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帝王切開って大丈夫なの?痛みや傷跡はどうなるの?

2018.03.20

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帝王切開というと、痛くて怖いものだと思っている妊婦さんが多いといいます。「帝王切開は赤ちゃんとお母さんを守るために行う医療行為です。帝王切開は、確かにおなかを切りますが、経腟分娩も会陰切開をするので、切る場所が違うだけという捉え方もできます」と話すのは、東峯婦人クリニックの産婦人科医・松峯美貴先生。帝王切開にマイナスなイメージを持つ妊婦さんもいますが、知識を備えていれば、いざという場合も怖くありません。いたずらに怖がらずに、帝王切開についてしっかりと理解しておきましょう。

監修者プロフィール

松峯美貴先生
東峯婦人クリニック

聞きにくいような悩みも打ち明けてもらえるような身近な外来をめざし診療を行う。女性のための美容外科・形成外科・美容皮膚科・美容産婦人科を手がける。日本産婦人科学会認定専門医。2001年東邦大学医学部卒業。2006年東京女子医科大学大学院修了。「ウェルネス東峯」を開設。

帝王切開とは?流れは?

帝王切開とはどんな方法?

帝王切開とは、経膣分娩(通常のお産)が難しいと医師が判断した場合に、赤ちゃんを取り出すために、お腹と子宮を切開する開腹手術のことです。

帝王切開は2通り
帝王切開には、あらかじめ手術の日を決めて行われる「予定帝王切開」と、経腟分娩の途中で何らかのトラブルが起きたときに、帝王切開に切り替える「緊急帝王切開」」があります。

近年、日本では帝王切開が増えている

厚生労働省の「平成26年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」のデータによると、帝王切開術による分娩件数は、30年前の1984年では、一般病院では年間33.3人、一般診療所が12.3人であったのに対して、2014年には一般病院で44.6人、一般診療所では31.2人と総合的に増えています。この主な理由として、女性の社会進出に伴い晩婚化が進み、それによって高齢出産が増加。高齢出産は、子宮筋腫のほか経腟分娩ではリスクが伴う高血圧や糖尿病などの合併症の割合が高くなることから、帝王切開が増加したと考えられます。

医療の進歩により、経腟分娩を行うことで問題が生じる原因を早期に発見できるようになったこと、また、不妊治療の末、苦労して授かった赤ちゃんを出産することが増えていることから、経腟分娩での万が一のリスクを回避するために帝王切開を選択するというケースが増加傾向にあるといえます。

帝王切開の流れ

予定帝王切開の場合、正期産に入る妊娠37週を過ぎて、赤ちゃんがいつ生まれてもいい状態になってから手術日を決めます。このとき、手術に関する不安なことや疑問点は担当医に納得するまで聞いてから、同意書にサインをすることが大切です。緊急の場合は説明だけで、すぐに手術になるケースもあります。予定帝王切開の多くの場合、手術日前日に入院します。

手術当日の手術前の処置から赤ちゃん誕生まで

  1. 手術前の処置

    トイレを済ませたら髪をまとめ、全裸の上に手術着を着ます。足には弾性ストッキングをはき、肺血栓塞栓症になるのを防ぎます。手術時間前に点滴をし、血管を確保。導尿の処置をし、血圧計と心電図をつかった検査をします。

  2. 麻酔をする

    帝王切開では大半が局所麻酔。痛みは感じないが意識はあります。

  3. 手術スタート

    麻酔が完全に効いているか確認を行い、おなかを縦か横に切開。切開方法の最終的な判断は医師が決めます。

  4. 赤ちゃん誕生

    子宮壁を切開して赤ちゃんを取り出し、へその緒を切ります。局所麻酔のときは、赤ちゃんの産声を聞くことができます。

  5. 縫合をする

    自然に溶ける糸で子宮を縫合します。止血を確認した後、腹膜、筋膜、皮下組織、皮膚の順に縫合。皮膚はホチキスのようなもので留めたり、医療用テープで固定したりする方法が一般的ですが施設により異なります。

