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無痛分娩って本当に痛くないの?

2005.02.01

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欧米では主流の、麻酔を使った無痛分娩。日本ではまだごく一部の施設で行われているだけだが、希望する人は増えているという。いったいどういう方法なの?無痛って、まったく痛みを感じないの? 痛みに耐えてこそ母性も湧く、という人もいるけれど……? ほんとのところはどうなのだろう? そこで、80%のにんぷさんが硬膜外麻酔(こうまくがいますい)という方法で無痛分娩法を選んでいるという、神奈川県大和市の『愛育病院』を訪ねてみました。

分娩台でテレビを
見ている!?

取材当日、まさに無痛分娩を行っている初産婦さんがいるので、会わせてくれるとのこと。「あともう少しで生まれるんじゃないかな?」と、井澤秀明先生。

子宮口は7、8cmまで開いているというから、普通なら、ますます陣痛が激しくなってくるときだ。

いのち誕生の現場に入る緊張感で、おそるおそる分娩室へ。いくつかの分娩台がカーテンで仕切られていて、そのうちのひとつを開けると、「どうも。はじめまして、こんにちは」と、分娩台の上からにこやかなあいさつ。Yさんは初産という。なんという落ち着き! ほんとに、あと少しで産まれるというにんぷさん!?

分娩台には、小さなテレビまで付いている! いざ、生まれるという、そのときが来るまで、ご主人とふたり、話をしたり、退屈なときはテレビを見たりして、過ごしているという。

――ほんとに痛くないんですか?

ええ、痛くはないですね。でも陣痛はわかるんです。グーッ、とおなかを押されている感じがあるんです。

分娩台の枕元には、注射器がある。「ここに麻酔薬が入っています」と井澤先生が説明してくれる。それは、背中の腰椎の硬膜外腔に細い管でつながっていて、適量の麻酔薬を投与できるようになっているのだ。

点滴は陣痛促進剤。分娩の経過に合わせて、輸液ポンプを使って適量をしっかり見極めながら、投与している。

分娩台のすぐ横には、分娩監視装置。おなかに巻いたベルトにつながっていて、子宮の収縮状況や、赤ちゃんの心拍数などがチェックできる。赤ちゃんと母体の状況が、刻一刻と絶えずわかるようになっているのだ。

そんな説明を受けていると、「ひぃー」「うーーん」と陣痛に耐える声が聞こえてきた。となりの分娩台のにんぷさんだ。

「ここでは自然分娩も行っているんです」と院長。ほとんどの人が無痛分娩を選択している中で、自然分娩でがんばるのは、なかなか辛そうだ。

無痛分娩は自然分娩に比べて分娩時間が短く、半分から3分の1の時間で終わる。同じころに分娩が始まった人たちや、後から分娩室に入ってきた人たちが、自分を追い抜いて、痛みを訴えることなく、すいすいと赤ちゃんを産んでいく。自分ひとりだけが苦しんでいるような気持ちになり、途中から硬膜外麻酔に切り替える人も多いという。

「スタッフの体制が整っている昼間の出産なら、その突然の切り替えができますが、夜中の分娩だと難しいんです」。

『愛育病院』はまるでホテルのよう。プールやマタニティエステの部屋もある。無痛分娩率80%の病院。

あと1時間で生まれる!? ときにこの笑顔。無痛分娩は、ほんとに痛くないらしい。枕元にあるチューブ付きの注射器に麻酔薬が入っている。

もうすぐ産まれる、
その前に笑顔で記念撮影

――写真を撮らせていただけますか?

「ええ、どうぞ、どうぞ」と、ご夫婦でにっこり写真におさまってくださった。

――がんばってくださいね!

「はい、ありがとうございます!」

なんだか妙な高揚感に包まれて分娩室を後にした。なんとも不思議な感じ。痛くない出産は医学の進歩、快挙に違いない。医療技術のすごさに圧倒されてしまったのだろうか???

