子宮頸管の長さを確認して、早産の兆候はないかを確認しています。

切迫早産の対処法は?

鈴木先生:切迫早産と診断された場合は、基本的に運動量が多いとお腹がはりやすくなるため、可能な範囲で自宅で安静にして様子をみたり、リスクが高いと判断された場合は、入院して経過観察していきます。日本は海外と比べると、保険制度が充実していることもあり、早産にならないようにするためのケアが手厚く、入院する場合も多いです。

切迫早産には、異常な子宮収縮を伴う場合、子宮口が閉じる力が弱い頸管無力症の場合、感染症が原因で子宮口が軟らかくなっている場合など、様々なケースがあります。お腹の張りを止めるお薬(子宮収縮抑制剤)を投与したり、子宮口が閉じる力が弱い場合は、子宮頸管を糸やテープで縛って閉じる手術(頸管縫縮術)を行うなど、必要に応じた治療を行っていきます。

早産のリスクがかなり高いときは

鈴木先生:早産期に破水してしまったり、子宮口が開いて赤ちゃんの袋が見えてしまっているなど、早産になる可能性がとても高い場合は、早産予防の治療と並行して、早産に備えた治療を行います。子宮内の感染が疑われる場合には分娩になることもあります。

設備の整った病院へ母体搬送

鈴木先生:赤ちゃんが早産で生まれた時は、呼吸や体温調節などが未熟な状態で生まれてくるので、そういったお子さんに対応できる施設、NICU(新生児集中治療室)のある病院にお母さんを搬送します。

お腹の中でできるだけ赤ちゃんが成熟するために

鈴木先生:お母さんにステロイドの筋肉注射をすると胎盤から伝わり、赤ちゃんに少しストレスがかかった状態になります。そうすることで、赤ちゃんの肺の成熟が促され、生まれた時の呼吸状態がよくなったり、脳出血や腸炎などの未熟性に伴う疾患のリスクが減らせることが証明されています。
そういった治療を適切な時期に行っていくのが切迫早産の管理では大切です。

早く産んだほうがいいケースも

鈴木先生:基本的には、できるだけ正産期まで赤ちゃんはお腹の中で過ごしたほうが良いのですが、赤ちゃんの発育が止まってしまったり、妊娠高血圧症候群や胎盤早期剥離など、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても、早く産んで治療したほうがいい場合もあります。
超音波技術の進化によって、子宮の中の赤ちゃんの様子がわかるようになってきました。胎内のことがわからなかった頃は、早く産んだほうがいいという判断ができずに、気がついたときには死産になってしまうことが多くありました。また、低出生体重のお子さんは、呼吸や体温調節など未熟なため、特別な処置が必要なこともあります。事前に推定体重がわかることで、出生後の対応がスムーズになります。周産期医療の進歩により、母児の予後は格段によくなってきているのです。現在、日本の周産期死亡率(死産+早期新生児死亡)は1000人に4人以下まで下がってきています。

新生児医療・NICU(新生児集中治療室)について詳しく知りたい方はこちら>>

安全な出産のために

赤ちゃんの病気が早くわかれば対応できることもある

鈴木先生:母体への負担も少なくて、赤ちゃんに影響しない画像の診断ができる超音波の技術は、産科の医療にとって、なくてはならないものです。その超音波の技術が進化してきているので、昔だったら分からなかったお腹の赤ちゃんの病気なども、事前に異常を見つけられるようになってきています。

超音波検査で使用する超音波診断装置

生まれた後の治療につながる

鈴木先生:超音波が進化したことで、昔は生まれてみないとわからなかったことが、妊娠中にわかる可能性が高くなりました。赤ちゃんの異常が事前にわかっていれば、生まれてすぐに手術が必要な場合は施設の整った病院に転院し、小児科の先生と提携して対策がたてられるので、治療をスムーズに行うことができます。

生まれる前に手術

鈴木先生:胎内治療の技術も進んでいます。赤ちゃんの胸に水が溜まる胸水(きょうすい)という病気の水を抜く手術を、お腹の中にいる状態でカテーテルを使って行う治療など、研究が進んでいます。

手術の安全性が高まってハイリスクな出産は帝王切開で

鈴木先生:手術や麻酔の技術の進歩により、合併症が起こる可能性が低くなり、帝王切開のリスクもかなり低くなりました。逆子や分娩が進まない場合、また、前置胎盤や大きな子宮筋腫があり経腟分娩が困難な場合など、帝王切開で出産することがあります。出産年齢の上昇に伴い、帝王切開率も年々増加しています。

2回目以降の帝王切開のリスクも減少

鈴木先生:帝王切開で出産された方は、子宮破裂の心配があるため、次回も帝王切開での出産になることが多いのですが、手術した部分の癒着(手術で損傷した器官や組織が接触したまま再形成してくっついてしまうこと)が起こると、2回目3回目の手術は難しくなっていきます。最近では、癒着防止の製剤や、手術の傷を目立たないようにする技術もどんどんよくなってます。より安全な帝王切開で、お傷が目立ちにくく、ママの精神的な負担も減らせるようになってきています。

鈴木先生からママへのメッセージ

鈴木先生

過度に不安になることはありませんが、順調だということを妊婦健診で確認していくことはとても大事です。安全な出産のために、必ず妊婦健診は受けてください。早く異常に気がつくことで対処できることもたくさんあります。また、母子健康手帳には、妊娠中や産後に役立つ、知っておいて欲しい大切なことが書いてあるのでぜひ読んでくださいね。妊娠中の食事のことや、出産後の赤ちゃんのお世話についてなど、困った時に役に立つ情報がまとまっていて、本当によくできていますよ。妊娠から産後の成長までの情報が詰まった母子健康手帳は、きっとお子さんとの思い出の品にもなると思います。

妊娠中はいろいろな体の変化が起こったり、生まれてくる赤ちゃんのことや、ちゃんとママになれるかと不安に思うこともあると思います。けれど、お腹に赤ちゃんがいる期間は本当にあっという間なので、妊娠している時間を大切に過ごして、赤ちゃんを迎えるための準備を楽しんでもらいたいです。私たちは安心して出産ができるように、全力でサポートしていきます。

妊娠中は急に体に変化が起こることもあるので、妊婦健診でママと赤ちゃんに異変はおきていないのか、しっかり確認してもらうことが大切ですね。超音波の技術の進歩によって、以前よりも胎内のことや赤ちゃんのことが確認できるようになったのは、とても心強いことです。世界でもトップクラスの日本の医療を信じて、安心して楽しい妊娠生活を過ごしてくださいね。

多くのNICUでも使われている「ムーニー病産院用」について詳しく知りたい方はこちら

取材協力/東京女子医科大学

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