  6. 入院室で休む

    手術後、血圧、脈拍、呼吸の状態などを確認します。出血の経過を観察し、異常がなければ入院室へ移動します。

帝王切開になるケース

予定帝王切開になる主な理由

【逆子(骨盤位)】
逆子の場合、子宮の中で赤ちゃんが頭を上にした姿勢でいるため、いちばん大きな頭が最後に出ることで、臍帯を圧迫し難産になることもあります。お産が近づいても直らない場合は安全を考えて、帝王切開を選択する病院が多いようです。

【多胎妊娠】
双子、三つ子以上の場合、赤ちゃんの向きによっては出てこられないこともあります。子宮が大きくなるため陣痛がつきにくく、母体の負担も大きくなるため帝王切開になることが多いようです

【児頭骨盤不均衡(じとうこつばんふきんこう)】
超音波検査などから、赤ちゃんの頭が母体の骨盤よりも大きい場合や、骨盤の形によって産道をうまく通過できないと判断した場合。

【前置胎盤・低置胎盤】
胎盤が子宮口をふさぐ「前置胎盤」、子宮口にかかっている「低置胎盤」の場合は、出血が多く危険をともなうため陣痛が始まる前に帝王切開になります。

【子宮の手術をしたことがある】
子宮筋腫などの手術をしたことがある場合は、子宮破裂のリスクがあるため帝王切開になります。

【重症の妊娠高血圧症候群】
重症の妊娠高血圧症候群により赤ちゃんに栄養や酸素が届きにくくなった場合は、早めに帝王切開に切り替える場合もあります。

【産道感染】
ヘルペスなどの感染症が出産予定日までに完治していない場合、産道感染を防ぐために帝王切開になります。

【持病がある】
心臓病や腎臓病など、経腟分娩を行うと母体に負担がかかる持病がある場合。

緊急帝王切開になる主な理由

医師が母子の状態を見極め、経腟分娩から早めに帝王切開に切り替えたほうがよいと判断した場合、緊急帝王切開を行います。まず、そのことを妊婦さんに伝え、承諾の意思を確認します。そのような状況では、妊婦さんは短い時間で判断しなければなりません。妊婦さんのなかには、手術で産むことに対してマイナスなイメージを抱く人もいますが、帝王切開でお産をすることで、命の危険にさらされた赤ちゃんを救うことができる可能性は高まります。現在の日本では約20%の妊婦さんが帝王切開を受けており、帝王切開はどの妊婦さんにも起こりうることです。

【胎児心拍異常】
何らかの理由で羊水が減少したり、臍帯が圧迫されるなどの理由で、赤ちゃんの心拍が異常に速くなったり、遅くなったりする状態が長く続いた場合。

【常位胎盤早期剥離】
赤ちゃんが生まれる前に胎盤がはがれ始めた場合。赤ちゃんに酸素がいきわたらなくなり、母子ともに非常に危険な状態になります。

【回旋異常】
赤ちゃんは母体の骨盤の形に合わせて回りながら産道を下りてきますが、体の向きが変えられずお産が進まなくなった場合。

【臍帯巻絡・臍帯脱出】
赤ちゃんの首や体に臍帯が巻きついたり、破水後に臍帯が産道内や膣内に脱出したりすると、臍帯が強く圧迫され危険な状態になります。

【遅延分娩】
初産の場合、お産開始から30時間以上経過し、母子の状態から帝王切開で早めに出産したほうがよいと医師が判断した場合。

帝王切開のメリット

経腟分娩を予定していたとしても、妊娠・出産では、突然、予期せぬトラブルが起こる場合があります。帝王切開は、赤ちゃんが無事に生まれてくるという安全性を高めることができる点が最大のメリットです。また、お母さんが経腟分娩に対して何らかの理由、例えば陣痛が怖いなど強い恐怖心がある場合は、帝王切開を選択することで不安な気持ちを減らすことができるでしょう。