井澤先生によれば、Yさんはあと1時間くらいで子宮口が全開大になるので、そうしたら子宮の収縮にまかせ、自然にいきめば赤ちゃんは生まれてくるという。ラマーズ法やソフロロジーなどで行われる呼吸法などのトレーニングも必要ない、と。

あと1時間後には3人のショットになる。ご主人も安心の笑顔で、記念撮影。分娩台の左端にあるのが、分娩監視装置。

無痛分娩のメリットは……

「お産というのは、いつどこでなにが起こるかわかりません。硬膜外麻酔分娩は自然分娩に比べて安全なんです」。

妊娠経過がどんなに順調でも、出産が順調とは限らない。へその緒が赤ちゃんの首に絡まってしまったり、赤ちゃんは産道を回りながら下りてくるのだが、その回り方が変だったり(回旋異常)。急に赤ちゃんの心音が弱くなることもある。

硬膜外麻酔なら、陣痛の痛みが約10分の1になるので、痛みのストレスや恐怖からくる異常なホルモン分泌で、胎児や母体を危険にさらさなくてすむ。麻酔が交感神経をブロックして副交感神経を優位にするので産道も広がり、リラックスしたお産ができる。その結果、会陰切開率も減るという。

分娩時間も1/2~1/3と短くなるので、赤ちゃんも母体もラク。出産後のママの体力回復は、驚くほど早い。

デメリットや副作用としては、まれに頭痛を起こすことがあるが、そのときは、すぐに対処することができるという。

硬膜外麻酔分娩の方法

硬膜外麻酔分娩は、陣痛が始まってから麻酔を行う場合と、入院する日を決めて陣痛が始まる前に麻酔を行う方法がある。後者の方法を行っている『愛育病院』の場合の、出産の段取りを見てみよう。

  1. 妊娠37週以降、出産の条件が整っていたら、出産日を決め、前日に入院する。
  2. 超音波やNST(ノンストレステスト・分娩監視装置)などで診断し、出産の準備がOKとなったら、子宮口に生理食塩水を入れた水風船状のもの(ミニメトロ)を入れ、子宮口を開いていく。
  3. 翌日の分娩当日の朝、子宮口が4、5cm開いた状態になったら、赤ちゃんを包んでいる羊膜を切って破水させる。
  4. 腰に局所麻酔を打ち、脊椎に針を刺し、硬膜外腔まで針を通し、そこに柔らかくて細いチューブ(カテーテル)を挿入する。これで麻酔の準備完了。麻酔の準備にかかる時間は数分。
  5. 点滴も準備し、輸液ポンプを用いて、陣痛促進剤を投与。
  6. お産の進み具合や痛みの状態を観察しながら、麻酔薬や、陣痛促進剤などを注入していく。
  7. 陣痛は、おなかの張りとして実感できるので、子宮口が10cm開いたら、陣痛に合わせて自分でいきんで出産することができる。

ミニメトロ。入院当日に子宮口を開くために挿入する。やわらかいゴム状で、風船の中には生理食塩水が入っている。

腰椎に局部麻酔をかけて、硬膜外腔に針で穴をあける。針の中は空洞になっているので、ここにカテーテル(細いチューブ)を通して、硬膜外腔の中に入れ、針ははずす。

カテーテルの先は注射器につながっていて、ここから麻酔薬を投与していく。

赤ちゃんの可愛さは、
どんな出産方法でも同じ

分娩の痛みに耐えてこそ、母性も涌く。母になる資格がある。などといわれるが……。

「そんなことはありません。うちでは出産直後にママに抱っこさせますが、みんな可愛い、可愛い、って。育児も愛情たっぷりで育てています」

自然分娩で疲れ果てて、「もう赤ちゃんの顔も見たくない、見る余裕がない」となるより、よいのではないか、と井澤先生はいう。

無痛分娩でらくらく出産した人は、「第2子、第3子も無痛で」と希望する人が多いという。

ちなみに、『愛育病院』での硬膜外麻酔の費用は、約4万円程度だ。

監修/井澤秀明先生(愛育病院院長)
取材協力/愛育病院(神奈川県大和市 TEL.046-274-0077)

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