産後、将来的に起こりやすいといわれている、子宮が下の方に下りてくる「子宮下垂」や「子宮脱」といった母体のトラブルの発生率が、経腟分娩に比べて少ないという報告も。その他、予定帝王切開にすることで入院から産後のおおよそのスケジュールがわかるので、お母さんもお父さんも予定が立てやすいというメリットもあります。

帝王切開のリスク

後陣痛が痛い

帝王切開の場合、出産時は麻酔を使用しているので痛みを感じません。手術後3時間ほどで麻酔の効果が薄れたときに切開部分の痛みと、子宮収縮の痛みを感じるようになります。後陣痛が辛かったという体験談を耳にすることがありますが、帝王切開に限らず出産には痛みがつきものです。どうしても我慢できない痛みに関しては、医師に相談して痛み止めを処方してもらいましょう。

肺血栓塞栓症のリスクが高まる

経腟分娩よりも長時間ベッドに横たわることで「肺血栓塞栓症」のリスクが高まりやすくなります。長時間同じ姿勢を保つことで、下肢の深部静脈で血液が固まり血栓ができてしまうことが原因です。帝王切開後は、どうしても疲労や痛みなどでベッドに横たわりがちになりますが、近年では、肺血栓塞栓症のリスクを軽減するために、術後の経過がよく医師の許可が出た場合は、翌日にはベッドから起きあがり体を動かすことや、歩行するように指導することが一般的となってきました。また、ベッドの上で足を動かす、下肢の静脈の血流を改善するのに効果的な「弾性ストッキング」を着用してもらうことで肺血栓塞栓症を防いでいます。

お腹に力がはいらない

帝王切開の傷や痛みが気になって、お腹に力を入れることができなくなります。赤ちゃんを抱きあげるときや、沐浴でかがむ姿勢で痛みを感じる人が多いようです。痛みがひくまでは無理をしないで楽な姿勢で赤ちゃんのお世話をするとよいでしょう。

子宮が回復しにくい

帝王切開は自然分娩で出産したときよりも子宮の戻りが遅い傾向にあります。自然分娩の場合は約1ヶ月ですが、帝王切開の子宮が完全に戻るのは3ヶ月前後かかり、そのため生理開始も遅くなります。

帝王切開で麻酔は?痛くないの?

麻酔には局所麻酔が多く使われる

帝王切開を行う前に必ず麻酔を使います。麻酔は下半身だけに麻酔がかかる「硬膜外麻酔:こうまくがいますい」や「腰椎麻酔:ようついますい」とった局所麻酔が多く使われます。胸より下に薬を効かせるので、意識は手術中でもはっきりしていて、赤ちゃんの産声を聞くこともできます。痛みはありませんが、押さえたり触ったりしている感覚はあります。帝王切開の原因によっては全身麻酔を使うこともあります。

【硬膜外麻酔】
脊椎の硬膜外膣にカテーテルを挿入し、麻酔薬を注入します。長時間の手術が可能ですが、効きはじめるのに時間がかかります。

【腰椎麻酔】
脊椎のくも膜下腟に麻酔薬を注入します。硬膜外麻酔よりも持続時間が短く、手術が長引く場合は、ほかの方法を併用することもあります。

【全身麻酔】
まず、マスクを口にあてて酸素を吸い、点滴から薬が入ると急に眠くなり、意識がなくなります。 眠ったことを確認した後に口から管を入れ、浅くなる呼吸を補助します。 管を入れるときには眠っているので苦しくありません。 手術後、麻酔から目が覚めたときに管を抜きます。眠っている状態で出産となります。

帝王切開の切り方

帝王切開では、おなかの切り方が二種類あります。おへその下を垂直に切るのが「縦切開」、水平に切るのが「横切開」です。最初に腹壁を10~15cm切開し、次に子宮を切開します。

緊急帝王切開のように1秒でも早く赤ちゃんをおなかの外に出してあげなくてはいけないときには、縦切開になる場合が多いようです。赤ちゃんは縦方向に位置しているため、素早く赤ちゃんを取り出すことができ、手術しやすいといわれています。

緊急度が高いときは縦切りになることが多い

妊婦さんの中には、下着や水着になると傷口が見えるということから、横切開を希望する人も増えています。縦切開と比較して赤ちゃんを取り出すのに少し時間がかかるので、こちらは時間にある程度余裕があるときに限られています。

傷が目立ちにくく、美容的な観点から希望する妊婦が多い

切り方にこだわり過ぎることなく、医師に任せて母体と赤ちゃんにとって安全なお産になる切り方をしてもらいましょう。

帝王切開の切り方による術後の傷跡

帝王切開の傷口は経過に問題がなければ、切り方に関係なくほとんどの場合は、時間が経てばあまり目立たなくなります。但し、体質も関係しているので、なかにはケロイド状になる人もいます。傷の表面に何かが当たると傷が厚くなるので、その場所だけケロイド状になることもあります。傷全体をおおうようにやわらかい布をあて、深めのショーツをはくとよいでしょう。最近では、手術跡を保護するシリコンジェルシートを使う人も多いようです。

帝王切開の費用

帝王切開は一般病院や一般の診療所など施設を問わず、手術費用自体は「予定帝王切開」の場合、20万1400円、「緊急帝王切開」は22万2000円となっています。但し、複雑な処置が行われる場合には料金が追加されることがあります。複雑な処置とは、前置胎盤の合併がある場合、32週未満の早産の場合、胎児機能不全の場合、常位胎盤早期剥離の場合、開腹歴のある妊婦に対して行う場合のことです。金額は処置内容によって異なります。

さらに、手術費用の他の食事料、分娩介助料、検査料、その他雑費については全額自己負担になり、このような保険外診療費用は施設により金額が異なります。経腟分娩を予定している場合でも、お産を行う予定の病院に確認しておくと安心です。

帝王切開の保険

帝王切開で保険が適用される場合

妊娠・出産でかかった医療費には、健康保険は使えませんが、帝王切開など何らかのトラブルで入院や手術を受けた場合は健康保険が適用されます。「高額療養費」は、同じ医療機関で支払った1カ月間の保険適用医療費が、所得に応じた自己負担限度額を超えた場合に受給できます。さらに、民間の医療保険に加入している場合には給付金がもらえることもあります。

帝王切開で保険が適用されない場合

民間の保険会社に加入している場合でも、帝王切開が適用されるか否か、また、支給される場合の金額については加入内容により異なります。保険によっては、保険の加入時期・期間により支払い対象外になるなど、さまざまなケースがあるようです。事前に加入している保険会社に確認しておきましょう。

帝王切開になる理由はさまざまで、不測の事態は誰にでも起こり得るため、絶対に帝王切開にならないためにできることというのは残念ながらありません。「お産を迎える日まで、できるだけ食生活に注意して体重管理や体力づくりを行いましょう。そして、健診は必ず受け、できるだけストレスの少ない生活を送るように心がけてください。それでも、帝王切開になることもありますが、そのときは、赤ちゃんのためにお母さんができる方法のひとつなのだとポジティブにとらえて、帝王切開に臨んでほしいと思います」。

監修・取材協力/東峯婦人クリニック 松峯美貴先生

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「帝王切開」にマイナスなイメージを持つ妊婦さんが多いようですが、知識を備えていれば、いざという場合も怖くありません。まずは、帝王切開についてしっかり理解しておきましょう。東峯婦人クリニックの松峯美貴先生が解説してくださいました。妊娠・出産のサポートサイト「プレママタウン」

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